中学スタート勢の横並びから抜け出すには

個人レッスンに近い形で教えてもらえる時間を、いかに増やすかだと思います。

 

学校練習だけでは強くならない

現在3つの中学校に出入りしており、それぞれの学校では大きな偏りが無いよう全体に同程度の時間ずつレッスン(?)をするようにしています。

このやり方は平等ではあり公立中学校の部活動においては不適切ではないと思いますが、何分時間を均等に割るため、本当に勝ちたい人に手厚くすることはできません。

 

そもそも休日練習が月に1回というような状況では、学校の練習だけで勝とうとすること自体無理な話です。勝つどころか正確に入れるレベルにすら達することはできません。

 

だからといって部活を増やしてくれ、というのも難しい。

先生だって人間で休日は休むべきだし、学校の練習ばかりになると上記のように、抜け出したい人がかえって抜け出すことができなくなります。

 

ですから、学校外で練習をしてそこに呼んでもらえればその先のレッスンをする用意はありますよ、ということは伝えています。

 

勝ちたい、と口で言うのは簡単です。大抵の人は負けて嬉しくはないですから、程度の差はあれ勝ちたいとは思うでしょう。ただ、学校の練習以外で努力をしてでも勝ちたいと思えなければ、それはただのワガママです。相手だって負けたくないんですから。

 

すでに学校外で練習を始めていて、そこに私を召喚した人がいます。自ら望んで、私がお世話になっているコーチの元へ通い始めた子もいます。

 

彼らの「勝ちたい」という思いは他の人より強いのでしょう。チームメイトの中から抜け出したい、市総体を突破したい、もっと上手くなりたい、きちんと卓球を習ってみたい…。そう思えるような人にこそ、強くなってほしいと思いますし、私が出来ることは全てやってあげたいと思います。

 

 

そういう人を発掘する

私が通う学校を増やしたのは、「外で練習してでも勝ちたい!」と思える人を探すのも目的の一つでありました。

 

中には、抜け出したいと思っていてもそのチャンスがないために諦めてしまっている人もいます。そういう人の助けになるためには出会わなければ話が始まりません。

ですからこちらから学校に出向いて、私がどういう人間でどういう風に卓球を伝えるのか体験してもらって、「この人に教われるなら外でも練習してみたい!」と思って貰えればいいなと考えています。

 

私の中学・高校時代には、身近に救い上げてくれる人がいませんでした。カットを教えてくれる人はいなかったし、打つ場所もカットできるかどうかぎりぎりの狭さで、また片道1時間の通学時間がそもそも卓球に時間を割くことを許さない、そんな状況でした。

土日両方とも部活があるのは稀だったので、空いた日に自宅のそばで教えてくれる人がいたなら、今頃もっと簡単に勝てたんでしょうね…。

 

今思えば、当時私は誰かに助けてほしいと思っていました。誰もガイドしてくれる人がおらず、暗闇を手探りで彷徨っていました。おかげで何年棒に振ったか。

 

本当は過去に戻って自分を救いたいのです。それができないので代わりに…、というところはあります。だから自分で言うのもアレですけれど、私とマンツーマンで打てる人が羨ましい。逆の立場だったらいいのにとしばしば思います。

ガイドしてもらえるというのも魅力ですが、週に2時間であってもアドバイスを受けながらすべて自分の練習をさせてもらえる環境というのはなかなか得難いと思います。お金を払わなければ大抵、半分は相手の練習になりますから。

 

 

この先どうするか

現在通っている3校の内の1校で外部コーチ登録をしていますが、学校の枠に縛られたやり方からそろそろ別のやり方に移行する時期かなと感じています。

 

中学の部活と関わりだした頃は、卓球界のピラミッドの下層を引き上げればドミノ式に各層のレベルが上がっていって、結果日本トップの競技力が上がればいいと思っていました。ですから学校に行けば全体に等しく教えることに納得していました。

 

しかしながらやっていくうち、また私がコーチに出会って少しずつ賢くなるうちに、全体に等しくでは下層は引きあがらないことに気付き始めてしまいました。

たとえ少数でも下層の中から確かに抜け出す人を育てた方が、”ドミノ式”の思想の実現には近いと考えるようになったのです。

 

いくつかの学校に時々顔を出して、その中で抜け出そうとする生徒を発掘して外部で引き上げる、そういう形が私の望む形にはより近いなと、最近ではそう考えています。

 

公立中の学校練習だけでは強くなれません。

いや、強くなるところもあるけれど、それは軍隊の如く縛って練習量を増やし、結果満足度は低くなって卓球をやめていきます。それでは何の意味もありません。日本卓球界のレベルアップには繋がらないし、選手たちにとっても良い経験にはなりません。

 

大勢をまとめて引き上げることを目的とすれば、致し方ない手法かと思いますが、それを思い出として美化して「バカみたいに厳しかったけど、良く乗り切ったよね~」とは思ってもらいたくない。

「当時も楽しかったけど、今思えばあんなに良い経験はそうできるものじゃない、本当に卓球と出会って良かった。」と、そう思ってほしいのです。

 

もっと言えば、「あれだけ良いものだったから、私の子供にも卓球を試しにやらせてみよう」と思ってほしい。習い事や部活の選択肢として卓球が浮かぶようになってほしい。そういう願いもあります。

 

現在私と秘密練習をしているカット型の子が3年生となる来年度で、外部コーチ登録は最後になるかもしれません。少なくとも私にとって区切りはつくかな、と。その先その学校で登録を続けるか、フリーとなるかは来年度中に決めないといけないですね。

今の彼女と同じように定期的に外部練習する子が生じれば、登録は続くとは思いますが…。どうなることやら。

 

 

(おわり)