4/22の練習 ③

第三弾です。

 

休み時間を利用して感覚調査 ~バック表/裏面打法

休み時間に友人に相手をしてもらい、生徒の用具を借りて打ってみました。

 

①SK7(FL)+VEGAeuro2.0+BoosterSA1.8

[バック表の感覚について]

バック表を8,9年ぶりくらいに触りました。

まずバッククロスでロング、次にツッツキを切ってもらって三球目攻撃。

ロング打ちの時点で、私のバックハンドはブースターSAには合っていると感じました。SAが扱いやすい(≒裏ソフトに近い)表ソフトということを差し引いても、ボールが安定します。思い返すとバックで弾く技術は普段から使っていますので、なるほどなぁと。下回転に対しても弾く打ち方でトライし、入れば一発で得点出来そうですが選球が難しい…。

クラブで教わっているこのラケットの主は、下回転に対しては回転をかけて安定した軌道を作ることが多いです。次に借りて打つ時にはそちらも試してみたいなと思います。

 

[用具について]

この用具、私にとってかなり理想に近い打球感です。サラッサラで打球音が両面とも高く、打っていてとんでもなく気持ちがいい。柔らかラバー代表のヴェガヨーロッパですが、SK7と合わせているためか嫌な柔らかさは感じませんでした。攻撃型に転向するならこの用具だな…といったところです。やはりSK7は名品!

表ソフトはカット型として閃霊を使ったきりで、各表ソフトの性能に明るくないため帰宅してから調べてみました。すると、性能が裏に近いため表へ転向する最初のラバーとしてSAは良い、という情報を見つけて納得しました。だから私でも安定したのかぁと。やはりクラブのコーチが選んだだけあって、納得のいく用具になっています。

 

②守備用中国式+カールP3+フライアット中

友人が本職の中ペン裏裏なので、これ幸いとまたまた裏面打法にチャレンジ。

 

[フライアットについて]

以前高校の練習に参加した時に触らせてもらったことがあり、回転がかかる前に飛んで行ってしまう感じがして印象は良くありませんでした。これは今思えばラケットがアウター系の特殊素材だったからだと思います。

今回の組み合わせで使用したところ、勝手に飛び出す感じはしませんでした。守備用ラケットと合わせたとは思えないほど素直な飛び方と感じました。ぶつけた分だけ飛ぶし、最近のスピンテンションと違って高く上がりすぎることもない。フライアット、技術や感覚を磨くのに良いラバーだなぁと感じました。

ただ、感覚が無い人間が使って強い回転がかかるようなラバーではないですね。回転をかけるより多少弾きながらの打法がやりやすいのかなという印象を受けました。つまりシートで持つより食い込ませて回転をかける…ということでしょうか。

シートの回転性能はライズ>フライアットと、私は思いました。(これは良いとか悪いというのとは別の話ですけれども。)

今回の試打で、これにスピン性能をプラスしたであろうフライアットスピンが人気を集める理由が分かった気がします。

 

[裏面打法について]

今回は初めて中ペンの大人に相手をしてもらえたので、いろいろと質問しながら試すことができました。質問と回答は以下の通りです。

Q.対下の裏面打法、肘の位置もスイングとともに上下に動かすべきか。

A.(意識的には)そんなに動かさない。

→これはWong Chun Ting選手の裏面打法なんかを見ますと、若干肘ごと落としてテイクバックを取り、スイングしながら肘が落とす前の位置より高いところまで上がるなと思ったからです。回答をくれた友人自身はあまり動かさないとのことでしたが、実際には多少上下しているように思いますので()の部分を勝手ながら追加しました。

私なりに考え、「肘を動かすというより別の意識をした結果として、肘の高さが変わって見える」という結論を得ています。つまり肘が低くなるのは膝を曲げるとか腰を折って身体を倒すと言った意識の結果で、それを元に戻す力でスイングをしかつラケットや手に引っ張られる形で肘も少し後を追うから高い位置に向かうのだと。うーん、言語化すると長ったらしいですね。ちゃんと芯を食った結論になっているか、また友人に教えてもらおうと思います。

 

Q.グリップについて、親指・人差し指・後ろの三本の状態は。

A.親指はまっすぐでなくてもいい。親指と人差し指で結構深く握る。後ろの三本は全体を軽く曲げている。後ろの三本はラケットの真ん中よりほんの少し下に。

→ある中国の卓球育成番組?で、中ペンの握り方を聞いたことがありまして、「まずは親指をグリップと平行にまっすぐ、親指の腹をブレードに当て、その状態から人差し指で握って…」といった内容でした。

ですので親指について聞いてみましたが、彼はそこには拘らないようでした。(が、ちゃんとグリップと平行、まっすぐになっていました^^b)親指よりも、深く握ることが意識として強いようです。後ろ三本は見せてもらいながら真似して持ってみました。曲げ方は指の根元から全体を軽く、つまり比較的自然な曲げ方です。力を抜いた状態を少しまっすぐよりに力を入れる感じです。

彼は薬指・小指がラバーに接地しないという話を思い出して握ってみましたが打っている最中にはそこまで意識が回らず、二本が接地していたかどうか思い出せません。まずは自分がどうなっているか/自然とどうなってしまうかを認識する必要があり、その先にいろいろ試して合うもの/うまくいくものを探すというステージが待っています。

恐らく前陣異質の生徒の中には、ペンの(公式的な)握り方を教わっている人はいないと思います。彼らのためにも、私が言語化出来るくらいまでに知識・理解を深めなければいけません。

柔らかめ木材ラケットに扱いやすいラバーと言うことで、裏面打法初心者でも飛び方や当て方のイメージを掴みやすいです。直近に裏面打法チャレンジをした用具がルーティス+エクステンドでガッチガチでしたから、それと比べたら持ち上げやすいことこの上ないです。

休み時間を利用しての裏面チャレンジはこれで5,6度目になりますが、だんだんと面の作り方やスイングの感じが感覚的に分かってきました。(まだ言語化できるほど量をこなせていませんが…)

 

今回の使用を合わせて、今までに借りた前陣異質用の用具は以下の通りです。

  • チャイニーズスリム+B:スレイバーEL中
  • デフプレイセンゾーC+B:ライズ中
  • 守備用中国式+B:フライアット中
  • 守備用中国式+B:T-Rex

 まだ比較するほど感覚の醸成がされておらず、それぞれの使用時間も短いです。今後もう少し生徒たちに貸してもらって(もちろん彼らが休憩する時にだけ)、まずは一番のお気に入りを探したいなと思います。お気に入りが見つかれば、それを基準に比較ができますから。

 

意識宣言の結果

練習開始時に全体に向けて伝えましたが、実際に練習になると忘れてしまっているようでこちらから尋ねる形となりました。続けるとしたら、習慣化するまでは声掛けが必要があるようです。

私との練習で生徒たちから出てきた意識宣言を、ここに記録しておきます。

  • (表ソフトで)かけると弾くの使い分けをはっきりする。
  • (フォア多めバック時々のようなメニューで)意識していないところに来た時にきちんと反応できるように待つ。
  • ドライブの高低を意識的に変える。
  • ドライブの長短を変える。
  • 出来るだけレシーブから打っていく。
  • 裏面打法を使うチャンスを逃さないようにする。
  • (フォアカットで)力を抜く。

当たり前なのですけれど、卓球歴が長い子ほど具体性が高かったり的を射ていたりしますね。中学始めの子やクラブに通ったことのない子は漠然としていたり芯を外していたりするものが多いです。

実は同行してもらった後輩から、「的外れな意識宣言が多く、意味があるのか?」という指摘を受けました。確かにペン粒の生徒がオールに近い練習の中で裏面を使うのは難易度が高く、芯を食っていないのは否定できません。しかしながらこの意識宣言に限っては、裏面を使うという発想や展開を紹介してしまった私にも責任があります。ただ、三年生は中学生としての残り時間が少なく、丁寧に設計しなおす時間はありません。ある程度技術的なまとまりを失うのは覚悟の上で、裏ソフトの使用を紹介しました。今の時期に裏ソフトあるいは裏面打法に接触しておくことが、この先の人生でが卓球をやるとなったときに必ずプラスになるからです。

二年生は時間がありますので、今は的外れでも繰り返すうちに気付いたり周りからアドバイスを貰ったりして、少しずつ洗練されていくと思います。期間が長ければ、こちらから時たま「これを意識してごらん」と言っても押しつけがましくありません。一方で三年生は、この意識宣言を初めて数か月で部活からは引退です。意識内容をこちらから授けてしまうと「なんだよ、自分の思ったことで良いって言ったくせに」と思いかねないな、と。ですから三年生については、多少的外れでも仕方ないかなと思うのです。もうそこまでこちらで上書きして押し付けるよりは受け入れて、”やりたいようにやる”時間を延ばしても良いのかなと。

最初はズレていても良いのです。正しいかどうかより、自分で考えた内容を練習中にきちんと意識できたかどうか、まずはそこを評価するべきなのだと思うのです。ただでさえ三年生には、こうしてごらんああしてごらんと言い過ぎたと私自身反省しているところでありますから…。

 

友人との食事にて

今回もいろいろな話をしました。その中で、生徒に関わることを書き留めておきます。

  • バック表の子のフォアハンド、あれはおよそ女子中学生の威力ではない。あんなのを気持ちよく打たれたら取れない、実際何本もノータッチで抜かれた。
  • 二年生トップのシェーク裏裏の彼女が、部内で一番大きく成長している。特にバックハンドの球威が増した。
  • 格上のプレーヤーが出す回転が分かりづらいサーブなんて、我々も返せない。
  • ペン粒の三年生三人、シェイクの二年生二人と当たって、全員に時々思い切り打ってみたけれど誰も触れなかった。「こういうボールもあるんだ」ってのを知ってもらおうと思い場面を選んだ上で打っていったけれど、ここは今後考えないといけない。せめて触れれば返球の可能性があるけれど、反応すら厳しい威力のボールは出す必要がないと分かった。取れるかどうかの威力を出したい気持ちもあるけれど、中国ラバーではなかなかそれも難しい。
  • 我々が練習に行くのはいいのだけれど、練習相手をする意味が果たして本当にあるだろうか。中学生同士で打った方が良いのではないか。確かに”攻撃型”が不足しているから、そういう意味では我々と打つのも良いかもしれない。そうは言っても外部者4人は多すぎる。
  • 先生がペン粒用意する気持ちも分かるけど人数が多すぎる。運動苦手な子にこそシェイク裏裏をさせるべき。可動域の小さいあの戦型は、運動苦手な子にやらせるべきじゃない。そもそもペン粒で上手になれる子は、他のどんな戦型でも上手になれる。

 

 

(おわり)