卓球と技術のソノサキ

中学卓球部における指導と自分の成長記録の二つがメインです。

救済

私が関わった初代のカット型の元選手Aさんと久々にお話ししました。

 

テスト期間と重なって昼過ぎ放課のため2日間に渡り応援に来てくれました。

2日目に少しお話する時間がありました。

 

話題は2年生のカット型へ。

 

2人のカット型

現在の2年生にはカット型が2人。気が強く気持ちの波が表情に出るBさんとあっけらかんとしたCさんとで対照的です。様子を見る限り、この二人の関係はかなり良好のようです。

 

Cさんとは秘密練習をしているのとその性格により、ある程度ケアが行き届いている感覚があります。一方で早熟なBさんはその表情からだけでは納得感・満足度を掴みづらく、勝手に少し心配をしています。

 

そんなBさんに対し、Aさんから声をかけてみてほしいなと常々思っていました。中学スタートのカット型として圧倒的な成績を残した選手、そういう人から話しかけられることがBさんのようなタイプには良い影響を与えるのではないかと考えたからです。

 

Aさん曰く、

  • 今の2年生とはあまりしゃべったことがない。
  • 特にBさんはあまり話してくれない(返答の語数が少ない)。
  • Bさんは正直苦手な(嫌いな、と言っていたかな?)タイプ。
  •  Cさんの妹とは妹同士が仲が良いし性格も裏表がないから話しやすい。
  • 練習や試合の様子を見ている限り、カット型そのものに対してそんなに不満はなさそう。

 

三つ目などはずいぶんととげとげしいですけれど、表情や言い方は穏やかで、実際には文面のような毒気はありませんでした。

 

苦手だと言われて、思い当たる節がありました。Bさんは時折冷たい表情をすることがあるので、「そういうところとか?」などと尋ねるとやはりそうだということでした。

 

もともと気が強い、というか芯が強いのに加えて、Bさんの場合は真剣に話を聞いている表情と少しふてくされた時の表情が似ているんですね。そういうお顔のデザインなわけです。1年と少し観察を重ねてこういうことが分かってきた私でも「あれっ、なにかまずいこと言っちゃったかな」と思う瞬間がありますので、接触回数の少ないAさんからすれば当然の事と思います。

 

でも、Bさんのそういう表情は無意識であって明確な攻撃性を伴うわけではないようです。というのも2年生数人とお喋りしていた流れで、芯が通って気が強い派と穏やか朗らか派のどちらかに振り分けたところ、Bさんは「えっ、私って気が強いように見えてるの!?」と他の生徒に確認していたのです。

 

となるとこれまた余計なお節介かもしれませんけれど、「そういう表情になりがちだから、普段よりさらに穏やかなお顔を意識してみるのはいかが?」なんて言ってみようかなと。それが実装されればAさんだけでなく後輩も話しかけやすくなる、結果得られる情報量は増え部活の雰囲気もより良くなり後輩も慕ってくれるようになる…。本人にとって総じて大きなプラスとなります。

 

脱線してしまいました。AさんとBさんのお話に戻します。

私から見ると、この二人は似ていると思うんですね。つまり、AさんもBさんも芯が通って気の強い派なのです。だからこそ、ウマが合わないと感じるのかもしれません。

 

不満はなさそうというAさんの指摘に、思わず「確かに…」という声が出ました。なるほどカットがスッと馴染みましたし、最近ではドライブも練習して打てそうなボールは振れば入るようになってきました。台上の難しいボールも上手く入り込んで処理したり、Cさんに仕込んだ技術をコピーしていつの間にかできるようになっていたりと、出来ることがどんどん増えています。全体として満足度がマイナスになっているような印象は確かにないなぁと。

 

となりますと、カットがどうこうよりも部活に関する悩みだとか試合で困ったことなんかを聞いてあげた方が良いのかなぁ、なんて。私からも聞きはするのですけれど、同性で年が近い人が同じことを聞くとまた印象が違うでしょうし、昨年まで同じ立場にいた人間の方がより真の理解に近付けるはずです。

 

夏休みになったらAさんは中学校の練習に参加するそうなので、そこで聞き役になる時間があれば良いなと考えています。

 

 

私が救われた話

今回のお喋りの中でAさんには初めて、カット型を”海賊船”と例えた武揚選手の話をしました。

 

私:”海賊船”と聞いて、どう思う?なるほど確かになぁ、ってとこある?

A:うーん…

私:荒波に揉まれるわけじゃない?大変だった?

A:大変だったけど、私はいろいろ自由にできたから楽しかった。最後にはプッシュもできたし、ドライブも打てたし。

私:そうかぁ、それは僕の方が救われるなぁ…。

県総体で当たった●●さん、あれからだいぶ強くなってるみたいだよ。あなたとの試合がいくらかは刺激になったんじゃない?

A:あぁ~、あの最後の2点が取れてればなぁって(笑)

私:○○さん(初代のもう一人のカット型)は、どうだったのかな。

A:嫌だとかそういうのは聞いたことがない。○○は何でも前向きにとらえられるから。

 

これはかなり、私の心が救われました。

今まで初代の二人は私に遠慮してしんどいと言えなかったんじゃないか、そう思っていたので…。

 「楽しかった」という言葉が聞けるなんて、これ以上の喜びはないです。

 

現在の私は、地区総体2日目のベンチワークがあまりうまく行かなかったために相当落ち込んでいる状態です。相手のレベルが上がっているのも大きいですけれど、結果として数人の選手が悔しい思いをしたり負けて泣いてしまったりして。役に立てなかったという申し訳なさが私一人の中に人数分蓄積されて、精神的にだいぶ厳しいです。おこがましいとも思いますけれども、”責任の一端を担う責任”があると思うので…

 

が、この言葉を想えば明日もなんとか生きて行けそうです。

 

 

 

(おわり)