2年生9名のうち、個人レッスンを受けていない7名の育成計画、各々方へ抱いた印象、優れた特徴、難点等々について。
①左シェーク裏裏
ややフォア優位の両ハンドタイプを目指す。
ショートサービスや台上で相手を崩してフォアで攻め込むパターン、ロングサービスから両ハンドのブロックでコースをついて最終的にフォアで行くパターンの2つを軸とする。
サービスは右利きに効くものを順繰りに使っていく。まずはフォア前に準横、短いサービスを見せておいてフォアサイドへロングサービス、フォアサイドを意識させた後でバックサイドへロングサービス、フォアサイド+バックロングを待った状態に対してバックサイドへショートサービス。
対左利きの練習を十分に積んでいない相手であれば、レシーブはなんとなく台の中央付近に集まる。がら空きでもフォアサイドに送るのはリスクを感じるし、バックサイドを詰めようとしてもストレートは難しいのでやはりフォアミドルあたりに返球される。
私が見る限り、彼女が一番”頭が良い”。説明を咀嚼しながら聞くことができるし、状況をイメージして納得する様子が見られたからである。言動も他の2年生よりは一段落ち着いており、正確な打法を仕込めば自分で考えて組み立てができるようになるだろう。同じように練習したら、一番強くなるはず。
のちに、学力でも学年トップ層にいることを知る。あの感じならそりゃ勉強もできるでしょうねぇ^^。
フォアで連続ドライブしようとすると力みが出るので、多球でそれを上書きしていく。
少し教えた時点でバックハンドの感覚を掴み、あとは動いてフォアを正確に使えるように。
②右ペン表裏
フォアの変化表を活かすため、バックはショート中心。古き良き”右打ち左押し”をするだけでも、球質が独特なため得点が期待できる。裏面は変化をつけるために使う程度で。ラケット反転が上手になれば、サービスのみ裏ソフトで展開していくことも取り入れていく。
サービスはシンプルなロングサービスを多用。返球はロングボールに限定させて展開を単純にしつつ、コースを散らして強振させないように。
近隣の市に上記のパターンでプレーする小学生スタートのペンホルダーがいるので、よく見て参考にするように。
集中力はそれなりだがその持続時間は高いとは言えず、とにかく強く打ちたいと繰り返す欲望優先型なので、上手く気分を乗せて必要な練習に取り組ませることができれば。
性格や思考力を考えると、ペン表でロングサービスからロング戦というシンプルな戦術は合っていると言えるだろう。
③右ペン裏裏
今はショートを使うことが多いが、裏裏なのでバックハンドは裏面メインでプレーできるようチェンジしていく。
緩い下回転を打つのが得意なので、ロングサービスから両ハンドとフォア前・フォアミドル前に落とすショートサービスからフォアハンドでの3球目攻撃の2つを軸に。広い範囲をフォアで攻め込めるよう、足を動かして位置を合わせる多球練習を繰り返す。
ラケット角度を出すのが巧いために相手コートに返球できる確率が高く、個人レッスンを受けている選手ともフルセットに持っていける。その点は優れているが、他の数名よりは卓球への関心が低いように見受けられる。あるいは私への信頼度が今のところ高くはないために、そのように見えているのか。
骨が折れそうだが、こういう人に信頼されてこそ本物と。以前にもこういうタイプの選手はいたので、今回も適切な距離感を探そう。
④右シェーク裏裏1
右シェーク裏裏の定番パターンで。バックへのロングサービスから両ハンドでコースを突く、フォア前・フォアミドル前から3球目攻撃。バックハンドサービスも取り入れる。
今のところフォアの強打が強烈なので、バックは精度を上げてラリーでミスをしないように。足を動かしてフォアで3球目攻撃できるよう、動く多球。
卓球への関心が高く、また個人レッスンを受けている選手を良い意味でライバル視しておりそれが成長の原動力になっていくはず。
私との信頼関係がある程度構築されており、言ったことを嫌がらずに練習してくれるし話も聞いてくれる。
団体戦では③、④の二人でダブルスとして出ることも視野に入れている。
⑤右シェーク裏裏2
極めて体幹が弱くまたX脚気味でもあるため、足を大きく開いたり前傾姿勢にさせたりすると転びそうになる。幼少期にほとんど運動をしてこなかったことが窺える。
一方で力みはほとんど見られず、バックのブロックの感覚が良い。
敏捷性や筋力の面から、低い下回転への攻撃や3球目で回り込んだりするのは難しいと思われる。
となればやはりロングサービスでレシーブを上回転に限定させ、得意なブロックでコースを突くあるいは変化をつけて得点を目指すほうが現実的である。
ショートサービスを使った時も、積極的に回り込むのではなく両ハンドでコースをついて甘いボールを強く打つ。現時点ではフォアよりバックのほうが得意であるので、台の中央よりから相手のバックサイドへロングサービスを出すパターンは練習してよいだろう。
素早く左右に動くのは難しくても、ラケット操作のスピードさえ上がればブロックでゲームを作ることができる。
フォアは自信がないようだがそれほど形が崩れているわけではないので、少しずつ強く打てるようにしていく。脇が閉まってラケットヘッドが上を向きがちなのはチェンジ。
⑥左ペン裏裏
今のところ、この選手が一番難しい…
学力は高いようだが私の思う”頭の良さ”は見られない。集中力に波があり、できないことに対して我慢して練習をすることも苦手のようである。これで勉強ができるとは一体…?という感じ。
フォアハンドは手首をこねすぎで打つ瞬間に状態が後ろへ反ってしまう。初級者のペンホルダー特有の、一度ショートをするとフォアサイドに大きく振られたボールまでショートで取りに行こうとする症状も出ている。
サービスはコントロールはできていないが、他の技術に比べれば今のところ一番感じが良い。右のフォア前に出す感じから上手くストレートへ出すことができている。問題はその後のフォアハンドである。
ADHDがかるく入っているかもしれないので、興味を持てることをある程度優先して(本人に選ばせて)練習するのが良いか。
集中力が高い日には出来ないことにスポットを当てた練習に取り組ませること。忍耐力がない日にはショートやツッツキなど、できるだけシンプルな動作を取り入れた練習を多くすること。
⑦右バック粒カット型
本人がカット型になりたいと言うので、今年の春からカット用のラケットを貸して少しずつ。ティルナにライガン厚、カールP4特薄。
サービスはバックハンドサービス中心で、フォア前とバックロング。下・横。
サービスは相手にツッツキでレシーブさせるために、面を上向きにして相手に下回転であることを教えてあげるもので。
レシーブは強打されないよう、深さ・コース・高さ・回転の順に優先。
カットも覚えさせていくがカットに持ち込むためのツッツキのほうが重要である。
サービス・レシーブ・ツッツキ・カットを主軸としながら、自分が楽をし相手が苦しくなるようにカーブロングや反転してのツッツキ・ブロックも使えるところまで行ければとりあえずは完成を見る。
粒のツッツキに対して浮いたツッツキを攻撃できるよう、限定的な攻撃の練習は行う。
カット型への憧れは今まで私が関わったカット型の中で一番あるように思われる。そこをうまく利用して引き上げられれば。
(おわり)