Werner Schlagerに学ぶ

我が校の二年生に、サービスの感覚とフォアハンドの威力に優れた選手がいます。SK7を使っているのでSさんとしておきます。細身ですが身長は160ほどと思われ、体重移動が極めて巧いため大きく踏み込まずとも威力あるボールを放ってきます。フォアの威力はもはや女子中学生のそれではなく、まさに”重い”という表現がふさわしい重量級ドライブです。まるで下っ腹を殴られるよう。

その二つの武器を活かすため、参考にできそうな選手を考えてみました。

 

上記のような長所を持つ一方で、女子卓球にありがちなピッチの速いラリーは苦手とは行かないものの彼女にとっての主戦場ではありません。となれば、サービスに優れたフォアハンド優位の選手、あるいはサービスから3,5球目に得点源を求める男子選手の戦術を参考にするのが良いと考えました。

まずフォアハンド優位の視点から候補を考えました。右利きシェークに限定すると、Ma Long、あとは…??今日日右利きのシェークハンドであれだけフォア優位の選手も珍しいですね。左利きであればフォア優位の選手は多いですが、戦術は全く違ってきますので除外。

次にサービスと3,5球目攻撃の組み立てに優れた選手を考えました。そこで挙がってきたのがWerner Schlager。彼からSさんが学ぶべきは次のようなポイントと考えます。

  • 自分が欲するレシーブを、サービスによって相手に強いる
  • 同じようなモーションから何種類かの回転
  • 3球目で打ち抜けない時、5球目で仕留めるためにコースを突いて相手を崩す
  • 繊細なプレースメントによる返球の予測と素早い反応

スイングや打法を真似するのではなく、「こういう回転のサービスをああいう場所に出すとこうレシーブが来るからこう待つんだ」ということを理解し、自分なりのイメージとして取り込んでもらいたいです。

 

高校生であれば、「YouTubeで『Werner Schlager』を検索してごらん」で良いと思います。自分で適当にザッピング?して対右とか対カットを探せるからです。でも今のSさんにはまだそれは難しそうなので、私がいくつかシュラガーの映像を選んで渡そうと思います。

 

 

 

 

他の候補としてはSさんがバック表なので、Tang Peng。スタイルはちょっと違いますけれど、Tang Pengから学べそうなのは以下の通り。

  • 相手にガンを飛ばす、相手を食ったような態度(実際には相手の表情を観察していると思われます。)
  • 表ソフトの多彩な使い方(弾く、止める、いなす)
  • バックハンドからフォアハンドへ持ち込む展開

 

やはり女子選手を参考にすべきかしらとも思うのですけれど、コンパクトスイングで軽いボールを送るのは彼女の良さを消してしまいますしそもそもそういう打ち方ができません。中国女子を見れば分かるように、女子選手でも可能ならば男子のような卓球を展開したっていい。自分の得意を捨ててわざわざ相手の土俵に上がってやる必要もナシ。

男子だから女子だからではなく、自分なりに得点出来る卓球を作り上げればそれで良し。

 

 

(おわり)