「カット型になりたい」

先日、市の新人戦が2日間に渡って開催されました。その会場で1年生の数名とお喋りすることが出来、うち1人から「カット型になりたい」との言葉を掛けられました。

 

1日目の昼頃に言われ、カット型のメリット・デメリット、左利きは攻撃型になった方が活きることなど一通りを説明し、少し考えてもらうことにしました。ちょっとカット型に関するマイナス要素を言い過ぎたかな…と思っていましたが、2日目が終わる頃になっても「やっぱりカット型がいいです」と憧れは変わらないようで、少しチャレンジしてみようかと伝えました。

幸い彼女はフォア裏バック粒の異質攻撃型に向けて練習しており、粒でのショートやプッシュの感覚が育っています。まだ始めたばかりですし転向自体は容易とも思います。先生には私から伝えることとし、様子を見ようと思います。

 

 

聞いてみると、丁寧とカット型の試合をYouTubeで観て憧れが芽生えたようです。(ということで、Dさんとしておきます。)アジア系の顔で日本人ではなかったということで、胡麗梅(Hu Limei)、武楊(Wu Yang)、韓瑩(Hang Ying), Seo Hyo won の四名のお顔を見てもらいましたがどの選手かは分かりませんでした。Dさんにはこの四選手+Kim Kyung Ah、橋本帆乃香、佐藤瞳、石垣優香、谷岡あゆか(敬称略)などの映像を観てもらって、カット型の中で好きな選手を選んでもらいます。あとはどういう瞬間をかっこいいと思うか聞き取りをすべきですね。カットから攻撃で得点する瞬間に憧れるなら用具は使いやすいもの、あるいは私が感覚を伝えられるものから選ぶことが出来ます。一方である選手への憧れが非常に強い場合はその選手に出来るだけ近い用具を選択することも考えねばならないからです。

 

私はカット型ですけれど、選手を進んで「海賊船」に乗せたいとは思いません。望まずカット型になったところで、勝てても楽しさを見出しにくいからです。しかしながらDさんはカット型に憧れを持っていて、転向したいという意志を持っています。こういう気持ちがあるならばカット型であることを楽しめる可能性が高いので、カット型へと後押しすることに罪悪感を覚えることもありません。彼女ならば、海賊船での旅路を楽しめるかもしれないし、海賊船と思うことすらないかもしれません。かつての私のように。

 

 

(おわり)