私が練習相手をしているカット主戦型の女子中学生が、最近フォア面のラバーを変更しました。
PさんとQさんとしておきますが、二人ともラクザXソフトへ変更しました。
ラバーの変更を強制したわけでは決してないのですが、この変更について少し後悔と言うか、違ったかもしれないな…と思っていることがあります。
今回はそのことについて書いていきます。
以前の記事でも触れましたが、二人にはラクザXソフトを貼った同じ用具を渡し、お試しとして数か月間触ってもらっていました。
ライズより良い部分が多いと思ったら替えればいいし、ライズのほうが良いと思えばそのまま厚みを変えるのもいいと伝えました。
Pさんは早い段階でXソフトへの変更を決め、Qさんはライズのまま厚さを上げることになりました。Qさんはライズの方が安心感があると言っていましたが、もしかするとPさんが用具代をご家族に別途出してもらっている一方で、Qさんはお小遣いの中から出しているというのも関係していたかもしれません。
その後2週間ほど経って再び練習に訪れると、QさんもXソフトに替えていました。
なんでもラケットが壊れてしまって(割れた?)、私がお試しとして貸していたのを代用として使う内に慣れてしまったから替えたとのことでした。
(この話をしたときに、もっと早くネットで購入することを勧めていればなと後悔しました。)
何にせよ二人とも納得して購入したので、本人たちからすれば良い変更なのだと思います。
硬めの高弾性から柔らかめのテンション系へ
これは全ての高弾性が硬くて全てのテンション系ラバーが柔らかい、ということではありません。
たまたまPさんとQさんが高弾性の中では硬めのライズを使っていて、そこからテンション系の中では柔らかいラクザXソフトへ変更したということです。
二人は卓球の基礎技術を、ライズで培ってきました。ですから特にカットの感覚が、硬めのラバーに適したものになっているように見受けられます。
私自身ドライブが不得手ということもありますが、それを抜きにしてもドライブよりカットの方がラバーの変化に敏感だと考えていて、二人のラバー硬度の変化が良い方向に働くか疑問なのです。
硬いラバーでのカットは、ラバー表面のシートで薄く擦るか、強くぶつけるようにして回転をかけたり抑えたりするものが多いと思います。つまり速いスイングのカットになります。
これに対して柔らかいラバーでは、適度に食い込ませて回転をかけます。優しく包み込むようなスイングになります。
私も二人と近い状況で、硬いラバーでカット技術を練習しました。ですから柔らかいラバーでカットしようとするとぶつけすぎてしまって飛び過ぎるなど、コントロールが困難です。
またドライブだとイメージしやすいと思いますが、思い切り回転をかけたいときに柔らかいラバーだと応えてくれません。思い切りスイングしてもブルンッとロスのあるひきつれ方をするか、回転をかけきる前にテンションの力でふっとんでいくかです。
中学の三年間は短い
二人の練習を見たりお話をしたりしながら経過を見守っていきますが、硬さに不満が出た場合ラバーを替えるべきかどうか難しいところです。
というのも高校で続けるかどうか未確定なので、中三の夏で一区切りつけることを前提に考える必要があるからです。二人も春には三年生になり、ラバーを替えてそれに慣れる時間がなくなっていきます。替えるなら早めが良いですが、金銭的な都合上2,3か月は同じラバーでしょう。
本人が納得していて不満がなければこちらから替えようと言うつもりはありませんが、より良い選択肢でないものを私が選んでしまったかもしれないという点で不安です。
指導者のような立場である以上、用具についてもより良い選択の手助けとなれるべきです。今後彼女たちから不満が出てきたら、謝らなければいけませんね…。