卓球と技術のソノサキ

中学卓球部における指導と自分の成長記録の二つがメインです。

市総体 2018 ~Part1. それぞれの満足度~

市総体が終わりました。

徒然なるままに書き散らしたいと思います。

 

結果

団体優勝、シングルス1,3,4位(形式上は3位が二人だが、直接対決で決着はついている)。ダブルスは1,3位。

 

小学生スタートで卓球スクールに通い続けている生徒がレギュラー内に計4人いるため、団体優勝は実力が正しく出た結果と思います。油断せず戦ったことは立派だけれど、優勝という結果には驚きはありません。むしろスクール勢を抜けば団体2位の学校(クラブ勢が1人、他中学スタート。3-2で勝利。)に負ける可能性が高く、顧問の先生のめちゃくちゃな育成方針に感心するばかり。

 

 

カット型の満足度

協力先の中学校で一番満足度が高かったのは、シングルス3位のAさんでしょうか。

カット型の彼女は予選リーグでペン粒のようなプレーをするペン表に苦しみましたが、1-2から盛り返して勝利。予選リーグ1位となり地区総体進出を決めました。決勝リーグでは今までに勝利したことのあるクラブ勢の選手に勝ち、他2戦負けたもののリーグ内で2位。2つのリーグの2位同士で同士打ちとなり、小学生スタートのチームメイトに0-3で敗れて最終4位。

決勝リーグではシングルス1位となるこれまた小学生スタートの後輩Bさんに0-3で敗れましたが、粒のツッツキが効いて第1セットでは7-5までリードしました。序盤から終盤まで一発で打ち抜かれることはなく、1,2本はカットが返っていました。最終セットは4-11でしたが相手は全国カデット経験者なので点差によるショックはなく、むしろそこに対してリードが出来た・カットが入ったことに満足感があり自信を得たとのこと。

五月には試合が続いたせいか勝っても疲れた顔ばかりのAさんでしたが、Bさんとの試合後にはやり切った感のある明るい表情でした。

 

ダブルス3位はカット&カットのダブルスで、全くケアできないまま総体を迎えました。練習をしていないので”適当に”やってもらうしかなく特に何もアドバイスはしませんでしたが、二人の個人技と良好な人間関係で勝ちを重ねたようです。ダブルスはほぼ観ていないので本人たちの話で想像する他ありませんが、試合後の表情は明るかったので楽しくやれたのかな。

 

ダブルスの方は上述の通り私の関与はありませんが、今回は珍しくカット型の満足度が高いです。これは先代より良い傾向です。カットそのものを楽しめるのはかなりのもの好きで、そうなければカット型という戦型に対しては満足度が低くなりがち。けれども今回は、いろいろを総計すればプラスになったはず。そう感じているように見えたし、そう思いたい…。

 

 

涙を流す者たち

シングルス3位のCさんは3年生。本人から、「先生はベンチで騒いでしまうので、今回のシングルスのベンチは全て(私)に頼みたい」とのオーダーがありました。

1,2位の二人はそれぞれ2,1年生ですが、両者に0-3。直接対決はなかったものの1位の後輩が、自分が0-3で負けた相手にフルセットで勝っていく。そういう光景を至近距離で見せられるのは辛かろうと思います。特にある程度できる彼女にとっては…。

彼女の場合は年下には負けられないという思いが特に強く、よりショックは大きいようです。客観的に見ても実力差があるのですが、そのことは棚に上げてしまっているようです。自分を客観的に分析して言語化できる彼女ですから、認識できないはずはないので不思議。分かってはいるけれど勝ちたい、ということでしょうか。それとも今の状態で、本気で勝てると思っているのか。

3位で賞状を貰ったわけですが、みんなで写真を撮って一段落した辺りで泣き出してしまいました。周りの生徒に聞くと、1位になれなかったことへの悲しさ・悔しさによる涙のようです。

うーん…ちょっぴり、贅沢だなと思ってしまいます。だってそりゃ、勝てないものは勝てないよ。そういうことを受け入れられるようになった時、彼女にブレイクスルーが起こるような予感がします。

 

シングルス2位は、私がお世話になっているコーチのレッスンを受けている中学1年生。彼女のレッスンにもう一年弱練習相手として参加しているので見知った選手です。これまで試合で緊張したことはなく、負けて泣いたこともないとのこと。ところが大会初日の朝に「中学生の大会の雰囲気は初めてで、緊張している」と話してくれました。

1位の選手にはフルセット9-11で敗れ、ベンチに戻った途端泣いていました。緊張した、すなわち勝ちたい気持ちが明確になった分、悔しさもはっきりと感じたのかな。

彼女にとってはこれがまた、次のステージに進むきっかけとなるのでしょう。それとも泣いて1日経ったら、その悔しさを忘れてしまうのかな…?そこは心配です。

 

 

”海賊船”、沈没

3年生のペン粒二人はともに地区総体進出のかかった試合で敗れ、個人戦での進出は叶いませんでした。内1試合は技術的にはどっこいで、カット型のようなスタイルで繋いでくる相手でした。

本来ペン粒はカット型に負けづらい戦型です。回転の影響を受けづらく、打ったボールはナックルになるので変化を付けづらい、ブロックは得意としているのでカット型の攻撃技術では得点が難しい…。ところが素人の先生がショートしか教えず力加減のケアもなかったため力んでのミスが頻発します。確かにショートは動きがシンプルで初心者が最初にやるには適しています。でも、コート全体をそれでカバーするのは不可能です。結局フォアハンドで思ったようにボールを送れなければ勝てません。

ペン粒フォアハンドのカット打ちもしてもらったことはあります。その時には正確に上げることが出来ていました。しかし先生たちにひたすらショートばかりさせられたことにより、ラリーでフォアバックの切り替えができない体になってしまっていました。

卓球未経験者が適当に指導したことが初期設定の失敗、ひいては”海賊船”の沈没を招いてしまいました。 

 

もう、最悪です。「これなら勝てるから」などと知ったようなことを言ってペン粒を押し付け、それでいて勝つための技術・戦術を教えられない。私が今どれだけ憎悪の念を抱えているか、伝わらないでしょうね。

 

素人の指導で勝てるのは、1年生の間だけです。2年生の夏になるころには皆ドライブを覚えだし、途端に勝てなくなります。

初めから私に預けていてくれれば市総体を抜けることはできました。確かに機敏な子たちではなかったけれど、他の子に比べて大きく劣るかと言えば大差はありません。むしろサービスに関しては器用な方でした。それに、市総体を抜けるくらいならそんなに複雑なことはいりません。

しかしながら、確かに私はカット型で手一杯でありました。たまにレッスンをすることもありましたが、パッチを当てる程度のものに留まってしまいます。結果、”知ったかぶり指導”を受け続ける羽目になり、結局何もできず終わってしまいました。いや、もちろんショートはある程度できるようになったし技術的にはスタート時より成長しているけれど、試合内容に進歩がありませんでした。自分の力を出し切れず終わった感が非常に強い終わり方をしたように見えました。

 

だから、教えられないのであれば使いづらい粒など貼らせていないで、爽快感を得られる裏ソフトや表ソフトを使わせるべきなんです。どうせ勝たせることができないのだったら、楽しくやれるものを選ばせるのが大人の責任でしょうが。勝てるとしても、他の戦型がいいと子供が言うのであればそれを尊重すべきでしょうが。そもそも、「勝てるからこれを使わせよう」というのが子供の意思を無視した大人のエゴですから。こと中学スタートの女子で、「なんでもいいから勝ちたい!」と思える子は稀ですよ。それはある種、天才です。

 

 

2年生にはペン粒はいないので安心ですけれど、1年生はどうなることやら。

つい先日、1~3年生全体の前で戦型の話、カット型を海賊船と例えた武揚選手の話をしました。船を乗り換えるなら1年生のうちでしょう、2年生のこの時期くらいが限界でしょう。でも、「これはもうやっていられない!」と思ったら今からでも別の船に乗り換えましょう。そのサポートをすることはできます。私はカットが好きだからやっていられるけれど、そうでなければ先手を取られてスタートするのでしんどいと思います。だから人にはカット型を勧めたことはありません。むしろ引き留める側、「カットで本当にいいのかい?」と確認する側です。何でもいいから勝ちたい!と思う人には、私が教えられる都合上カット型を勧めます。そうでないならカット型を含む異質型を、私からおすすめすることはありません。

そういう話をしました。

 

たまたまとはいえ卓球を選んでくれた彼らを、卓球によって不幸にしてはなりません。

中学校を出て卓球を続けないとしても、「卓球を選んで良かった、楽しかった。」、そう思ったまま卓球から離れてもらえるよう、指導に当たる人間は努めなければなりません。そうでないなら卓球に関わらないでほしい、心からそう思います。

 

(おわり)