ことがあります。
以前にも応援に関して思いを吐き出した気がしますが、今回改めて応援の仕方について吐き出します。
過干渉な応援が試合を壊す
例えば…団体5番手、フルセット9-9。サービス権は自チームの選手。
選手が台に近付きベンチのざわめきが小さくなり出した頃。
「サービス考えて!」 と、声がかかります。
あるいは、県大会出場がかかった試合。技術的には若干相手より上回るものの圧倒できるほどの差ではなく、セットカウント2-1、9-9。
「ここだよ、ここ!」 と、声がかかります。
この状況でこの声掛けは、選手に不要なプレッシャーをかけるだけです。
それによって力が入りサーブミスが出る、レシーブが浮く、足が止まる、ドライブが落ちる…。
試合は壊れてしまいます。
他にも、競った場面での「一本!」や「一本先!」。
そりゃあ誰だって、先に1点取りたいですよ。誰よりも試合をしている選手が一番強く思っています。それを応援する人間が言ったところで、何の意味もありません。
最終セット、7-9とリードされたところでの「大丈夫だよ!」という言葉もどうかしています。何が大丈夫なんですかね。大丈夫と言える根拠は??
これに答えられないのであれば、それは応援している人自身が大丈夫と口にすることで安心したいだけです。それにすら気付けない大人が多すぎて笑えます。
そんな簡単に、大丈夫なんて言えませんよ。無責任な言葉です。
試合の各場面を想定して練習し、言って聞かせ、選手と指導者で方針を共有しておき、アイコンタクトで(この場面、例のあのパターンだ。あれを実行すれば上手くいく。)と共通理解をした上で「大丈夫だ」と言うなら分かります。
ここに挙げたようなことを試合で競ってから言うのでは手遅れです。どうせ試合で競るのだから、その場面のためのパターンを事前に練習させ、心構えを仕込んでおかなければいけないのです。
そういう思考が働かないのに声だけは出す先生が多すぎます。もうウンザリするのを通り越して殺意が湧いてきます。
だったらハナから干渉しないでそっと見守るべきです。管理、干渉、強制。こういうのが彼らは大好き。卓球を選んでくれた子供たちは、あなたたちのおもちゃじゃないんだ。
応援しようという気持ちは否定しません。正しく応援すれば、選手の精神的な負担を減らすことができるからです。
私自身、ボールを取りに行った時に信頼している人がナイス!と言ってくれたり、拍手している姿が目に入ったりした時には気持ちが軽くなります。そういうちょっとしたことだけで、次のプレーに集中することができます。
私が台についている間、彼はそれ以上試合に踏み込んできません。セット間のアドバイスを除けば、ほぼ見守るだけ。試合の行方は最終的には台に入る選手次第であり、応援する人間ができることは限られていることを理解されているからだと思います。
中学生が先生に言われるまま応援するならまだしも、応援によって試合に影響を及ぼそうとする”指導者”は浅いところで選手を信頼していないと思います。あるいは競技的に卓球をしたことがないか、はたまた自分がされたらどう思うか想像できないか。
いずれにしろ、卓球指導に関わるのであればもっと勉強なさっていただかなければ困ります。卓球界全体にとってマイナスですし、何より生徒を不幸にします。
最低限、マイナスにならない事
そもそも応援は、選手の勝率を少しでも上げるために行われる行動です。だからといって応援で試合をひっくり返せるなどと考えるのは思い上がりです。
ほんの少し選手の後押しができれば、悪いイメージを払拭できれば十分。最低限クリアすべきは、試合を壊さない事です。
そこで、先生にも選手たちにも応援で声を出すタイミングと言葉をチェンジしてもらおうと考えています。
声を出すのはラリーが終わった直後。中学生なので細かい内容は置いておいて、得点出来れば「ナイス!」や「ナイスボール!」、失点したら「ドンマイ!」。この2パターンを軸に応援してもらえれば試合は壊れづらくなります。
選手が台に近付いて集中力を高める状態に入るころには、声は出さないようにします。
先輩がやってきたから。伝統だから。
そんな理由で生徒たちは自分たちの首を絞める応援を強いられています。
”応援する”という伝統だけ残して、中身は選手にとってマイナスにならない物にチェンジしていかなければなりません。
人によって必要とする応援は違う
ここまで、私の主観を元にいろいろと好き勝手に書いてきました。
私自身は騒がしい応援をされると迷惑だと感じます。騒ぐ暇があったらサービスレシーブを助けてくれよ、よく観ていてくれよ、と。
プレーしながら大きな声を出したところで、私の場合は勝ちに繋がらないと経験的に学びました。だからベンチにいる人には冷静沈着でいてほしい。その様子を見ることで私は落ち着くことができるのです。
人間が違えば必要とする応援のタイプは違います。プレーしながら声を出す出さないも違います。一番大切なことは、選手が一番やりやすい状態でプレーできることです。ですから、選手一人一人に「あなたはどうしたい、どうしてほしい」と聞き取りをしなければいけません。3年生にはこれから、最低限の最終確認をします。
今回書いたことは、直近のオープン戦で2年生全員に伝えました。2年生はまだ1年残っていますからもう少し突っ込んで、私の応援に対する考え方をどう思うか聞くつもりです。応援によって硬くなって崩れた経験がある人もいるようです。一方で、「この人はなんて冷淡なことを言うんだ!」と驚いた人もいるかもしれません。もしかしたら嫌われるかもしれない、と思いながらも必要だと判断したので伝えました。
(おわり)