Pygmalion Effect

ピグマリオン効果と指導について。

 

ピグマリオン効果ピグマリオンこうか、英: pygmalion effect)とは、教育心理学における心理的行動の1つで、教師の期待によって学習者の成績が向上することである。  

 

これは実験の上で提唱された効果ですが、実際に実験の設定条件や検証の度合いが怪しいため反論もあります。

効果の正しさはさておき、私は指導に当たる人間なら知っておくべき概念と考えています。

 

ピグマリオン効果では教師の期待が学習者の成績に影響を与えるということですが、実際には教師が期待することによって教師自身の認知行動が無意識化で変わり、結果学習者に良い影響を与えたというのが実態と思います。

 

これを卓球に置き換えますと…

例えその選手がすぐにうまくできなくても、こつこつ続ければ必ず出来るようになると、そう思って指導に当たらなければなりません。そもそも教育や指導ってそういうものだと思うのですが…そんなことも理解していない先生方は多いようで。教育心理学の勉強も大学でするはずなんですが…

 

選手に期待して信じていれば、自然と態度は温かくなり、言葉も柔らかくなりますわね。長い期間をかけてじっくりと練習させたり、自分のアドバイスに問題がないか鑑みたりもするでしょう。選手はそれらを敏感に感じ取り、練習への意欲が向上したり指導者への信頼感を高めていくでしょう。

 

これが選手に期待していない場合、どうでしょう。

態度は冷たくなり、言葉は強くなって、上手くできない技術の練習をやめさせてしまいます。そうなればその技術が向上することはありません。あまつさえ、指導力の不足に気付かず選手の能力のせいにしてしまうことまで。

 

 

重要なのは、事前には勝敗という結果について過度な期待をしないこと。それは期待ではなく、圧力です。勝てないものは勝てませんからね。

ただし、試合中に指導者が諦めることがあってはなりません。0-2になっても、「この子ならきっとやれる」と考えて、希望を見出せるようなアドバイスをしなければなりません。

 

期待というのは、出来ると信じて見守ることに近いかもしれません。直接「あなたならできる」というのは、しつこく言うものではありません。信頼関係がある前提で、さらっと言えると効果がある…かもしれません。

指導者の期待による雰囲気や声かけによって選手をその気にさせることができれば、あるいは選手が自分を信じて取り組めるようになれば。「期待すると成績が伸びる」という現象が起こるでしょう。

 

 

 

(おわり)