卓球と初心者指導(仮)

中学校の卓球部における指導について、主に考えていきます。

ザイロン 追記アリ

卓球経験者の新入生数名の内、二人(A、Bさんとします)がザイロン系のラケットを使っています。二人とも近隣のクラブに通っています。

今回はザイロン系のラケットについてあれこれと思案を巡らせます。

 

ザイロンとは…

東洋紡によれば、こういうものとのこと。↓

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細かいことは↓

PBO繊維「ザイロン®」 一方向強化複合材料特性

http://www.toyobo.co.jp/seihin/kc/pbo/zylon-p/bussei-p/ud.pd

ここから卓球に関係するであろう部分を引用しますと、

3-4-3 減衰率

PBO繊維「ザイロン®」HM UD-FRPの振動減衰曲線より求めた減衰率は炭素繊維UDFRPと同等の高弾性率であるにもかかわらず 大きな値を示します。

 

4-1-3

最大荷重と総吸収エネルギー PBO繊維「ザイロン®」HM UD多層積層FRPは衝撃荷重値に優れているだけでなく、衝撃吸収エ ネルギーにおいても炭素繊維UD多層積層FRP の約4倍、アラミドHM UD多層積層FRPの約3倍の性能を有します。

 

5. まとめ

PBO繊維「ザイロン®」HM UD複合材料は引張特性、耐衝撃特性に優れており、炭素繊維複合材料の性能を補完することがわかります。

非常に雑に考えると、「カーボンと同じくらい弾むけれど振動を素早く吸収する素材で、引っ張られても戻る力が強いから回転かけやすいですよ!」といったところでしょうか。耐衝撃特性が優れていることは弾みを抑える方向へ働きそうですが…。それでもその強度故に弾むということなのでしょうかね。手に響かないのは確からしいので、それによって柔らかい打球感を感じる人がいるのかもしれませんね。実際にはとんでもなく硬い、と。なんてったって世界一の強度ですからね!

なんとな~くこの辺りを抑えて、二人のラケットについてふわりと考えていきます。

 

ティモボルZLF 

現時点で部内のエースに匹敵する能力を誇るAさんはティモボルZLF。

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始めて練習相手をした時に遠目からグリップを見て、ティモボルZLC(↑の黄色の部分が白いバージョンですね)かなと思っていましたが先日確認したところ黄色でした。黄色の発色がやや薄くなるくらいにまで使い込まれており、始めた時からずっとこのラケットなのかもしれません。技術レベルの高さから、おそらく小学校低学年からクラブに通い続けていると思われます。そこのコーチが選んだ可能性が高く、そうだとすればそれが正しい選択なのだと思います。そのコーチに教わった二年生たちは非常に整った卓球をしますし、スタンダードで各生徒に合った用具を勧められていることが分かるからです。

ティモボルZLF、メーカーによれば反発特性(=弾みの強さ)は朱世赫やコルベルよりやや低いようです。カーボンが入っていない分、ZLCよりは打球感がソフトで弾みは控えめ、と。バタフライからは劉詩文、福原愛の名を冠するラケットが発売されておりいずれもZLF搭載です。(本人が使用しているかどうかは別のお話しですが。)弾みは福原愛プロZLF<劉詩文ZLF<ティモボルZLF。この辺りを見るに、メーカーとしてはZLFを女子選手に合う素材と考えていると推測できます。日本の女子選手にもZLF使用者は一定数いるようですし、Aさんのプレースタイルを見てもまぁ合っているのかなと。

 

ただ木材合板でも同じようなことができるんじゃないかなぁとも思います。性能において、どういう点で木材合板を凌駕するのでしょうか。使ったことが無い私には分かりませんが、スイートスポットが広がる効果は期待できるかな…。ティモボルZLFの売り文句は以下の通り。

ZLファイバーは優れた弾みと軽さを兼ね備えた特殊素材。そのZLファイバーを搭載した『ティモボル ZLF』は、激しいラリーの中でも攻守に安定性を発揮し、しなやかで伸びのある打球を可能にします。

宣伝文句なので実際にはこの2~3割だとして想像すると、木材で同じ弾みを確保するよりは軽量化できて、かつ木材に近い打球感や球持ちを保持できる…というのが特徴なのかしら…?カーボンが入っていないこともあり、木材と特殊素材のいいとこどりができていると仮定するなら、球持ちが良く弾みも良いラケットになります。何にしても時間がある時にAさんのラケットを借りてみたいものです。

伸びのある打球というのは想像できますが、「しなやかな打球」とは一体…??

 

Aさんの弾き飛ばすカット打ちが速いなぁと思ってどんなラバーか気になっていましたが、F:GFT45、B:GFT40でした。シート柔らか系ですね。

 

[’17/6/11追記]

先日Aさんとお喋りしたところ、ZLFに替えたのは中学入学の前後くらいだそうです。使い込まれた様子だったのは、人から貰ったからだそうです。ぶつけた後がなかったし、これは相当上手な人からの貰い物かしら…?その辺りのお喋りをしつつ、少しずつ信頼関係を築いていきたいと思います。

 

水谷隼ZLC

クラブに通い始めて二年のBさんの用具は、驚きの水谷隼ZLC。

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基礎技術にまだ不安定さがあり、ZLCを使うのは成長を阻害しやしないかと疑問に思っています。最初からこの用具ならこれしか知らないし問題にならないのかしら…。仮にそうだとしても、バタフライのラケットの中でかなり弾む部類の水谷ZLCを前陣プレーヤーが使うというのにも疑問が。後陣に下がって初めて、ZLCの良さが出ると思うのですがどうでしょう。

ラバーが何だったか忘れてしまいましたが、借りてロング打ちをした時にはぶっ飛ぶ感じはありませんでしたから、コーチが上手くラバーで調整をかけているのかもしれません。チカチカとしたイメージの、独特の打球感だなと思いました。二年生の一人が使う、激重クリッパーウッドの打球感に似ていると感じましたがどうでしょうね。気のせいかもしれないし、個体差かもしれないです。

 

['17/6/11追記]

Bさんともお喋りしまして、始めた時からZLCではなくかつてはオールラウンドエボリューションだったそうです。替えたのは最近で、クラブのコーチの勧めによるチェンジだとか。うーん…??何か確かな狙いがあると信じたいです。

 

(おわり)