中学校での練習にて、チュウペン裏裏の女子選手(Aさん)からご質問いただきました。
今回は、この質問への回答について考えます。
現場でのやりとり
Aさんとの練習後、「何か気になったことある?」と尋ねたらこの質問が出ました。
その場での私の回答は次の通りです。
- テンポが一定でカットされやすくなっても、テンポによる変化が付かないからドライブする側にとってもミスが減るメリットアリ
- 攻撃型の人と相談してみて
私自身は対カットにおいててんで素人なので、攻撃型の選手と相談した方がいいとその場では判断し伝えてしまいました。
しかしながら、他の選手が対カットにおいて特別優れている訳でもないなぁ、と帰宅してから思い直しました。
そこで、私なりにこの問いへの回答を考えてみることにしました。
学校の練習では毎回、始まりと終わりにお話をさせていただく時間があるので、次回の練習でこの質問と回答を全体に共有するつもりでいます。
私が考えたこと
1.テンポを変えるべきか否か
まず、自分にとってやりやすいのはどちらなのかを判断すべきです。
一定の方がカット型を相手しやすいのか、それともバラバラのテンポでも打ち込んでいけるのか。
次に、相手にとってのやりづらさを考えます。相手にとってラクチンで得点を許すようなら、リスクを取って(=自分にとってやりづらい選択をして)でも相手の嫌がるテンポにしなければなりません。
2.変えるのはテンポなのか
というのも、カット型に反撃されないならテンポが一定でも問題ないからです。
ドライブとツッツキを単調に繰り返すと、カット型がそのリズムに慣れていき攻撃が混ざってくる可能性があります。それを避けたいなら、バックへ深いドライブ(速くなくても良い)を送り、フォアへ短いループドライブを送ることで前後に揺さぶるのが良いでしょう。
テンポではなく、まずはドライブの長短に変化を付ける方が良いと思います。
3.テンポを変えるには…?
とは言え、「状況を打開するにはテンポを変えるしかないんだ」という場面もあるかと思います。そうなった時、何をしたらテンポが変わるのかを考えます。
私のアイデアは以下の通りです。
- ドライブの球速に変化を付ける。遅めのドライブの中に強打を入れる。
- ドライブの球速は変えずに回転量を操作し、スマッシュチャンスを作る。スマッシュの速度でテンポに変化を付ける。
- サーブで変える。速いロングとフォア前にふんわり。
- 三球目での速攻を試みる。
4.雑感/その他
私がカット型として、Aさんのプレーを振り返ります。
- 球速にはそれほど幅がありません。ループドライブばかりで、進んでくるドライブが少ない。スマッシュもない。彼女の技術力をもってすればここはもう少し工夫ができるはずです。
- 深さも大体同じです。エンドラインぎりぎりに落ちるドライブはほぼありません。(これは球速とも関係していますが)
- コースはミドルからバックとフォアのサイドを切るボールが出ています。コートを広く使えています。しかし上記の二点から前後に揺さぶられることが無いため、左右の動きだけで済んでしまいます。前後に動いてカットする必要が無いため調整が少なくて済み、崩れづらいと感じました。
最後のポイントを打ち込みながら気づきました。これです!
高島氏曰く、カット型は横の動きには比較的強い、揺さぶるなら前後!
「確かに!」と実感した瞬間であります。
また、今回の件について考えていて、大学時代の監督の主張を思い出しました。
彼の支持する対カット戦略は以下のようだったと記憶しています。
- 攻撃型から仕掛ける必要はない。反撃にだけ気を付けてドライブで繋ぎ続ければ、カット型が先にミスをするのだ。
現実にはそう簡単ではないとも思いますが、確かに確率で考えればドライブがカットに勝るはずで、繋ぎ続ければカット型が攻撃せざるを得なくなります。
そこまで追い込めばのびのびと攻撃されることはありません。子供をあやすように「ハイハイ」と止めて、またドライブで繋ぐ展開へと戻します。
ドライブを前に飛ばそうとせず持ち上げることだけに専念すれば、カットの回転量によってドライブの高さが変わることはあっても、オーバーミスやネットミスをすることはありません。(これはかなり技術力が必要で、私の攻撃技術がこのステージに達するのは10数年先と思われます;;)
もっと強いカット型なら違うのかもしれませんが、私はドカンと打ってくれる人の方がラクです。粒高を使えばカットがブチ切れて勝手に変化が付くからです。
嫌なのはそこそこのドライブでずぅーっと繋がれて、浮いたカットをスマッシュしてくるタイプです。
もう少し推敲して考えを整理し、友人にも知恵を借りた上で何を全体に共有するか決めたいです。
読者の皆さまも、思うところあれば知恵をお貸しください。
その際にはカット型とドライブ主戦型、どちらの視点からのご意見か添えていただけるとありがたいです。
よろしくお願い致します。
(つづく)
中ペンの友人曰く
借りてきました、友人の知恵。彼はAさんの様子を見たことがあるので、Aさんのレベルに即したものになっていると思います。
- テンポを変えたいなら、ドライブの高低をいじるのが一番現実的。というのもドライブの長短を調節するのはかなり難しいから、上手くできないかもしれない。
- 持ち上げるループが出来るなら、同じスイング速度で少しだけ前に振るようにすれば低いドライブも打てるはず。逆にもっと持ち上げるイメージで上に振れば、高くて遅いドライブになる。ループドライブでも、高め・ふつう・低いの三つを使い分ける。
- 他の作戦としては、全部ツッツキにして反撃にだけ気を付けるなど。(カット打ちを一本ミスしたら、次は全部ツッツキにしてしまう)
- いかにも作戦変えましたって感じの劇的な変化より、今までの打ち方を少し変えるくらいがリスクも低いし相手もミスしてくれる。
- 対カットでのスマッシュはドライブに比べれば難しい。面でしか調整が効かないから、少し回転を読み違えるとミスになってしまう。
ドライブの高低という発想はなかったので大変感心しました。
言われてみて彼とのゲーム練習を見返すと、確かにドライブの高さにはかなり幅があります。
確かにドライブの長短、特に深いドライブというのは難しいですね。高さを変える方が比較的容易です。高さが変われば球の軌跡の長さが変わるので、テンポを変えることができますね。
勉強になりました。
うまく整理して、伝えようと思います。
(おわり)