午前中に友人と練習し、午後からもう一人友人を連れて中学校の練習へ。彼のラケットはキョウヒョウ晧なので友人Hとしておきます。
順番に意味はありません。 今回は思考を吐き出すメモのため、常体です。
[my前陣異質用ラケット]
アペルグレンオールプレイ中国式+ファントム0012∞+ラクザ7ソフト中厚。
用具グッズ2017にて攻守のバランスが優れていると評価されたファントム0012を購入。0012がOX、0013がスポンジアリというよく分からない区別がされている。
前回の練習で三年生の前陣異質二人の用具―カールP1OXとカールP3αOX―を触ったところ、両方とも弾み方が不規則で一本目のロングボールを返すのにも一苦労。二年生の前陣異質二人の用具―カールP3α特薄―と比べて非常に扱いが難しかったためにOXに対する不安があったけれど、ファントム0012は本当に使いやすいと感じた。弾み方にバラつきが無く、何よりフォアハンドの攻撃がしやすい。(ただしこれはラケットが新しいことによる弾みの均一性の影響かも。)ペン表特有のコンパクトスイングをイメージして振ると入っていく。速度も十分。カット性ブロックのキレはカールP1OXやP3αOXに劣る感じはするが、私が使った限りではどの技術にも大きな難がなさそう。練習の最後に前陣異質の三年生Aさんに触ってもらったところ、一本目のラリーからフォアでの打球が安定。とくに緩い球に対して安定するのが嬉しい。「こっちのほうがいい!」という声をいただき、さすがペン粒トップ層がバランスの良さを評価するだけあるなと。実際には使い込んでいくと弱点も見えてくるはずだが、フォアでの処理は明らかに安定している。「二年生のペン粒にはこれがいいんじゃないですか」との意見がAさんから飛び出した。おっ!
[カット型になろうとする経験者の一年生に確認]
小学校5,6年の頃に卓球スクールに通っていた一年生のBさん。顧問の先生が「攻撃のできるカット型にさせたい」とのことで私から一応カット型の試合映像を渡し、この映像を観てカット型面白そうと思えたなら挑戦してもいいと思う、そうでなければ私から先生にストップをかけるからねと伝えていました。本日の練習でカットの練習をさせられていたので、2,3年生の相手をしながらどうかなぁと遠目より見ていました。練習終わりに「カット、どう?やってけそう?」と尋ねたところ、ニコッとして「はい」とのこと。今後もし辛くなったら言ってね、と伝えてお喋り終わり。笑顔だからと安心してはいけない、本当のところは目に見えない。彼女は入部2か月でもう精神的に参り始めている、要観察。
[SKカーボン]
SK7を使っていた二年生のCさん、SKカーボンを卓球スクールのコーチから勧められて一時期試したがカーボン特有の飛び出しが合わずSK7に戻し、また最近SKカーボンに乗り換えていたが今日またSK7に戻っていた。彼女の優れたところは、体重の乗った回転量の多い重いドライブと、体重を乗せきることでラバーを超えてラケットにまでぶつけるような豪速のスマッシュ。「SKカーボンにロゼナではなくSK7にロゼナを貼ったらいい感じになるんじゃないか、と僕は思うよ」と伝える。やはりSK7の方がタマカカーボン入りよりは球を持つため、ドライブは重くなる。SKカーボンでは体重を乗せ切る前に弾が飛び出してしまう。ラケットが軽いことも、彼女の良さを抑えてしまうように感じる。
中学始めの一年生にも、SKカーボンの使用者が数名いる。先生が選んだと思われるが、初心者が使うラケットではない。小学生から卓球スクールで習い続けていて回転をかけることに長けたCさんでさえ扱いきれないのだから、初心者が回転をかける感覚を身に付けられるはずがない。ラケット単体の重量が軽すぎて、女子中学生とは言っても扱いづらさがある。ある程度の重さが無いと簡単に面が狂う、球に押される。両面にスピン系テンション特厚を貼る場合を除き、このラケットを使うべきではない。軽いからと言って初心者に勧めるなどもってのほか。
[中ペンいろいろ]
練習後食事をし、その後で中ペンの友人に↓の卓球レポートを読んでもらいながら、中ペン含め攻撃型の戦術の組み立てについて教えてもらった。卓球用品を広く扱うお店に、この号だけが数冊残っていて察し。中ペン少ないもんなぁ…;;
○順横系サービスのコースのお話
相手のバックに順横系を出せば、レシーブはバックに返ってきやすいというのは回転の向きを考えれば分かるし有名な話だ。これに加えてバックへの順横系は、フォアサイドに返球されてもストレートコースになるためフォアサイドを切っていくような角度は付かない。だからフォアハンドで攻撃したい場合は順横系を出して回り込む準備をしておけば、そこからフォアにレシーブされても飛びつきで対応できるし、フォアとバックのどちらに返球されてもフォアハンドを振っていける。また、ペンはシェイクに比べてシュートドライブが決定打になりやすい(グリップの性質上、シュートを放ちやすい)ため、バックからクロスに返球されたものをシュートでガツンと叩き込むのはやりやすいとのこと。ペンだけでなく、シェイクのフォアハンド優位の選手はバックへの順横から三球目攻撃を仕掛けるのが”鉄板”なのだと学んだ。
地区総体の団体で中ペンの選手のベンチに入った。相手は左利き。「相手のバックにサービスを出せば打たれることはないからそこから打って行ったらいいんじゃない?」とアドバイスしたが打ちにくそうにしており、相手のフォアに順横を出して攻撃していくパターンへとすぐに選手本人が修正をかけた。実力差があったために勝敗に響くことはなかったし、選手自信による修正があったので問題は生じなかったが、「クロスに出してからの方が打ちやすかったんだね、ごめんね。でも君は自分で気づいて修正掛けてくれたよね。」と試合終了後に声をかけた。こういうことがあり、中ペンの友人に話したところ上記のような順横をクロスに出すことのカラクリを教えてもらった。高校からカット型としてやってきてそういうことを知らないまま来てしまったので、攻撃型の組み立てについては彼から今後も教わらないといけない。それによって、私自身の攻撃パターンも増えていくはず。
○順横系と逆横系
逆横系のサービスを例えばフォア前に出すとする。この時相手のレシーブは、フォアサイドを切るコースからバックへのストレートの範囲に飛んでくる。となるとフォアハンドで回り込むことはリスクが高い。だからバックハンドで攻撃したい人が、逆横系を多用する。中ペンで言えば王晧は台の中央付近からフォアサイドに侵入していくような巻き込みを多用していたが、あれはバックに返球されれば世界最高峰の裏面打法が炸裂し、フォアに返球されてもガツンとフォアハンドを付て行けるから出しているということ。なるほど確かに、裏面打法を使うもののフォア優位の馬琳は順横の割合の方が高く、フォアハンドで仕掛けていく。
他に世界トップの男子選手で逆横系を多用すると言えば、張継科・Dimitrij Ovtcharov・樊振東・Timo Boll。先の三名はイカれたバックハンドを振り回すし、Bollも両ハンドに隙が無く「バックにレシーブ?どうぞどうぞ!」といった感じ。この四名を思い浮かべると、確かに回り込んでフォアでぶち抜く三球目は0ではないはずだけれど想起されない。(Ovtcharovはちょっと別世界の生き物だね、なんて話もあったけれど)
圧倒的なフォアハンドを持つ選手を思い出してみると、馬龍・柳承敏は順横がほとんどだし、朱世赫・陳衛星のようなバックハンドを振り回せない選手は順横系から仕掛けていることが多い。陳衛星は特にそれが顕著で、ほぼ100%順横系サービスである。
○日ペンと中ペン
友人Hは日ペンと中ペン両方を経験しており、ここ4,5年は中ペン一筋の男。彼によれば日ペンの一つの弱点?として、フォアハンドを振った後にフォアミドルを突かれると、振り切った状態からもう一度テイクバックを取ってスイングする他ないことがあると言う。一方で中ペンであれば、フォアハンドの後のフォアミドルを裏面打法で処理する選択肢が採れる。スイングを考えると、フォアハンドを振った後にラケットは顔のそばにあり、そこから下におろすだけで裏面打法のテイクバックを取ることができる。もちろん甘い球であればフォアハンドでもう一度ぶち込むこともできる。時間的に余裕がない時に取れる選択肢があることが中ペンの大きな優位性だと学んだ。(もちろん日ペンの方が軽いから一発の威力が出るとかそういう長所もあるけれど)
[ベンチワークを評価]
友人Hに、最近の大会で撮影した映像をいくつか観てもらっていた。その内の一つに、バック表の選手Cさんの試合があった。1セット目、相手のバックハンドロングサービスをなかなか返せないままセットを取られ、それを見た友人Hは「このままあれが返らないとやられるな…」と思ったと言う。しかしセット間に私が話す声が入っており、「何を言っているかまでは聞き取れなかったけど、『これは勝った』と思ったよ」と褒められた。確かにそのサーブを返せるよう私がしたアドバイスは効果を発揮したと思う。バック深くに飛んでくるので、バックハンドを普段よりもう少しだけ「ねじる」ようにして返してごらんと伝えた。総合力ではCさんの方が大きく上回っており、レシーブが入りさえすれば失点することはなく、勝利した。誰もベンチにいない、あるいは先生がベンチ入りしていたら負けていただろうねと友人H。Cさんがどう感じたかは分からないが、この試合は今までベンチ入りしたすべての試合の中で一番、ベンチマジックのパワーを発揮できたと感じた。こういうのを少しで良いから、誰かに褒めてほしかったので嬉しかった。選手からも、感謝の言葉よりは褒める言葉が欲しい…。年齢とか立場上、彼らが私を褒めることは発生しづらいと分かっているのだけれども。
[二年生エースさんのラバー]
ファスタークのシートと彼女のフォアドライブが合っていないなぁというところで、ラバー試打を考えている。Dさんに県総体と自分の卓球どちらを優先してもいいんだよという話をし、試すなら県総体が終わった後にしたいということで了解。それまでにこちらもいろいろと準備しておかないといけない。私が月に数回一緒に練習するあるレッスンプロに話したところ、スピードドライブならラクザ9がいいんじゃないか、ラクザ7もありかも、ただし9も7も重い、ラクザ7は軽いからありかもしれない柔らかすぎるかも、軽いし球持つしロゼナいいんじゃないか、というアドバイスを頂いた。
ある程度スイングできる男子小学生、女子中学生のフォアハンドにロゼナは良さそう。そのレッスンプロは三年生のエースを教えており、彼女のフォア面も最近ロゼナに替わった。また、学区内の卓球スクールに通う生徒の内二人のフォア面がロゼナに。そこのコーチもロゼナが合うと判断しているらしい。ラクザより価格が高いのには納得できないが、ファスタークC1よりはお安いのでまぁ…。
[他校のエースEさんが練習参加]
市内の他校のエースEさんが練習に参加。私はずっと彼女と打ってみたいと思っていたので、個人的にとても嬉しかった。その学校で彼女だけが、県総体に進んだはず。Eさんのお父さんが経験者で、小学校の頃からお父さんに指導を受けてきた実力者ですが、そのお父さんは練習中にちょっとしたミスを責め立てる人だと別の保護者の方から伺いました。当然、試合に負けても怒られる。本人は卓球が好きだけれど、そういうのが辛すぎて高校では卓球を続けるつもりが無いとか。あぁ…
そういう先入観があるからかもしれないけれど、練習しながら様子を見ているとちょっとしたミスにも過剰に声を出しているように思う。いつも怒られているから反省しているような素振りをするというか、そんな感じがする。君には君らしく卓球する自由があるんだよ…;;
恐らく来週の休日練習にも参加するはず。「君と打てて嬉しかった」ときちんと伝えたい。
[保護者の方の差し入れ]
三年生二人のお母さんがいらして、飲み物や冷たいタオルを差し入れてくださった。体温が上がりっぱなしになる私にとっては天の恵み、ありがてぇッ…!!
先生が暴走するのを防ぐ意味も込めて、時々保護者の方に部活を参観してもらうのもいいなぁ…なんて思ったり。今までにも何度かそういう機会があり、良い感じだなぁと思っていた。
[カット型二人の攻撃力]
二人とも、浮いたボールに対して打って行けるようになってきた。Fさんは成長・吸収が速いためかなり精度が上がってきて、連打もできる。Gさんは大器晩成型であり、圧倒的なノビシロを感じる。成長曲線は初めは緩やかだったものの今年度に入ってぐーんと伸び、浮いた下回転に対してアタックすることはできるようになってきた。高校で続ければ化ける。君たちの可能性は、まだまだこれからなんだぜ…?
[来校者の話まとめ]
私も含め、外部から訪れた人たちのお話で記憶に残っているものをメモ。
○選手は孤独
応援やベンチがいても試合中には選手は一人で戦わなければいけない。
応援したりベンチにいると、「大丈夫」と声をかけたくなる場面があると思う。選手が前向きにやれている時には問題にならないが、これが選手にとってマイナスになることがある。それは選手がミスをして、あれっ…?と不安になり始めている時。そんな時に「大丈夫だよ!」と言われても、「いや、だってミスしてるし、大丈夫じゃないじゃん!」と思ってしまう。本当は選手一人一人に合った声掛けが、私も皆さんも含めてできればいいのだけれどなかなか難しい。となると、選手本人が心を折らないようになんとか気を繋がねばならない。ミスをしても「いやいや、まだ終わってない。やるんだ。」と、自分が折れないようにやっていけると良い。
○優勝というのはすごいこと
市総体、地区総体で団体優勝。これはすごいこと。例えどんなに規模が小さくても、レベルが低くても、大会で優勝というのはすごいこと。それをきちんと認識して、自信を持ってほしい。
○失点してもいい、セットを落としてもいい
失点を2,3点に抑えてセットを取っても、11-9で取っても同じ1セット。セットも同じ、団体も同じ。2セット落としても先に3セット取ればいいし、2本取られても3本取ればいい。
(おわり)