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卓球と初心者指導(仮)

中学校の卓球部における指導について、主に考えていきます。

4/29の練習

夕方に天気が崩れるまでは湿度が低く、この時期らしい過ごしやすい気温でした。心地よい風も吹いていました。

午前中に左シェーク裏裏の旧友と2時間ほど練習し、午後からは共に中学校の練習へ。

今回は彼と生徒の練習を撮影しました。

 

残念ながら練習後に彼とゆっくりお喋りができず、じっくりと感想を聞くことができませんでした。また、練習を生徒より少し早く切り上げ慌ただしく去ったため、彼からどんなアドバイスを貰ったかも生徒たちに聞くことができませんでした。これについては次回の練習で絶対に確認しようと思います。

 

 

私との練習内容は①、左シェーク裏裏の彼との練習内容は②として記録します。

 

 カット型のAさん

[①(私が)フォア半面に下回転サーブ、そこからAさんのフォアサイド対オール。]

前回Aさんはお休みだったので、彼女には今回意識宣言について説明しました。「この練習で何を一番大事にする?」と聞くとしばらく考えていましたが、ツッツキをミスしないという宣言が発表されました。

一瞬「カットじゃなくてツッツキかぁ」と思ってしまいましたが、ツッツキでミスがあってはカットをするまでに至らないものなぁ…と考え直しました。Aさんがそこまで考えていたとしたら素晴らしいです。普段からフォアツッツキのミスはほとんどないAさんでしたが、いつもより意識を高められていたら良いなと思います。

 

Aさんが練習メニューを即座に決定する時は大抵、ある技術に生じた異常を修正したいという思いがあります。今回はすぐにメニューを決めたので、フォアカットを観察しながら打ち始めました。

すると普段よりインパクトが弱く、かけたり抑えたりする前にボールが反発しています。「今より少し強く、グッと当てる」よう伝え、多少この症状は改善されたように見えました。しばらく打った後喋ってみると、前日に男子と打ってから感覚がおかしくなっているとのこと。男子と打ったことがどう作用して感覚が狂ったのか気になりましたが、思うところあってそれ以上の質問や発言は控えました。

 

質問や説明を追加するのは、相手を選ばないといけないなと最近反省しています。友人との練習では細かい事まで話しつつやるのですが、Aさんにはあまり合わないなと。良かれと思って質問を重ねたことが何度かありましたが、Aさんの表情や反応を見るによろしくないと判断しました。彼女の心境を察するに、「分かったから早く打たせてくれ」といったところでしょうか。外部での練習では、もう少し反応が良い印象があります。表情も付くしAさんから具体的な応答もあります。うーん…。この印象が正しいとすると、学校では私との練習時間が限られているとか、先生もいるしあまり喋ってもいられないとか、何か別の要因が作用しているのかもしれません。

などと色々考えるのですけれど、こういうことも学校でAさんには聞けないなぁ…。高校生くらいになれば、こういう話も通りそうではあります。

一方で、後述のBさんは卓球の細かい話だけでなくそういう思考に関する話にも乗ってきますし、Bさん側からも発信があるので悪くはないと思います。彼女の場合は卓球歴が長いだけでなく、考える力の発達が早かったのかなと見ています。 

 

この練習の中で私のツッツキが浮く場面がありましたが、攻撃はしてきませんでした。Aさんなら打とうと思えば打てる球です。これは何か狙いがあるのかしら…?

 

[②バッククロスでカット]

先日、左利きの攻撃型と当たって困惑したという話を聞いていたので、どういうメニューを選択するのか興味がありました。私はてっきりフォアへドライブを打ってもらうのかと思いましたがバッククロスでカット。私がこう予想したのは、左利きのドライブは回転軸が右利きのそれと違うためフォアカットをコントロールしにくいからです。右のドライブには相手の回転に対して真正面から下回転を与えられますが、左のドライブに対しては回転に対して垂直に近い場所を擦ることになります。

彼女が考えて決めたので、何かしらの狙いがあったと思います。もちろんバックを鉄壁にする練習は大切ですが、左利きを最大限活用した練習というのはそれ以上に大切です。部内に左の裏裏がいないのですから。

 

ワンコースとは言えかなり安定してカット・ツッツキが出来ています。練習相手をしている彼の球質が揃えられているのもありますけれど、それを差し引いても立派です。前にツッツキで落とされてもきちんと見て対応できており、ツッツキでのミスはやはり少ないです。

後に私から彼に感想を聞いたところ、前に出るのはかなり強くカットもツッツキも良くできているとのことでした。ただし、前に出されてから下がる練習はもう少し必要だろうということでした。

私自身も同様ですが、やはり人間の構造上、前方へ走りこむ方が後方へ移動するよりは素早いですね。その分、前から下がる練習をしないといけません。うーむ、カットマンは大変だ…。

 

ドライブ型の二年生Bさん

先日の部内ランキング戦でエースの三年生を打ち倒したBさんでしたが、順位は3位だったようです。聞いてみるとランキング戦の序盤に体調を崩しており、帰宅して熱を測ったら37℃を超えていたとか。それがどれくらい結果に影響したか定かではありませんが、三年生二人に負けたようです。

 

[①バック半面に下回転サーブ、フォア2/3にレシーブしてそこからオール。]

前回同様「ドライブの高低を操作する」意識はしつつ、粒高のボールを巧く利用して狙い打っていくことを意識するとのことでした。今までは粒高のボールが嫌で入れに行っていたけれど、考え方を変えて狙っていくことにしたと話してくれました。うーん、相変わらずさすがBさんといったところです。

打ち方さえつかんでしまえば、粒高のボールは回転の少ない遅いボールですものね。誰かに教わるでもなく自分で、考え方から変えてくる辺りが彼女の優れた能力です。もちろん卓球歴が長いのは大きいでしょうが、打っていない時に卓球の事を考えているんだなぁ…と思うと個人的にとても嬉しいです。

 

[②バックに下回転サーブ、フォアにレシーブしてもらって三球目をバックに。それ以降オール。]

ピッチが部内で図抜けて速いです。打点が早く、前後にズレることが少ないです。

やはりロングボールを打つと高くて良い打球音を鳴らします。ヴェガからファスタークに替えたこともプラスに働いているようです。

彼の感想は以下の通りです。

  • 唯一、コース取りで先手を取られる場面があった。他の子は常にこちらに主導権があったけれど、彼女だけは厳しいコースにボールを送ってきた。
  • Bさんが一番ノビシロが大きいと思う。将来性のある卓球をしている。

 

シェイク裏裏のCさん

[①Cさんのサーブからオール] 

出来るだけフォアハンドで打っていくことを意識すると宣言し、よく実行できていました。今までは一本ツッツキしていたところを、素早く動いて打ってきます。動いて打つことで2つの良くなった点がありました。まず、動くエネルギーをドライブのために使えること。そして、悠長にテイクバックを取れないことが幸いしてテイクバックの反動を利用出来ること。これらによって、球速が上がりました。さらに彼女は元より早い打点で打つので、ドライブが手元まで来るのがぐっと早くなりました。

こうなると、こちらの「とりあえず一本バックにツッツキして時間を作ろう…」というのが通らなくなって時間的余裕が減ります。カット型に悠長なカット展開に持ち込ませないことに成功しており、そういう点で良い意識宣言でした。

練習相手をしていて、先週と明らかに違うなと感じました。というのは、打球音・ラバーで掴む/食い込む感じ・球威が別人のようなのです。「また何か、秘密の特訓を…!?」と思いましたが、帰宅してからいやいや待てよ…と。さすがに一週間では考えにくい変化です。そこで脳裏をよぎったのはラバーチェンジ。性能の高いラバーを使いこなせる技術力を彼女が身に付けたことは確かですが、あれだけの変化は恐らくラバーチェンジによるものだろうと今は考えています。次に会った時に用具を確認しようと思います。(もしラバーが同じであれができていたとしたら、彼女を見くびったことになりますが…。)

 

[②バックに下回転サーブ、オールへのツッツキに対して三球目攻撃、そこからオール。]

バックハンドで三球目攻撃する場面が見られました。フォアもバックも三球目の回転量が多いことが、ブロックの飛び方から分かります。回り込んで打つ場面では、上体から動いて足が置き去りになることが多いです。

 Cさんに限ったことではありませんが、「三球目が返球されたらどうやって得点を取りに行くのか」を考えてのメニューが少ないです。四球目以降はオールもいいですが、システム練習に持ち込んでしまうものも行うべきと思います。

 

生徒の用具チェンジに気付けるか

 Cさんが用具変更をしたかまだ確証はありませんが、今回の件を始点として考えたことがあります。

私の大学時代の監督は、学生が用具を替えると遠目から見ていても気付くような人でした。あるいはお喋りしながらもさりげなく用具を観察し、チェンジに気付くと声をかけてくださいました。私もこれは見習って、直接確認しなくても生徒の用具チェンジに気付けるようにしたいものです。明らかに違う音や球威を見過ごさず、用具チェンジに気付けるというのはよく観察できている証です。ここに気付けるか否かは、指導する立場としては大きな分かれ目と思います。

 

 中ペンのDさん

 [①サーブからオール]

 対カットにおいて彼女の一番いいところは、サーブの長さと高さだと思います。ロングサーブは球速自体はそこそこなものの、高さが低く深いためカット型を詰まらせやすいです。これと組み合わせてフォア前に勢いの無い短いサーブがあるのがgood。ロングサーブと組み合わせる時には、勢いの無いことが短いこと以上に重要です。ロングを警戒し少し台から離れて待っている時に前に勢い無く落とされると前に出つつきちんと切る操作をしないといけなくなります。この二つの組み合わせに加えて、台から出るか出ないかのサーブをバックに送ってきます。これらが混ざるとカット型としてはあまり嬉しくありません。

 

 

[②バックに下回転サーブ、フォアにレシーブしてもらって三球目をバックに。それ以降オール。]

 これはBさんがやっていたパターンと同じです。偶然でしょうか、何かしらの理由があるのでしょうか。これも本人たちに聞きたいです。

Dさんのフォアハンドは弾くよりきっちり回転をかけるタイプなので、少し台から距離を取ります。前陣でプレーする男子選手のような立ち位置です。一方でバックはミート中心です。

少し距離を取る性質から、同格以上の女子選手とはまだ分が悪いと思います。今後スピードドライブの習得や全体的な球威の上昇を経れば、格上を脅かす力を手に入れると思います。

 

ガラパゴス化しがちなペンの握り

彼女の握りはガラパゴス化しており、後ろの三本指を間隔をあけて真っすぐにしてラバーに接地させます。会う人会う人に言われるそうで、私も最初に気付いた時に触れました。その際に聞いた話では外部での個人コーチにも直していくよう言われたそうですが、最近では言われなくなったそうです。「諦めたみたいです」と無邪気に笑っておりました。

彼女には個人コーチがいますし、今はそれがやりやすいのだとも思いますから私からどうこう言うつもりはありません。けれど、他の中ペンのプレーヤーがしない握りはどこかに弱点を抱えた”損する握り”のはずです。彼女曰くフォアハンドの時に面が安定するとのことでしたが、バックハンドを使う際には三本指の間隔がなくなって指先だけが接地しています。つまりフォアとバックの切り替えで握り方が変わっており、これは切り返しの速度を落としています。今回の映像を確認すると、以前私が触れた時よりも三本指はまとまり、少し曲げて指先だけが接地する握りになっているように見えます。がばっと真っすぐからは段々と離脱を始めたのかな…?

弱点を抱えた握りでも、それを認識し自分で納得して付き合っていくなら良いと思います。しかし初めて二年経ったこの段階で弱点を抱える覚悟を決めるのは早すぎます。それよりもしばらく辛抱してでもチェンジし、弱点を消していったほうがより大きく成長できるはずです。彼女の場合は、現時点で高校でも続けると決めているようなのでゆっくりじっくり変えていくだけの時間があります。あとは彼女の覚悟と根気次第です。

 

 

(おわり)