母校の卓球部

年の春から、母校の部活に月数回の頻度で参加しています。練習試合と大会も一度ずつ観に行ってきました。その中でいろいろと考えたことを今回はざっくりと。細かいことは個別でまとめようと思います。以前中学校に関わっていた頃との類似点・相違点なども。

 

 

学校や部員について

公立の中等教育学校で学校には1~6年生が在籍しています。便宜上、中学生と高校生に当たる「前期生」「後期生」という括りが存在し、部活動も前期と後期で分かれて存在します。多くの生徒さんたちが学業の方に重きを置いていますが、部活動の時間には一生懸命取り組んでいます。後期卓球部では6年生が引退して少ない人数での活動となりましたが、限られた時間で集中的に向上を図るなら少ない方が都合は良いです。アドバイスもしやすいですし。

いろいろと事情やカリキュラム等に変化があり、私たちの頃よりも学力的な水準は上がっているようです。5年生で東大数学を全完するバケモノがいたり、英検1級を取得する猛者がいたりとステキなぶっ壊れエピソードが聞こえてきます。

先生たちも県内の優秀な方が集められているので、部活動の先生がどうのこうの…といった不満は少ないと思われます。少なくとも卓球部は問題ないようですから、私は卓球のことだけ考えていればOKです。

 

高校生の年代に卓球のアドバイスなり指導をするのは今回が初めてです。技術・戦術的に言えることがあるのかしら…?という懸念はありましたが、レベル的にはまだ私もいくらかお役に立てるようです。以前の外部コーチの頃と違うのは、卓球に触れている年数がより長いことと、勉強を通じて考える訓練を積んでいるということです。説明は簡潔にしたり省いたりしても伝わる一方で、いろいろ考え過ぎて難しくしてしまう傾向があることにも気が付きました。う~ん、分かるなぁ、といったところです。

卓球を簡潔に整理して理解するお手伝いをしながら、彼らの知的好奇心や競争心を前向きに刺激するようないろいろを提案していきたいと思います。

 

環境の違いと目標設定の難しさ

大会のシステムに関する、ちょっとした不満が2点あります。

まず、インターハイ予選でアドバイザーが入れるのがベスト8決定から、という点です。いきなり県予選からで参加者が多いため、時間的な都合によるものと思われますが、せっかく卓球を高校でもやってくれているのに勿体ないなぁと思ってしまいます。私もそうでしたけれど、アドバイスによって試合展開を変えられるという感動を知らないまま終わるのはもったいないですね。全台にタイマーを配備して、審判に時間をきちんと計らせるようにすれば時間的な問題はクリアできるのではないかと思います。むしろ、セット間の時間が1分を大きく超えることを防げるので、進行を早める可能性すらあると思います。

それから、予選が県予選から始まることは、生徒たちにとって目標設定をしづらくさせています。打ち立てた目標を努力して達成できたという喜びは、何かを頑張ることの価値を学ぶことに繋がり、人を豊かにすると思っています。ですから生徒たちにとって、部活動の集大成である大会で、達成感の得られる目標を段階的に設定できることは有意義なことです。例えば地区予選があると、地区予選でベスト○○や県予選出場、のような目標が設定できて達成感や成功体験を得やすくなるのになぁ…と思ってしまいます。いきなり県予選でも目標は立てられますが、段階的に目標を立ててクリアしていく、という成長戦略を取りづらいのが現状です。というのも試合を観ているとベスト64とベスト32、ベスト32とベスト16の間でそれぞれ技術的に大きな差があり、32に入るのは今の部員たちにとってそれほど多くの努力や工夫を必要としない一方で、16に入ろうとするともっと多くの練習量が必要になり、勉強との両立が難しいと思われるのです。仮に64→32→16と順に目標を達成したとして、次の大会に進めるわけでもないので気持ちとして達成感が得られるか、という疑問もあります。地区予選があると、「予選突破して県予選に進めた!」という明確なラインがあり、「県大会で1勝」や「県でベスト○○」といった目標が続きます。実際、以前私のいた県ではまさに地区予選があり、ベスト16に入っただとか県予選に出られる、といった喜びの声を報告してくれた人もいました。うーんこれは、思い出補正もある…かもしれません。

 

練習メニューのデザイン

ここは別の記事でもっと細かくまとめようと思いますが、課題練習において部員たち自身が選択する内容が複雑すぎることは改善の余地があります。「いやそれ、やりたいことのメインに行く前にミスしちゃっててできてなくない!?」とか、「君が勝ちたい相手想定した時、その練習いる!?」といった感想を、しばしば持ちました。私が参加する中で、練習メニューをどうデザインしていくかというアドバイスをしてきたので、今はもっとシンプルな練習を選択することが増えてきました。でもなかなか自分一人であれこれ考えると、物事はどんどん複雑になってしまいますよね。ですからコーチングする側としては客観的に選手を見て、「君にはこれが必要」「こういうポイントを掲げてこのメニューに取り組もう」というアドバイスをする必要があります。こうして書いていて、なんだかコーチングというよりはコンサルティングみたいだなと思ってしまいましたが、そういう要素も必要なのではないでしょうか。求める結果が出るための提案をしていく、という意味では正しいですもんね。あぁなんだか、それらしいこと言ってる気がいたします。

上田仁選手が言ってました。強豪校の練習メニューは大体似通っていて、どう意識して練習できるかが差を生み出す、的なことを。今の部員たちそれぞれのレベルに合ったメニューを提案していければあとは彼らで練習して向上できるので、エッセンス、ですね。あ~、私にもそういうコンサルしてくれる人が身近にいればな~;;

 

(おわり)