全日本ジュニア地区予選

私が協力する学校から、三年生一人を含め計4名が参加しました。

その中で記憶に残ったことを記録します。

  

1回戦目からベンチ入りが可能

高校生を合わせても参加人数が百数十名であり、初戦からベンチ入りが可能でした。また、特に登録の無い外部の人間がベンチ入りすることも許されており、三年生の選手は個人コーチにベンチ入りしてもらっていました。

諸々の事情から私が3名のベンチを担当することとなり、一度二試合が重複。その際には選手が通っている卓球スクールのコーチにベンチをお願いしました。

 

ボールの違い

この予選で使用されたボールと、この数日前に行われたカデット予選で使用されたボールが異なりました。ある選手のベンチに入った時、セット間に「この前とボールが違うから戸惑っている」というようなことを言う場面がありました。中2にしてその影響を感じられるのかぁと何とも言えない気持ちに。本当に影響が出ているならいいのですけれど、少し知っているが故に気になってしまっているだけなら損ですが…。そのうちお喋りしてみたいところ。

 

シングルス

中学生はシングルスのみの参加。

 

シェイク裏裏のAさん

一回戦は高校一年生に3-2、二回戦で高校一年生に0-3。二回戦の相手は小学校低学年からクラブに通っている選手。我が校の卒業生(Dさんの姉)と同じ高校ということで、何度か我が校に来ており、Aさんとは練習試合もしていた。その時は相手がサービスを温存して0-2、それと今回の内容や結果を見るに戦略や戦術でどうこうできる差ではなかった。Aさんにとっては自身の延長戦にいるようなタイプの選手なので、何か感じることがあるはず。私が個人的に縁あってこの相手と一緒に練習することがあるので、中学生の頃どういう練習をしていたか教えてもらおうと思う。

 

Cさんの2回戦のベンチに入っていた時にAさんの2回戦がコールされた。Cさんの試合はその時点で1-1、2-1になるだろうという状況。相手とは明らかな実力差があること、Cさんは自分で試合の流れを全て作れて緊張も全く感じないという少し特殊な選手であることから、私が途中でベンチを抜けても結果に影響はないと判断。2-1になったセット間にCさんに断ってベンチを離脱。

第3セットの途中でAさんがコールされた直後から「私がベンチに入るよ」というサインを送ろうと観客席に彼女の姿を探したが見当たらず、2-1で断りを入れた後もAさんはなかなかフロアに姿を現さない。「これは直接探しに行かねばならん」と考えてフロアを出て観客席への階段に向かうと、AさんとDさんの姿が。私を見てホッとしたような二人、Dさんは観客席ヘと戻っていった。コートに向かいながらAさんに聞くと、Dさんにベンチを頼んだけれど相手との関係が複雑だから(=相手はDさんの姉の同級生)ということで渋られていたとか。なるほどそれでなかなかフロアに表れなかったのかという納得と、確かに姉さんの同級生相手のベンチは女の子の世界では難しいだろう、Dさんも彼らと同じ高校に進むだろうしなぁという納得をする。うーんなるほどなぁとちょっと笑ってしまった。それで二人とも私を見てホッとしていたのかぁと。

なぜこんなことを記録しておくかと言うと、このことがかなり嬉しかったから。つまり、Dさんがベンチには入ってもAさんは安心してプレーできたかもしれないが、私がベンチに入っても安心感を得られるんだなと思えたから。(本当のところは本人しかわからないので思い上がらないよう注意。)私が想像しているより、Aさんは私を必要としているというか、価値を見出してくれているのかな…と。本当にそうならありがたい、心が救われるような話です。

 

シェイクバック表のBさん

1回戦の相手は高校生、総合力はBさんの方が上回るかなと言う印象。1回戦であることと相手が高校生であるという前情報から当然緊張があり動きは硬く、難しいボールに対してリスクの高い打ち方をして失点し5-11で0-1。いつものように「まずは一本、良いボールでなくていいからキュッ!と持ち上げていこう。ラリーになれば君は反応出来て得点出来ているから、一本目のドライブをキュッと入れていこう。」と伝える。これが実際にどれくらい効いているのかは分からないのだけれど、そこから11-8,11-5,11-8でセットを取り3-1で勝利。AさんもBさんも最近同じようなアドバイスでセットを落としたり調子が上がらなかったりしてもリカバリーをかけることができているが、少しずつ自分でそれが出来るようになって欲しいところ。そうなれば選手とベンチで一緒に次のステージに進むことができるはず。

2回戦目は先述の通り観られなかったが後にBさんに聞くと、バック表の選手に0-3、相手の実力的にチャンスが無かったと語ってくれた。スクールのコーチによるアドバイスがどのようなものだったか、次回会った時に聞いてみたい。

 

シェイク裏裏のCさん

1年生であるが、4位入賞。準決勝では1-3で敗北し、課題が見つけられたという点でこの大会に参加した意味があったと思う。

準々決勝ではフルセットになり最終セットも11-8だったものの、見ている印象としては競った感がなく、相手を精神的に追い詰めたなと。勝敗が決まった瞬間相手の高校生が泣いてしまったのもそういう印象を強めているかもしれないが、Cさんはいつも通り一貫して飄々とした態度で進めていてうーん敵わないなぁと。

しかしながら準決勝でセットカウントが1-2となり相手にリードされた中盤辺りから表情が変わった。彼女と出会ってまだ数か月なので、あの表情の変化がどういう思いによるものなのかまだ私には想像がつかない。より集中した結果なのか、負けることが現実的になってきて心境が変化したのか…。うーん…彼女の場合は負けを意識して云々ということはないような気がするけれど、どうかな…。聞いてみたい。

 

Cさんは攻撃力の威力やコントロールもさることながら守備力も高く、前陣でも中陣でもある程度戦うことができる。それによりある程度のレベルまでなら攻めつついなして比較的スムーズに勝ててしまう。しかしながら準決勝の相手はサービス力が高いことに加えて一発の威力がある選手であり、Cさんの繋ぐ卓球では得点が望めなかった。ある種相手のミス待ちスタイルになってしまっていて、それで勝てるうちはいいが相手に一発があると押し流されてしまう。今後彼女は強打を連続で放つ練習をし、勝ち筋・得点筋を相手に押し付けるプレーが出来るようにしていかなければならない。

と、私の尊敬しているレッスンプロのNさんから教えていただいた。月に数回私やNさんが一緒に練習するPさんと一緒に「なるほどなぁ」と聞きつつ、Pさんからは「卓球スクールで何やってるか分からないし(こちらからあんまりいろいろ言えないよ)ね」という発言があった。

確かにNさんの言う通り、Dさんが勝てない相手に勝とうと思ったら強打を押し付ける練習は必要そうだ。しかしながらそういうガツガツした、戦闘兵器になるための練習を果たして彼女が受け入れるだろうかという疑問がある。練習の内容と言うより空気感の話で、彼女の場合は卓球が楽しくて仕方ない!という状態で練習していった方が伸びるのではないかという…。Pさんから指摘があったように、彼女が週4で通う卓球スクールのコーチ陣が何かしら考えるだろうし、私がすべきはDさんが行き詰ってアイデアを求めてきたときにご提案ができるよう準備をしておくことかなと、そう考えた。

 

中ペン裏裏のDさん

私はほぼ観ていないのでなんとも。敗戦は高校生のカット型の選手。カット打ちには秀でたDさんだったが、ラバーをロゼナに替えて以降緩く繋ぐのが難しくなったと言っていた。それがどれほど影響しているのかは分からないが、相手の選手のプレーを見る限りカット型として相当完成されており、あれに勝つのは至難の業だなと、そういうレベルであったので納得。今大会で彼女は初めてNさんのベンチワークを体験したのでその感想を聞くと、見られている緊張があったとのこと。やはり大きなものを背負っている感覚があったかな^^;彼女とは今後も時々一緒に練習することになりそうなので、お話しする機会もあるのかな…?

 

 

卒業生たちと再会

昨年度卒業した部員たちの内3名が高校でも続けていると聞いていました。内2名には時々会う機会がありましたが、もう1名の選手と久々にお会いしました。彼女は中学卒業時点では続けるつもりがなかったものの高校に入って気持ちが変わり再開したと聞いていて、それを聞いた時も嬉しかったですが久々に顔を見られて嬉しかったですね。続けたと聞いて嬉しかったよと伝え、どうして続けるに至ったかを聞いてみました。すると「せっかくやっていたのに、もったいないなと思って」と応じてくれました。そう思ってもらえるというのも、1卓球ファンとして嬉しい話ですね。ベンチ入りの都合上彼女の試合を観ることができなかったのが心残りですが…。

カット型の選手の試合は数セット分観ることができ、全ての動きがかなり綺麗に整っているなと感じました。卓球スクールに通い出し、彼女が努力した成果でしょう。もうい1名の試合も観られませんでしたが、彼女とは一緒に練習する機会がありますしご両親が観てくれているのでのでまぁ…。

 

 

一年生のお兄さん発見

カット型に転向しようとしている経験者の一年生には高校生のお兄さんがいると聞いていました。観客席から男子の試合をスゥーと眺めていた時、彼女と似た顔の男子高校生を見つけました。確認すると苗字が同じでなるほどなと、なんだか嬉しくなってしまいました。お兄さんもカット型と聞いていてどんなプレーをするのかと思っていましたが、カット型というよりオールラウンダーのようなプレーでした。私に弟子入りしてくれればなぁ…なんて。

 

 

(おわり)