女子中学生のカット打ち ~出来事編~

 先日ドライブ主戦型の子(今回の主役、Aさんとします)と練習していて、回転の多いカットを持ち上げられないという問題が発生しました。

筋力もそれほどなく身体も小さい女子中学生のカット打ちについて考えていきます。

 

                      

切れたカットが上がらない

                      

Aさんは対ドライブ主戦や前陣異質にはかなりの力を発揮しますし、部内のカットマンも圧倒するので感覚がないわけではありません。

私のカットについてもそこそこの回転量なら上げられるものの、少し切るとネットを越えないという状況でした。

 

ミスを観察する中で、共通した2つの特徴があることに気付きました。

  1. 上体が仰け反った体勢で打球している
  2. 打球点が身体の横になり、頂点をだいぶ過ぎたところで打球している

もしかしたら共通の原因によるかもしれません。

 

最初に私がしたアドバイスは、「カットのバウンドと自分のドライブのテンポを、口に出して計ってみて」というものです。

これで少し打球点が上がって身体の前で打てるようになり、そこで打球出来た時には仰け反らないことも分かりました。(当然の因果関係ですが。)

ただどうしても低くて深いカットに対してはうまくいかないらしいのです。

 

                      

チームメイトを眺める

                      

たまたま隣でドライブ主戦型(Bさんとする)がカット打ちをしていたので、二人でしばしそれを眺めることにしました。(Bさんは下回転を持ち上げることにt特に長けていて、私がカットを切っても簡単に上げてきます。)

「なんでBさんは簡単に持ち上がるのかな」と私が素朴な疑問を口にすると、Aさんは「腕を下から上に大きく振ってるから…」とすぐに答えてくれました。

続けてAさんが言うには、「でも私は◎◎クラブで肘を使うコンパクトなスイングで習ったから、あれは真似できないんです…」とのこと。

 

言われてなるほどなぁと深く納得しました。(不意に私が勉強するという事態。)

同僚をきちんと観察し特徴を捉えつつも、自分には適さないという判断まで中学一年生で行える。正直びっくりしました。

前々から試合会場等でお喋りする機会はあり、その度に「この年齢にしてはものが見えているし私と割と近い感覚でお話しできるなぁ」と感じてはいました。

しかしながら私は先述の疑問を口にする瞬間、Aさんが一瞬考えるかなぁと思っていました。無意識に侮っていたのかもしれませんね…。これは少し反省しました。

 

話とカット打ちに戻しますと、確かにクラブでの指導を経験したAさんと違い、クラブを経験していないBさんのスイングは独特と言えば独特ではあります(決して汚いスイングではなく、理に適っていますが)。Bさんんは肘はをあまりたたまず、肩を中心とした大きなスイングで対下回転ドライブを行います。

 

                      

練習メニューの変更

                      

 その日の最初はAさんのサーブからオールで練習していましたが、上のやり取りの後フォアワンコースに切り替えたいと申し出があったのでそれに切り替えました。

そもそもなぜサーブからオールという高難易度でやっていたかというと、彼女が選択したからです。彼女に限らずドライブ主戦型の皆さんは私と練習する時、サーブからオールを好みます。その理由を想像してみますと、

①彼らにとって格上のカットマンに当たるのがそこしかないので自分の技術を試したい

②カット打ち単体ならそこそこ出来るので試合を想定してサーブから始めたい

③どういう練習がより効率的か分かっていない

といったあたりのどれかでしょうか。(この辺りもどういう思いか、尋ねてみたいところです。)

先述のBさんに関してはサーブからオールでもかなりラリーが続くので何も言わないのですが、Aさんに関してはそうではないので最初様子を見ていました。するとやはり切れたカットが上がらず、早めのミスが多発します。

私は指導者として相手をしているので「なんだ、続かないじゃないか」と思うことはないのですが、彼女の気分が落ち始めるのではないかと予想しました。

その時はまだ表情に変化はありませんでしたが、練習を中断して「サーブからオールで難しいと感じたら、レシーブを限定するとかこちらの送球コースを限定するとかして、うまく調整してね」と伝えました。

 

こういった経緯があり、二人でBさんを眺めた後にワンコースに変更して練習を続けたのでした。

しかしながらやはり切れたカットを上げるのに苦しんでいます。

どうしたものでしょうか。

 

 

(アイデア編へつづきます)

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