外部練習

カットのAさん、Aさんのお母さん、前陣異質のBさんと4人で外部練習してきました。

その中での発見や考えたことなど。

 

 

カットのAさん

バックカット

練習の映像を観ていくつかポイントを考え、その中から2つに絞って伝えました。

まずスイングの終着点を右膝の前にすること。

そして肘の位置を下げ、身体に近付ける(=ワキを締める)。この2点です。

どちらも、下方向へスイングするためのポイントです。

後者ですが、ワキが開いている状態で肘を伸ばすとラケットは身体の横方向へ大きく出てしまいます。肘を下して肘を開くとスイングは右膝前へと向かうわけです。

 

予想以上に効果はてきめんで、一瞬にして打球音が変わりました。”粒高のカット”という感じの、乾いた打球音です。この音が鳴らせれば、あとは打点とスイング角度に少し気を配るだけです。

こういう瞬間的な進化を見ると感動しますね。うーん!

 

先日私が練習へ行った翌日、彼女たちは近くの高校へ練習に行っていました。

その高校は卓球用の施設が充実しており、県内から卓球の上手な(かつ勉強もなかなかにできる)選手が集まります。

その練習で高校生から、全体的にスイングを小さくすることとバックカットを振り切るときに右膝に当てることをアドバイスされたそうです。

 

確かに彼女のツッツキは大きすぎる場面があります。特にカットしてから前に出た時。前に走りこむエネルギーがあるのでツッツキのスイングはほとんどいらない。というのは私が大学で偉大な先輩に教わったことです。これが彼女にも効くはずです。

ただ、フォアカットのスイングに関しては大きくても悪いことではないと伝えました。ここは個人差や用具によって変わってくるところです。どちらかというとフォアカットは大きいスイングをする人が多いと思います。小さくては、裏ソフトで威力のあるボールを抑えられません。

 

バックカットを膝に当てる、というのは少し言い過ぎですが私の考えたことと似通っています。Aさん曰く、「膝に当てようとしても膝の前に来ちゃう」とのことでしたので、それでいいよと伝えました。むしろ膝の前に振り切るつもりで、と。

肘の位置を下げたのも効果があったようです。まだオーバーミスが多いですが、そういう時はやはり肘が高くなって前に張り出しています。肘の位置を掴みさえすれば、バックは鉄壁に近付くでしょう。

 

15分ほどバックストレート、10分ほどバッククロスで直出しドライブからバックカットを練習。

先日の学校での練習では、私がバッククロスでうまく打てませんでした。その後映像を確認して身体の向きを修正したので、返球率がグンと上がりました。(もともと球は上がっていて身体の向きがおかしいだけだった)

 

フォア前へのサーブからオール

前陣異質のBさんとの練習を挟んで再びAさん。

競技的に考えるなら再びバックカットだけの練習も良かったのですが、外部練習ですし気軽に違うことをやった方がいいだろうと判断。やりたい練習がないか尋ねました。

うーん…と考えあぐねていましたので、「例えばサーブからがいいとか…」と言ったところレシーブからやりたいとのこと。フォアとバックどちらがいいか掘り下げると、「フォア前がヤバいんです~」というわけでメニューが決まりました。

 

鋭く触ることは出来ていて、面を調整すればどんな回転でも切って返せそうです。あとはコース取りで、フォアサイドを大きく切るように返すとかバックサイドを少し切るように返すとか、フォア前からフォア前へストップするなどのルートを提案。

 

今回はサーブのコースだけ限定しましたが、次に似た練習をするときには三球目のコースを限定して行うようにしようと思います。レシーブはオールにし、強打を避けるレシーブを練習してもらうためです。

私のカット打ちも大分改善されたので、この練習も可能になったと思います。

 

 

前陣異質のBさん

カットへの憧れ

休憩中に、BさんがAさんに「カットいいなぁ~」と言っていました。攻撃型ではなくカット型に憧れるのかとちょっと笑ってしまいました。

私もAさんのお母さんも揃って「攻撃型のほうがいいよ」と言ってしまったのですが、今になって失敗したかなと不安になっています。いいなぁと言った言葉を一旦受け止めるべきだったなと。冗談交じりにでも「ちょっとカットやってみるかい?」と聞いてみても良かったなぁと。

次に練習で会った時、時間があれば聞いてみようかなと思います。休憩中に遊びがてらチャレンジしてもらうことはできますから。

 

印象的だったのは、「粒高は粒しかやることがないじゃないですか~」という言葉。笑ってはいましたが、これが本当に思うところなんだなぁと唸りました。教えられないのにペン粒押し付けるからこんなことになるんです(# ゚Д゚)プンプン!

 

裏面でブロック

最初に10分ほど、私のサーブからバッククロスで粒高を使ってプッシュとブロックの繰り返し。

上述のやり取りもあり、またほかの理由もありましたが裏面でのブロック・ハーフボレー?を練習することにしました。ほぼ初めてだったのですが、20分くらいで裏面対私のバックでラリーが続くようになりました。

 

練習の流れは次の通り。

  1. バックにサーブ→粒でレシーブ→私がバックドライブ→裏面でブロック
  2. Bさんが裏面で私のコートに直出し→バッククロスでラリー
  3. Bさんが一度台に落としたボールを裏面で打つ→バッククロスでラリー
  4. バックにサーブ→粒でレシーブ→私がバックドライブ→裏面でブロック→バッククロスでラリー

 

練習が終わってから、1は飛ばすべきだったなと反省。最初から2をやっていればもっと近道だったなと。

1の時点では面がブレる、こするように当ててしまうといった問題がありました。

そこで、正しく飛ばす感覚をつかむために直接打ってもらうことに。私にボールを渡すようなイメージで、ポンッと当ててもらうようにしました。(2)

台に一度落としてから打った方がやりやすそうだったので3へ変更。これを10~15分ほどやって、きちんと当たっている音になってきました。面も軌道も安定してきたので4へ。サーブからでもバッククロスのラリーにまでほぼほぼ繋がるようになりました。

特に目に見えて効果のあった、裏面ハーフボレー(でいいのかな?ショートとは違うし…。フォア打ちの裏面バージョンだから裏面打ち?)のアドバイスをまとめておきます。チュウペン使用者にとっては常識なのだと思いますが…。

  • 手首を動かし過ぎないように。特にブロックや弾く時には手首は使わない方が面が安定するので良い。
  • ボールが落ちる時は面が下を向いている。肘をラケットと同じくらいの高さに持っていけば面を立てやすい。
  • 少し湿ったようなポンッ!という音を目指そう。
  • まずは自分スタートで、相手に渡すつもりで飛ばしてみる。

 

フォアで打つ練習

土曜日に大会があるそうで、先生からその大会でフォアを振るように言われたそうです。無茶な話ですよ、やり方を十分に教えられないのにそんな指示を出すなんて…。

せめてやり方を教えた上で、それでも不安定なのだから「このセットの何本目で使おう」などと具体的に決めないといけません。

 

と言うわけで、後半は粒高でのフォアハンドを練習することに。

直前の休憩時間でたまたま彼女のラケットを借りて角度打ちをしていまして、まずはそれをイメージしてやってもらいました。いくつかポイントを伝え、修正をかけた上で成功率は2/3といったところでしょうか。ミスする時は角度打ちとドライブの狭間で迷っているように見えた時でした。

ドライブのように振った方が安定することに気付き、途中でそちらへシフトしました。

角度打ちで力を抜く感覚を練習したのも効いたのかな?私の前陣カットとラリーが続くようになりました。

 

最後に、これくらい打てれば試合でも入りそうだねと伝え、「試合の1本目だとちょっと怖いから、お互い2本ずつサーブをして、次の自分のサーブから三球目で振ってごらん」とも伝えました。

多少は安心感を持ってもらえたのではないかと思います。

 

 

今回の(外部)練習の総評

AさんBさんともに、目に見える技術の改善があったのが良かったです。

Aさんはバックカットの音が激変、球威に押されてのオーバーが減りました。あとは打点とスイング角度。

Bさんは裏面ブロック、粒フォアアタックの感覚を掴んだようです。あとはそれを忘れずに、練習量を確保することです。

私のコーチングも捨てたものではないなと思いました。しかしながら(文中で触れたように)、まだまだ遠回りだったり的確さが足りなかったりと、効率には改善の余地が大ありです。

私自身はバッククロスでのカットウチの身体の向きを掴むことができたのと、バックハンドで下回転を打つ感覚をほんの少し体感しました。

2時間と普段に比べれば短い時間ですが、かなり収穫の多い練習でした。75点!

 

 

学校外で見える素顔、本音

ミスしてターン

Aさんは学校の練習ではミスしてもあまり感情を出さないのですが、今回の練習では「ムリ~」とか「こわい~(スマッシュに対して)」といった発言や、クルリとターンする反応が見られました。学校の練習でも言葉に出してもらえるとどういうお気持ちか簡単にわかるのでありがたいのですけれどね…。まぁ集中力との兼ね合いで難しいかもしれませんが。

ミスしてターンする反応は、学校でも他の何人かには見られます。この反応は女の子特有ですよね、きっと。私は比較的感情が声や動作に出るのですが、ターンしたことはほとんどないかなぁ…。

2,3名ではなく、部員の半数程度に見られる反応なので興味深いです。

 

調子に乗ると?ミスする

Aさんと練習中に私が結構いいサーブだか三球目攻撃をしまして、「いいぞ~」と自分自身を褒めました。そして直後に安易なミス。やっぱり調子に乗るとダメだねと言うとAさんにも心当たりがあったようで、あぁ~と笑っていました。後に「褒められたりすると次ミスしちゃうのなんでだろうね~」と、お母さんに話しかけているのが聞こえました。こういう感覚を共感できることに気付くと、嬉しくなります。

 

1年生との軋轢?

1年生には2名経験者がおり、2年生に穏やかな子が多いことも手伝って、2年生と1年生は友達のような距離感のようです。良い効果もあるのでしょうが、時に1年生がタメ口を使うこともあるとか。これに関しては私がタッチすべきなのか、放っておくべきなのか…。先生がいる場所ではそういうことは起こっていないと思われます。

 

私が想像するに、未経験者の子たちは敬語を維持しているのではないかと思います。

敬語が欠落するとしたら経験者の2人、あるいは内1人。

 

Bさんと練習していると、隣で打っているAさんが経験者2人(C,Dさんとしておきます)への不満をお母さんにぶつけていました。

Cさんはやりたいことを好き勝手にやっていて、Dさんは先生からの指示を伝えると「でも~ですよね」と反論してくるとのことでした。「私が考えたんじゃないんだから、黙って従え!って」とAさんはかなりご立腹でした。

 

Cさんはまぁ普段から奔放な人なので想像に難くありません。

 

Dさんについてはいくつか思うことがあります。

卓球歴が部内最長ということを差し引いても、Dさんの思考の深さや論理的に物事を理解・説明する能力は中学1年生のものとはとても思えません。きっと彼女は人生2周目。

とても礼儀正しい人で、私が一番信頼している生徒の一人です。ですから彼女が2年生に対してタメ口になってしまうというのはあまり想像ができません。2年生を下に見るとかそういうことはないと思うのです。

Aさんがご立腹の反論にしても、きっと論理的に正しい反論なのだと思います。Dさんは自分の考えをきちんと持っていて、受けた指示の内容を反芻した上で意見を躊躇せず発信することができます。

とはいえ自分が中学2年生だったとして同じ状況だったら、心中穏やかではいられないでしょう。Aさんの気持ちも良く分かります。

しかも先生の指示についての反論がAさんに飛んでくるわけですから、Aさんは板挟みになってしまうわけです。そりゃストレスになりますよね。

 

また、Bさんとのお喋りで「Dさんは教えるのが上手そう」と私が言ったのに対し、興味深い話を聞きました。

Dさんが2年生のシェイクウラウラのEさんと練習する時に、Dさんから進んでアドバイスをしているというのです。部内にシェイクウラウラはDさんとEさんの2人しかおらず、Dさんは卓球をよく分かっていますから客観的に見ればEさんにとっては美味しい話です。

しかし2人の練習を見ている先生にはミスを叱られ(これは相変わらず意味が分かりませんが)、後輩にアドバイスされるということも加わって、Eさんのメンタルはだいぶ参ってしまうようです。Dさんにはきっと悪気はなくて、Eさんを思っての事だと思うのですが…。

私などはもう、年下だろうが教えてもらえるならありがたく聞けるのですけれど、中学生・高校生では心理的に難しいですよね。

 

Bさんは「Dさんの勝敗が団体の結果に直結するから、あんまり強く言えないよね」という趣旨のことをAさんに話していました。

うーむ、分かるぞその感じ。

 

仲が悪いわけではないと思いますが、本音を聞けたことで問題が見えてきました。

 

もし仮にタッチするとしたら、A,C,D,Eの4人に個別に接触するのがよろしいかなと。

1年生の2人には直接表現するのではなく、なにかうま~い言い方とかお話をしたいものです。

全員が完全に分かりあうことなんてできないとは思っています。でも、互いに正しく認め合ってから2年生の引退を迎えてほしいとも思います。

 

 

 

(おわり)