卓球と技術のソノサキ

中学卓球部における指導と自分の成長記録の二つがメインです。

用具調整あれこれ

先日伺った別の中学校にて、カット型に転向するかもしれない1年生がいました。Eさんとしておきます。

1時間ほど、いくつか彼女に用具を試してもらい、カット用ラケットを購入することになったらコレ、というものを決めてきました。

 

本人の希望

Dさんのお母さんから、「カット型になりたい子がいる」と聞いて伺ったのですが、本人の希望というわけではないようでした。先生に聞いたところ本人の意思は特になく、どちらでもいいというのが本当のところとのことでした。

私は基本的に、強く望まない人にカット型になることをオススメしません。勝てるようになるまで辛い思いをする可能性が高いからです。しかしながらこのままドライブ主戦型を目指してもカット型へ転向しても、どちらの指導者もいないのでどっこいどっこいかなといったところです…。となるとどちらの道を選ぶ方が彼女にとって良いのかは分かりません。

 

 

弾みと弾き

用具を決めるにあたってまず確認するのが弾みと弾きです。飛距離が出すぎたり球持ちが足りずにコントロールを失っていないかを確認します。

 

手持ちの用具は限られていましたが、ここで試してもらったのは以下の通り。

まだどちらのラバーも荷が重いかなと思いつつ、他にないのでより柔らかい7ソフトから。Eさんの普段の用具はリーブス+ジャミンなので、カット用ながらだいぶ弾むと感じたようです。フォアクロスでのロング打ちは一本目がオーバー。「だいぶ飛んじゃう?」と聞くとYES。早々にデフプレイへチェンジ。

私の都合でデフプレイの方は両面裏ソフトになっていて総重量があるため、ディフェンシブウッドの方と近い弾みがあるのですが、Eさんが打った感じではかなり安心感があるように見受けられました。本人の評価もこちらの方がやりやすいとのことでしたので、ラケットはデフプレイに決定。安いし実績もあるし、初心者にとっては弾みが十分に抑えられているというのが一番良い点ですね。

 

 

粒高の好み

ラケットはデフプレイ、ラバーはマークVでよろしいでしょう。

最後に決定するのが粒高です。周りに扱いを教えられる人がいないのでどうなるか分かりませんが、裏裏でやっていくよりカットそのものは簡単でしょう。

 

ここで試してもらったのは2つ。

  • ディフェンシブウッドNCT+カールP4
  • 羽佳+カールP1

恐らくP4の方が良いだろうなと思いながら、まずは”何もしないショート”から。P4の方が粒が倒れやすい分、少しだけ球を持つ時間が長く、安定感があります。初心者の弱いインパクトであればP4の方が良いですね。

ツッツキもしてもらいましたが、ここはあまり変わらず。ここでもインパクトが弱いため粒を倒すことが出来ず、P1でもP4でも浮いてしまいます。(面を立ててショートに近い押す打法は出来る。)私が見るにP1の方がより浮きやすいのですが、本人は初めての粒高というのもあり違いには気付かないようです。

このあたりで「やはりP4かな…」と思いながら、”カットの種”を練習してもらうことに。

 

 

カットの種

フォアカットの種は、台のそばに立って台上カット。ゆる~いフォア打ちくらいの力加減で上から下にスイング。ストンと落とすイメージ。金槌で釘を打つとか、まな板の上で包丁を使うとか、そういう風に例えられることがあります。私は金槌の方が近いと思っています。

まずはDさんに相手をしてもらって私がお手本を見せます。まだまだ”目が覚めていない”Eさん、ぼんやりと見ています。実際にやってみて初めて、「あれ!?ここどうなってるの!?!?」と慌てます。こういう所も成長に伴って能力が上がってくると思います。

しばらくやる内に、なんとなくラバーの上でボールを転がしながら飛ばせるようになりました。幸いEさんは身長が170cm近くあるので、ボールの上からスイングするのは容易です。

 

バックカットの種は台上だと初心者ではかえって難しいので少し台から離れて。Dさん相手にお手本を見せてから、Dさんに打ってもらってEさんがやってみます。

テイクバックを取る時に手首が自然と内側を向いてしまう癖があり、コースがストレートに流れます。これは何もしないショートの時点で顕著な癖でした。持参したカメラで撮影し本人に確認させ、いくらか改善しました。それでもミドル辺りに集まるのでクロスへ向かって振り切ることを伝え、少しずつ改善。

しばらくやりながらさらに少し台から距離を取り、Dさんには少し威力のあるボールを出してもらい、それに対してぶつけるようにスイングしてもらいます。裏ソフトのカットと違って粒高のカットは厚く当てることで回転がかかります。ラケット面の奇跡は裏ソフトですと線に近いこともありますが、粒高でのカットは絶対に平行四辺形を描きます。

私:「平行四辺形って分かる?もう習ってるかな…?」

Eさん:「…?習ってない…?」

Dさん:「ちょっと(笑)!習ったじゃん(爆)」

Eさん「あれ…?垂直…?と一緒に習ったやつ??」

などと軽快なトークを繰り広げつつ、少しずつ打球音がそれらしくなってきました。ただし打球点が前になりがちで、そうなると球速が速くなり弾きも強くなってオーバーが増えます。入ったとしても自分の時間が取れない悪いカットです。Dさんは鋭いカットを見て「おー!良いカットじゃん!」と喜んでいましたが、いやいやそれは違うんですね~^^私も最近までそう思っていましたけれど、それは間違いということを真に理解しました。

適切に引き付けられれば粒カットらしい、曇った音が鳴ってエネルギーを吸収できていることが分かります。

 

初回の訪問はこの辺りで終了。彼女がカット型に転向するのかは分かりませんが、今後も時々伺うことになりました。

 

 

(おわり)