大型連休2017⑤ ~練習試合をどう利用するか~

今回の内容の内Ⅰ、Ⅲは、連休のベンチワークにおいて生徒たちに伝えたことです。

 

先日大会を観戦し、同格や格上と当たった時に食らいつく手段が少ないと感じました。技術的な差は埋められませんが、普段使わない引き出しを使う勇気やリスクを取ってでも攻めていく気持ちといった部分でカバーすることはできます。

連休の練習試合を今回述べるような形で利用して欲しいという思いで、ベンチワークを行いました。

 

 

Ⅰ、同格未満に対してとにかく質を高める

実力差が大きい場合に安定して勝とうと思えば、質を落としてでも安定して返球し、チャンスボールだけを狙うのが一般的です。しかし格上と当たった時、そのような方針では得点は見込めません。一球一球の質に否が応でも気を遣わねばならず、簡単に打てる球ではなくても攻め込んでいかなければなりません。でなければ先手を取られ、より一層不利になってしまいます。

我が校の上位メンバーは、練習試合において明らかな格上と当たることは少ないです。また、トーナメント方式の大会ではレベルを問わず、格上よりも同格以下に当たることの方が多いわけです。割合として多くなる同格未満との試合でリスクの低いプレーばかりしていると、いざ格上と当たった時にリスクを取りに行けません。行こうとしても慣れていないので上手くいかなかったり、そもそも気持ちの準備が出来ていなくて仕掛けること自体に不安が付きまとったりします。連休の試合では、「同格・格上と当たった時に同じことをして問題ないくらいの、質の高いプレーやリスクを取ったプレー」を目指すよう、1セット目を余裕を持って取ってきた際には伝えました。こういう意識を本当に持って打つというのは、”試合でしかできない練習”だと考えています。

ちょうど同じ地区に県一位(Aさんとしておきます)がいますので、彼女と試合したことのある生徒は多いです。より意識を強めることを目的に、生徒のレベルを考えつつ何人かには次のような伝え方をしました。

  • 「このボールはAさんだったら一発で持っていかれてた」といったようなボールを避けるようにしよう。
  • ○○さんと試合すると思って、質の高いプレーをしてごらん。

 

Ⅱ、質を高めると見えてくること

これは私の伝え方が悪かったかもしれませんが、質を高めようとするとまずサーブの回転を増やしにかかる生徒がいます。もちろんそれがその場で有効に働いたり、「これなら格上にも出していけるだろう」というサーブになったりする良い点もありますが、諸刃の刃となる場面もありました。それは、サーブを切った分相手のレシーブも切れて来るということです。そこまで考えてプレーできる生徒もいますが、試合で出してみて改めて気付く生徒もいます。切ったから切れて返ってきた、というのは理解しているようなので、今後はそれをどう利用するのか考えつつ練習してもらいます。

普段より質を上げようとすると当然リスクが伴います。切ろうとして力んでサーブがネットに刺さる、ツッツキを切ろうとして飛ばしてしまう…など、「このくらいの質にすると不安定になる」技術が見えてきます。こういう部分は今後の練習で意識し、より高い質で安定させることを目指してもらいたいです。一方で、普段は繋いでいたところを思い切って打って行き得点に繋がるなど、生徒本人の中で「やればできるじゃん!」という発見もあったと思います。そういうものは今格上と当たっても武器として使えますし、総体までにより磨きをかけたい技術です。

 普段と質を変えることで、想定外に難しくなること、そもそも不安定な技術、自信をもって積極的に使いたい技術などが明確になります。このような認識ができたなら、今回の練習試合は成功と思います。

 

Ⅲ、勝ち負けではなくチャレンジ

質を高めリスクを取ると、当然失点は多くなりセットも落とします。顧問の先生は「格下相手に何をやっているんだ」と思われたかもしれません。しかし、いくら失点しようがセットを落とそうが先に3セット取ればそれでいいのです。負けたとしてもそれは練習試合の話であって、中学校最後の大会ではありません。「ここは何としても勝ちたい!」という場面で勝つための”練習”試合です。

失点の多くはただの凡ミスではなく、狙いを持ってやった結果ですから仕方ありません。むしろ自分より総合力で劣る相手と競る状況を作り出すことができ、競った時の気持ちや戦術についての経験を積むことができました。こういうところで簡単に勝っていて、いざ本番の試合で競ったら焦ってしまうというのでは練習試合をした意味がありません。本番で困る場面での経験をどれだけ積むことができるかが、練習試合の価値を決めると思っています。

スコアだけ見ると競っていますが、内容としてはナイスチャレンジが多く充実した試合が多かったです。特にカット型が普段使わない攻撃をたくさんできたことは、ベストチャレンジだったと思います。

 

現段階ではチャレンジでしたが、残り少ない練習でそれを実行することに慣れていってほしいと思います。我が校の生徒は全体として相手に合わせたプレーをしてしまうきらいがあるのですが、チャレンジが日常的なものになれば自分の勝ち筋を押し付けて勝つことができるようになるはずです。

 

 

(おわり)