総体によせて

総体が近づいて参りました。





大抵の選手が、何よりも結果を求めることでしょう。
一生懸命練習したからこそ勝ちたいという気持ちが生まれ、負ければ傷付きます。人間であれば自然なことです。

しかしながら、結果だけを求めると幸せからは遠ざかっていきます。相手だって勝ちたいから手を尽くすし、試合をすればどちらかは負けるからです。そもそも、優勝する人以外はどこかで負けるのです。
ですから、結果が欲しいという気持ちは痛いほど分かるけれども、勝敗以外の観点でも自身で評価できる能力が必要です。

たとえ勝利や得点に結び付かなくても、試合の内容や自身の成長を評価できる“人間”を育てたいと私は考えています。でなければ、卓球をやめたときに何が残るでしょうか。


一生懸命頑張っても、結果が出るとは限りません。でも、一生懸命頑張っている間は必ず成長しています。
…と、本田圭佑氏が語るのを見聞きしました。

全くその通りだなと。


相手のレベルも上がっているから分かりづらいだけで、必ず成長があるはずです。
得点はできなかったけれどこういうプレーができた、戦術的には一番betterな選択ができた…など、半年前・1年前と比べれば必ず成長した部分はあります。だってあれだけ一生懸命練習したんだから。
私は彼らが真剣に取り組む様子をそばで見ることができました。
彼らが残す結果がどのようなものであれ、私は胸を張って言えます。彼らはよくやりました、と。


本当は、最後まで一緒に戦いたかった。そばで彼らのプレーを観たかった。しかしながら、状況がそれを許しませんでした。

幸い?市内の別の中学校で外部コーチ登録をしたので、割りと近いところから見ていられるのですが、もう部外者ですから…
あんまりベタベタくっついてもね…と。


それに、新たな中学校にも心から勝ちたいと思っている選手がいます。卓球の技術や戦術的には前の学校に劣るかも知れないけれど、勝ちたいという気持ちは負けていないと感じます。練習中の目つきや佇まいを見れば分かります。
今度は彼女に寄り添って、行く末を見届けようと思います。

もっと早く出会えていれば彼女も…と思わずにはいられません。
確かに卓球では貧しいけれど、人間として尊敬できる選手にまた関わることができるのは、この上ない喜びです。



私には夢があります。
もちろん自分がサポートした選手が県大会に行くのも嬉しいことです。
しかしそれよりも望むのは、私が関わった選手たちがいつかどこかで、卓球で困っている人の助けになってくれることです。
その結果周りの人が、卓球に関係の無い人までもが、「卓球をしているとこんなに立派な人間が出来上がるんですね」なんて言ってくれたら最高ですね。



(おわり)