卓球と初心者指導(仮)

中学校の卓球部における指導について、主に考えていきます。

強打の成功率を上げるには ~シェイク裏裏Aさんの場合~

二年生でシェイク裏裏のAさんの卓球は、良い意味で教科書的と言えるスタイルです。どの技術にも目立った癖が無く、観る人が見れば「なるほどキレイな卓球だ」と感心するはずです。彼女は小学校一年生の頃嗜む程度に卓球を始め、5,6年生の期間に卓球スクールに通った経歴を持ちます。そこではバック表をコーチから勧められたそうですが、「変わったことはしたくないから断った」という王道志向の人物であり、性格はまっすぐ(やや頑固なところもあるかな?そういうところも好きですけれども)です。

真っ向からぶつかる彼女のプレースタイルはうまくいっている時には相手を徹底的に追い詰めることができますが、自身の調子に揺らぎが出た時に脆いスタイルでもあります。今回はそんなAさんの弱点を潰して良さを引き出すため、強打に注目して考えていきます。

 

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[プレー詳細]

サービスからの得点は水色、レシーブからの得点は赤色。

黒太字は浮いた球に対する強打のミス、青太字は低い下回転に対するドライブのミス。

 第1セット 11-9          第2セット 11-13

21、フォアミス計2点)        (24、フォアミス計6点)

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 第3セット 12-10          第4セット 11-8

20、フォアミス計1点)       (22、フォアミス計3点)

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各セット2本ずつの強打ミスの内1本ずつでも入れば、各セットの点数は実際の+2となりますから大きな違いになります。しかしその点数分以上に、精神的な安定を得られることがプレー全体へ好影響を与えるはずです。

強打が入る場合は自信が揺らがないのでよろしいのですが、状況が五分五分かやや相手側に傾いた時に強打をミスすると、精神的下降のスパイラルに飲み込まれてしまうことがしばしばあります。少しでも甘くなった球を100%に近い確率で叩き込むことができれば、彼女の卓球全体の良さが発揮されるはずです。

 

Aさんの強打成功の確率を上げるには

  1. スピードドライブの練習をする
  2. スマッシュの練習をする
  3. サーブの練習をする
  4. ツッツキを磨いてもっと打ちやすい球を作ることを目指す
  5. メンタルにテコ入れをする
  6. 用具をチェンジする

 

1,2→△

現時点で少し浮いて来る球は作れているのだからそれを打つことを繰り返して、打法そのものを向上させようという方針。巧く練習メニューを組めれば実現可能。ただし練習では思い切って打って行けることとAさんのスイングは完成していることから、成功率は現時点でも非常に高い。

 

3→△

サービス単体の練習をする時間は学校の練習中には非常に少ない。いかに課題練習の中でサービスの練習も同時にやっていくかが鍵を握る。

 

4→○

もっと簡単に打てる球を作り出せれば、緊張したり調子が上がり切っていなくても打ち込める。切る切らない、浅い深い、押し込む止める、少しコースをずらすなど、ツッツキの枠の中でできることの質を上げ、打開を図る。

 

5→○

結局は自信を持って思い切って打って行くことが一番大事。しかしその思い切りを殺すようなベンチワークが身近に存在しており、この障害がいつ立ちはだかるやも知れない。”メンタルが強い”というのは思考の仕方が勝負向きということ。どうやって思考パターンを変えていくかを考えないといけない。

 

6→◎

スイングは悪くない、思い切って打つこともできている、しかし強打のオーバーが目立つ。打球音を聞くと、インパクトは強いものの回転がかかり切らずに飛び出している。これは用具が硬すぎるのではなかろうか…。

 

というわけで、ここから用具チェンジの具体案について考えていきます。

 

用具を替えるとしたら

現在彼女の用具は、クリッパーウッドにF:ファスタークC1、B:ファスタークG1です。

フォアとバック逆ではないかと思われるかもしれませんが、彼女曰くバックは擦り打ちかミート主体だからと硬い方がやりやすいそうです。

 

用具変更の方針としては、

①ラケットをより柔らかくて球持ちの良いものに替える

②ラバーをシートが少し柔らかいものへ替える

の二択です。

ラケットを替えると打球感が大きく変わるのでできればラバーで調整する方が良いと思っています。

もう少しシートが柔らかいラバーに替えれば、現時点での試合中のインパクトでも回転がかかって台に収まるでしょう。

 

[候補メモ]

(参考)

(ファスタークC1:45°、ラクザ7より食い込みづらいシート(粒形状or硬さ))

(ヴェガヨーロッパ:42.5°、柔らかシート)

ラクザ7:45°~50°、重い

ラクザ7ソフト:スポンジ硬度37°~42°、これが最有力かなぁ…

ラクザXソフト:スポンジ硬度40°~45°、ラクザ7より食い込みづらいシート(ファスタークG1,C1よりシート自体は硬い可能性アリ)

GFT48:47.5°、ラクザより柔らかいシート

GFT45:45°、同上

 

取りあえず次回の練習で、私の手元にある二本ーラティカ+G1+C1、ウォルナットウッド+ラクザ7厚+7中厚ーを試打してもらおうと思います。その後聞き取りと相談をして、①と②どちらの選択肢を採るか判断していきます。②を採るならAさんはサブラケットを持っているので、そちらにいろいろと貼って試してもらうことができますので安心ではあります。

本人からはファスタークS1はどうかとの発言がありましたが、S1では前方へもっと飛び出してしまうのではないかしらと思って聞いていました。

 

ファスタークC1より少し食い込みが良い、あるいは優しい力で回転がかかるラバーを探しています。本人のプレーを観ていないから何とも言えないというお気持ちは承知の上で、「こんなラバーどう?」というアイデアございましたらお知らせいただけると嬉しいです。

 

 

(おわり)