用具偏重に注意

用具に関して思うところをいろいろと。

 

用具偏重の怪しさ

私も身に覚えがあるのですが、用具についてあれこれ考えるのは確かに楽しいです。けれどいろいろな用具を試している間は、技術的な進歩や戦術的な発展が止まります。ずっとこういう状況では、いつまでたってもベストな用具には出会えないと思います。どうせ用具は一長一短なのですから、多少今の用具に不満があったとしてもそこには目を瞑り、自分のレベルアップを図るべきです。

時々ネット上を徘徊し卓球競技に関する情報を集めようとしますが、用具や技術論を語る方はいても、どうやってその用具や技術を活かすかという戦術・戦略を語る人はほとんどいません。各々確固たる戦略を持っていて、それを人に知られるともったいないから公開しないのでしょうか。それとも用具・技術で思考が止まっていて、その先を知らないのでしょうか。

私は指導する時も自身が選手である時にも、用具<技術≦戦術の順で大切だと考えています。合った用具と良い技術があっても、卓球は相手がいるスポーツですから、相手がいる試合においてどうしたら用具や技術を活かせるか、そこまで考えて用具選びや技術の練習をすべきです。

用具はある程度名の知れたスタンダードな中から使いこなせるものを選び、技術を教えられる人は今日日そこここにいますからアドバイスを貰ったり習いに行くことが出来ます。しかしながらその先の、本当の戦術・戦略を教えてくれる指導者は稀です。そういう人に出会える人はラッキー、そうでない人は自分なりに考えるしかありません。私にはようやく、ラッキーが回ってきたようです。

 

本当の性能を引き出せているか

卓球王国調べの用具ランキングによれば今月こそロゼナが一位になったものの、裏ソフトではファスタークG1がしばらく1位の座についていました。私が疑問に思うのは、G1購入者の内どれだけがその性能を活かせているか、ということです。シートがいい、球持ちがいい…などのレビューがネット上では散見されますが、あなたたちはG1から放たれる”本当のドライブ”を知らないのではないですか?と。

ランキングによれば、テナジー05がG1に続くレベルで売れているようです。これもおかしな話です。本当に05を使いこなせる選手の中にはバタフライから用具支援を受けている層が存在し、これらの出荷数は販売数には含まれません。よって05の購入者に占める使いこなせる人の割合はさらに小さくなります。「テナジーのシート・スポンジは代替が効かない」と考える方も多いのでしょうが、それも果たしてそうかなと。確かにテナジーは勝手に回転をかけてくれますが、05でスポンジまで食い込ませようとすると相当強いインパクトが必要になります。回転にも敏感で、そこにスプリングスポンジによる弾みが加わります。そのラバーは本当に試合であなたを助けてくますか?そういう使い方でテナジーを貼る意味ありますか?と、見る人が見れば思われてしまうような使用者が多いはず。

テナジーの真価は下がってからの球威にあるのであって、一般プレーヤーであればどうせそんな展開ほとんどないんだからテナジーじゃなくてもいいんじゃないの、というのが私の考え方です。

 

 

今回は方々に喧嘩を売るような内容になりましたが、私自身身に覚えのあることばかりです。自身への戒めも込めて、用具・技術のその先を見たいですね、というお話でした。

 

(おわり)