中学校での戦型の決定 Part3 ~最終決定~

Part1では教員による押しつけが問題であることと裏ソフトが優れていること、

Part2では押しつけられがちな前陣異質型について考えてきました。

 

では具体的にはどのように戦型の決定が行われるべきか、このパートで考えていきます。

 

                      

各戦型の特徴を伝える

                      

最終的な意思決定は生徒自身に選択させることが大前提です。その選択を支えるための情報を提供します。

その戦型の魅力や凄さが分かるよう、まずは世界レベルの選手の映像を見せるのが良いと思います。

前陣異質型も数名ですが現役で存在しますし、ドライブ主戦・前陣速攻型・カット型であれば綺麗な動きをする選手や派手なプレースタイルの選手を選び出すことも可能です。

スーパープレイをまとめた映像もYouTubeなどに上げられていますから、それを見せるのが手っ取り早いでしょう。

 

最近では卓球の世界大会のテレビ放送も増えていますから、観たことのある生徒もいるでしょう。

しかしテレビ放送でカット型や前陣異質型を目にする機会は少ないですから、改めて見せることの価値は大きいと思います。

 

その後で、冷静に各戦型のメリットとデメリットを伝えます。

中学生、特に男子であれば一発の派手さがある日ペンやプレー自体が目立つカット型に魅力を感じる子がいるかもしれません。

もちろんそれも認めつつ映像からは分からないそれらの長所を伝えます。

同時に、シェークのドライブ型に比べればいくつかの観点から険しい道のりであることも説明しなければなりません。

 

                      

最終的な判断

                      

中学校であれば入部が決まった直後に映像を見せる機会を設け、イメージを頭に入れます。その上で裏ソフト、表ソフト、粒高の内興味があるものに触らせます。また、グリップについてもシェークとペンの両方に触れてもらうのが良いでしょう。

先輩のラケットを一時的に貸すのもアリでしょうが、出来れば別に用意できると安心です。

 

グリップについてはその過程の中で各生徒と対話しつつ仮決めして卓球に慣れることを始めます。ただしラバーについては最初の数か月~半年は裏ソフトを貼るべきと思います。

まずは裏ソフトを使って基本的な動作を覚え、自分の力で回転をかけて飛ばす感覚を手に入れます。その後でバックを表ソフトに替えたり、前陣異質やカット型へと参入していく方が三年生の最後の時点でより上手になると思います。

 

何にしても一番大切なことは、最終的な判断は生徒自身にさせるということです。

もちろん指導者として、「生徒本人にとって」より良いであろう選択肢を提示することは良いことです。しかし本人の希望を無視して押し付けるのは間違っています。

あくまで本人の選択の手助けをすることに留め、最終的には自分で考え決めさせるのが、教育の一環として行われる卓球の正しいあり方だと思います。

 

 

おわり