卓球と初心者指導(仮)

中学校の卓球部における指導について、主に考えていきます。

チームのために卓球をするのか

団体戦での県大会出場が決まり、三年生の練習は続いています。彼らにとっては中学時代の最後の大会ですから、チームのために調整するのも自然かと思います。

一方で、団体戦のメンバーになっている1,2年生、また、そうでない1,2年生の練習について思うことがあります。今回はそのことについて書いていきます。

 

自分の卓球よりチームを優先するのか

団体戦のメンバーになっている1,2年生について、私は彼ら自身の意思、彼ら自身の卓球を優先して欲しいと考えています。

先日の練習で、用具チェンジした方が良いと私が見ている2年生のAさんに2本の用具を試打してもらいました。その際、「県大会前に感覚が変わってしまうから(たくさんは打ちたくない)」という発言がありました。これがAさんの意思によるものなら、私はそれを尊重したいと思います。しかしこの発言の背景に「チームに迷惑をかけるから」という思いの割合が多いなら、それは違うよと言いたいのです。

3年生中心のチームのために自分の用具調整を先送りにすると仮定します。しかしそれが終わって8月になれば、Aさん自身にとって重要な大会がやってきます。そうなれば用具調整に対してもっと引け腰になり、結果自分の可能性を潰すことになりかねません。試すならさっさと試したほうがいいというのが私の考えです。つまり県総体までの3週間を大会に向けた調整に使うのではなく、自身の技術を伸ばしたり新しいことに調整したり用具を試したりして欲しいです。

次回の練習でAさんには、県総体やチームに対してどういうお考えなのかを確認したいなと思います。その上で用具や練習内容について一緒に考えていきたいです。

Aさんは技術的レベルで部内上位に位置するため、練習相手としてチームに大きく貢献しています。彼女がもっと自分を中心に考えたり、自分の利益を優先してもバチは当たらないと思うのです。

 

部活動においては教育の名のもとに「チームのため」という思想が流布されがちです。しかしこれは全く持っておかしいと思います。チームや組織のために個を捨てるのは卓球で生計を立てるプロが採る選択肢であり、趣味の一つとして行う部活動においてはちゃんちゃらおかしいのです。中国の国家チームで、外国選手の仮想選手を務めるため用具やプレースタイルの変更を強いられる選手がいることは有名な話です。これに近いようなことが平気でまかり通るのが部活動の現場です。自分のためだけに卓球することが許されるのだから、戦型もプレースタイルも本人の意思を最大限尊重し、それを支援するのが教育であるはずです。教育は洗脳や強制ではなく支援であるべきです。

 

1,2年生の成長が抑制される恐れあり

三年生の練習が続行されることで、県総体に出場しない一年生は練習量が制限されます。特に平日はほとんど打てず、休日には打てたとしも一年生同士かマガイモノの指導付き多球練習です。卓球を初めて最初の時期に、基礎技術が一通り安定している人と打たないとグチャグチャになってしまいます。いかにその数を増やすかは顧問の先生の采配なのですが、そういうところに気を回す様子もなく…。

3年生全体が、「1つでも多く県大会で勝つんだ」という意志を共有しているならそれを支援したいと思います。しかしどうもそうではないだろうと睨んでいます。というのも地区総体が終わってから初めての練習を見ましたが、空気感が違うのです。何というか、緩んでいる。私の気のせいとか、その日の彼らの疲れ具合とかあるのかもしれません。しかしもし私の感覚が正しいのだとしたら、悪いけれど3年生にはさっさと台を空けていただきたいと思うのです。どうせ高校でも続けず県総体まで惰性でやるくらいなら、これから上手くなっていく後輩に場所を譲るべきだと。

彼らの事は好きだけれども、「結局続けないんでしょ…」という失望感が大きいのは否めません。続ける人が少ないことは最初から予想していたことですけれど、私が今まで手を尽くしてきたのは何だったんだろうと思ってしまいます。伸びてきた稲穂が台風でグチャグチャにされた農家さんの気持ちはこんな感じなのでしょうかね…。

とても棘のある表現が続いてしまいましたが、高校で続ける意志を表明した1名を除き、3年生はもはや心も身体も疲労困憊と言った様子です。もうこれ以上、質の高い練習を維持することは困難ではないかと感じます。早く休ませてあげたいという思いも強いです。団体として県総体に出場できず悔しい思いを抱えてでもここでスパッと終わった方が、ともすると彼らにとってはベターだったのではないかとチラと思います。

うーん…

 

 

(おわり)