たまには用具のお話

世間話的なものと、個人的な用具チェンジのあれこれなど。

 

KVUの後続モデル発売か

ニッタクの秋の新製品が発表されまして、来ましたね。タリアン。

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●打球感:ソフト
●スピード:ミッドスロー
●板厚:6.1mm
●重量:85±g
●木材5枚+2 ケプラー
●ブレードサイズ:166×156mm
●グリップサイズ:FL100×24.5mm, ST100×24mm

 

KVUは…

●打球感:ソフト
●スピード:ミッドスロー
●板厚:6.1mm
●重量:85±g
●木材5枚+2 ケプラー
●ブレードサイズ:166×156mm
●グリップサイズ:FL102×25mm, ST102×22mm
□スーパーコア

 

写真を見た感じでは上板はコトで変わらずと思われますね。

内側の木材は分かりませんが…。

 

KVUからの変更点はスーパーコアでなくなったこと、グリップサイズが長さも幅も微減したことでしょうか。

 

プラボール対応を謳ってもっと大きな変更があるのかなと思いましたけれど、ブレード形状は全く同じということですね。

スーパーコアを取りやめた代わり?にグリップサイズを落として、少しでも重心が先端寄りになるようにしたのか、それとも他に理由があるのか。

いずれにしろ、これがどれくらい差異を生んでいるかが気になります。重心みたいな目に見えない部分は身体が敏感に感じますので…。

 

とまぁ若干の変更はありますがKVUが杯盤になって困り果てていた人たちにとっては朗報です。やっぱり問い合わせがある程度あったのかもしれませんね。

 

 

ワタクシの用具あれこれ

あれほどKVUを好んでいた私ですけれども、8月頃からティルナを試しています。

特に重量指定をせず購入し、届いた個体は平均が90g±,5.6mmに対して86gの5.1mm。「あら、ずいぶん軽いなぁ」と少し気になりましたが、初めてのティルナなので違和感は感じないわけですね。

KVUから1mm近く板厚が減るので随分と感覚が変わるだろうなと心配しましたが、すぐに馴染みました。やはり上板がコトであることが効いているのでしょうか。

弾みが落ちて打球感はカット用らしくボコボコとした感じになってしまいましたが、フォアもバックもカットがゆっくり飛ぶので大変満足。KVUではかなり気を使っていたバック粒でのツッツキも、タマモチがグンと上がってコントロールが容易になりました。

8月~9月中旬頃までは、F:ライガン厚、B:カールP1Rトクウスで使用しておりました。フォアが柔らかいことも粒のツッツキで持つ感覚が増した一因と思います。

 

このライガン、カット型にも向いていると思います。ヴェガヨーロッパは価格帯や性能において近いところがあると思いますが、テンションにより勝手に飛び出すのとドライブが前に飛ぶのでカット型にはライガンの方がよろしいなと。特にヴェガヨーロッパのツッツキはビョンッと飛び出してしまうので気を遣うんですね。

当然ラクザ7に比べると回転量の上限は低いのですけれど、全体としてバランスが良くやりづらい技術がないという印象です。なるほど、マークVを現代風にアレンジするとこんな感じかなと。

 

 

ラクザ7からライガンにチェンジしたのはいくつか理由がありまして。

まずは攻撃の練習をするのに、私にはまだラクザ7では硬すぎるなと感じたからです。柔らかめの個体に当たればまだしも、硬めの個体を引いたときや冬になって気温が下がると硬くてかける前に落ちるなと。上回転系の感覚を醸成するために一旦、技術レベルに合ったラバーを使おうと考えました。

カットやツッツキに関してはドライブよりよほど感覚があるのでラクザ7でも良かったのですけれど、新しいラバーに替えた直後は飛んでしまって厳しいなと。こういう時、ドライブはしやすいんですよね。ガッと食い込んでボールが伸びていくような感じがしまして。

攻撃もカットもお上手にできれば違うのかもしれませんけれど、カットとドライブってラバーの使い方ですとか回転の掛け方、飛ばし方が違いますのでその辺が難しいですよね、カット型の用具ってのは。片や抑えて片や飛ばさないといけないんですからね。しかも回転の向きは逆、スイングも逆。ドライブ主戦で言うところのドライブ・ブロック・カウンター…みたいな連続感はないですよね。

 

 

ライガンは最近中学生に使っている子が多くて、人のを借りてカットのお手本をしたところ大変感じが良かったので興味があったんですね。それに自分が使ってみないと人には勧められないな、ということで使ってみました。不安定な技術を練習したい期間には適したラバーと思います。

 

 

そしてキョウヒョウへ…

9月下旬から、フォア面に硬度41、2.15mmのキョウヒョウNEO3を試しています。

ライガンでしばらくドライブの練習をして、少しずつドライブのスイングや足の動きの感覚が出来てきまして。しかしながら最初の内は笑えるほど進歩がありませんで。

高校以降カットの練習ばかりでドライブは置き去りになっていたところがありましたのでこんなものなのかなぁと思いつつめげずに練習して、ラバーに食い込ませて軌道を作れるようにもなってきたかな…と思いつつ、いやいやそれにしても上達が遅すぎやしないかと。私は自分の運動能力は高いとは決して思いませんけれども、トップ選手の試合はひたすら観ておりますのでイメージがないわけではないんですね。それを考慮すると、もう少し大きく変身できてもいいんじゃないかしらと。

 

そんなとき、中学生の頃に粘着ラバーを使っていたことをふと思い出しまして。当時はボールがラバーにくっついて持ち上がる様が面白くて、性能がどうとかではなくそれだけで貼っていたんですね。

粘着ラバーを初心者の頃に使った影響で、ドライブに力みがあり下から上に擦るドライブしかできなくなっていたんですね。最近までそれは悪いことと考えていて、その癖を直そう直そうと苦心してきました。でもなかなか食い込ませる感覚がしっくりこなくて…。ですから粘着ラバーを使ったことは失敗だったと非常に後悔してきたのですけれども、ドライブを練習してスピードドライブの芽が出始めたかな…?くらいになってきたときふと思ったんですね。

 

「このスピードドライブを磨いたとして、試合でどれだけ得点出来るのか」と。

 

Joo se hyuk大先生への憧れが非常に強く、理想はカットに対する甘いツッツキに対して前に走りこみながらスピードドライブでぶち抜く…なんですけれども。こりゃムリダナと。もちろん練習してマシにはなってきましたけれども、この先続けていったところで得点源にはならんなと。カット用ラケットで私程度の者がスピードドライブを打ったところでその威力はたかが知れています。むしろブロックしやすい球が行くだけで自分の首を絞めるだけだろうなと。

 

となると上回転系は激ループとそこからのスマッシュ、この二つを軸にすべきだなと。女子のカット型はまさにそうしてますよね、ハシモトホノカですとかサトウヒトミなど。彼らの中国選手との試合を観ていますと、ドライブでは一向に打ち抜けず点数にならない一方で、開き直ってスマッシュを多用しだした瞬間決まりだすんですね。あぁカットからのスマッシュはとりづらいんだなぁと感心しましたね。

 

とにかく回転を強く掛けるだけのループドライブには自信がありましたので、思い切って中国ラバーを試してみることにしました。ではどのラバーを…と考えた時にハシモトホノカ選手が使用しているということと、ただでさえ粘着は飛ばないのにカット用ラケットに合わせるわけですから一番弾むものがいいなということで、NEO3にしてみました。(橋本選手使用のものはブルースポンジなのでもはや別物ですが…)

 

 

キョウヒョウ自体には大満足、しかし

キョウヒョウを使って良いと感じたところを書き出してみます。もういいところだらけです。

  • カットの回転量がテンションの比ではない。そもそも回転を掛けないとまるで飛ばないので、コートに収めようとするだけで切れる。
  • ナックルカットがしやすい。切るカットと同じようなスイングでぶつけるだけなのはこれまでと同じだが、ラクザ7やライガンに比べて回転差がはっきりしかつ軌道が似ているので効く。こんなに変化が付けやすいとは思わなかった。テンションはキョウヒョウに比べればシートが柔らかい分、ぶつけても勝手にかかってしまうことがあった。
  • スマッシュに対するカットがしやすい。硬くて勝手に飛び出さないのでカツン!と当てると低くて切れたカットが行く。これまでは浮いたり飛びすぎたりだったが、なんてラクチン!
  • カットがゆっくり飛ぶ。回転で飛ばすので自然と球速はゆっくりしたものになる。これはいいぞぉ!
  • ループドライブの回転量が激増。フッと合わせただけのブロックではオーバーさせることが出来る。相手のバックサイドに激ループできればカウンターされづらいはず。
  • 下回転打ちがしやすい。下回転を上げるのが楽で、長くくっつく感覚があるので今の私の技術レベルでさえドライブの高さを調整しやすいと感じる。そら東京選手権に出るレベルならネットすれすれでループ連発できるわなぁ。
  • 身体をきちんと使わないとボールが飛んでいかないので、自然とスイングが大胆になり足の動きが大きくなる。良い意味でさぼれなくなって良い。
  • サービスの切る切らないがやりやすい。勝手に飛び出さないのでミスを連発していた順横系フォアハンドサービスのコントロールが効くようになってきた。しかも切る感覚が分かる。
  • 思っていたよりスマッシュがしやすい。勝手に飛び出さない分思い切りブチ当てられるので、当たった瞬間に入る入らないが分かりやすい。
  • スマッシュに限らず、対上回転のドライブも打球点や力を入れるタイミングがずれると全然飛んでいかないので、揃うように矯正されていく。
  • ドライブが取りづらいと言われる。飛び出し方、軌道、回転量が独特で合わないことが多いらしい。
  • フォア前のナックル・横に対してレシーブでガツンと切れる。

 

本当に驚いたのはカットの切る切らないのしやすさと、下回転を一発で持っていくドライブですね。ループドライブについては回転量には驚きましたが、これまで下回転を一発で持っていくような前に飛んでいくドライブはまるで出来なかったので、たまげました。

当たる瞬間に一番力が入るようにしてカッと当てるとまぁ~ボールが行くこと。もちろん擦ることで引っ張って持っていくこともできました。キョウヒョウに替えて最初の練習で、これほど下回転打ちが入るようになるのかと感動しましたね。これまでの人生でこんなに3球目攻撃が成功したことはないぞと。

 

中学当時はドライブを教わることはなかったのですが、知らず知らずのうちに粘着ラバー用の打ち方になっていたんですね。これまで失敗と思っていた中学時代がここへ来て成功へと変身しました。

 

 

…とここまでは夢のようなラバーですが、やはり何点か難しくなった部分がありました。そのうちの1つを除いては、慣れやフォーム改造、戦術の変更で対応できそうです。まずはそれらの、解消できそうなものを挙げます。

  • カットからのツッツキがまるで飛ばない。特に台から出て打点を落とすツッツキと、ネット際へのストップに対するツッツキ。きちんとスイングしないと ネットに届くかすら危うい。(→スイングをする意識を持つことで解消を目指す。スイングしても飛ばない分、ツッツキの切る切らないは断然やりやすくなったというメリットも同時にアリ。)
  • 浅くて緩いドライブに対するカーブロングが伸びない。これまでは当てるだけで相手の回転により相手コートで変化したが、キョウヒョウでは当てるだけだと相手コートで失速してただのチャンスボールになる。(→カーブロングをする際には、少し回転をかけるように当てることで解消を目指す。浅くて緩いドライブを見逃さず狙い打てるようになれば使う必要自体がなくなるので、そういう練習もしていく。)
  • これまで最大の武器であった反転バックツッツキでの得点率が激減。ツッツキの球速が落ちて刺すような軌道も失われたため、切っても待たれて強打されがちに。これは参った…。(→ただ切るだけの反転ツッツキは卒業。高さとコース取りを重視し、サイドスピンツッツキも多用していく。ツッツキ単体ではなく別の技術と組み合わせて得点を目指す。得点源をツッツキに求められなくなることで、カットからの攻撃やカットの変化を重視せざるを得ないのでそれはそれで良いことかなとも。)

この辺はまぁ、どうにでもなるなと。正直ツッツキの大幅な減速はショックですが、そんなことが吹き飛ぶくらいの大問題が発生。

 

 

バックの粒高に異変

フォア面が急激に硬くなったことにより、粒高がまるで倒れなくなってしまいました。このことで生じるのは、カットのコントロール性の低下とツッツキの滑り・浮き。特にツッツキで粒が倒れないことは致命的で、バックでのツッツキがほぼチャンスボールになってしまう状態です。浮かないようにスイングを大きく速くして引っ張ろうとするのですが、飛びすぎたりネットを越えなかったりと完全にコントロールを失いました。慣れで解決できる範疇を超えています。ツッツキの度に全神経を集中させること自体が問題なのに、そうやって細心の注意を払って「これはちゃんとツッツキできただろ~」と思っても激甘になってしまうことが多発。

 

もうね、ぜんぜんわかんない!そういう心境です。

 

切れないのは元から切れないので構わないのですけれど、ボールの下を擦ってツッツキに見える軌道を作れないことは大問題。浮き上がりを考慮して少し面を立てて前にスイングすることも試してみましたが、低くは入れられるものの狙ってくださいと言わんばかりの分かりやすい棒球。これはいけません…。

これはフォア面に合わせてバックもチェンジだなと、そういうレベル。カールP1は最高の粒高なのに…;;

 

トクウスからウスにして球持ちを上げるか、P1に似ていて少し粒が倒れやすいと聞くオクトパスの0.5mmで行くかのどちらかかなと。

とりあえずオクトパスを注文しました。届くまでにP1ウスを試してみるつもりですが、どうなることやら…

 

フォア面はもう「来たなコレ!」って感じなんですけどもね。バック面の変更で万事丸く収まることを願うばかりです。

 

 

うーん、長い!

 

(おわり)