卓球と技術のソノサキ

中学卓球部における指導と自分の成長記録の二つがメインです。

勝ちを目指すチーム ①

地区の新人戦が終わりました。

結果だけ見れば団体は優勝して県へと進むわけですが、このままではいけないと感じています。

 

 

次の試合より応援を優先するチーム

団体の決勝戦前、決勝で当たるであろう2チームが試合をしています。これと同時に体育館の反対側で、同校の男子チーム5番手が試合をしていました。

この時女子チームのレギュラーたちがとった行動は、その後当たる相手に背を向けての男子チームの応援でした。

 

「まーた先生に言われてやっているのかな」と思い本人たちに確認すると、自主的な行動だとのこと。応援しようという気持ちは立派と思いますが、”チームとして勝つ”ための行動としては間違っていると感じました。

 

そこで私はダブルスとして団体戦を戦う2人を連れ出し、ライバル校のダブルスを観戦しながら戦略を整理することにしました。

 

 

下準備の成果

ダブルスを連れ出したのには、

  • 私のレッスンを受けている選手であること
  • 私の前で「勝ちたい」と口に出したことがあること
  • ダブルスはシングルスと違い、当たる相手が固定的であること

という理由があります。

 

ライバル校のダブルスと試合しているのがちょうど我が校のダブルスに近い組み合わせでしたので、サービス・レシーブ・ラリーで良い展開をそのままイメージとして取り込むことができたようです。さらに我々3人で「セット序盤はこう、終盤はこう。全体としてこういう方針でいこう。」と認識を共有しました。

 

その甲斐あってか1セット目は非常に展開が良く、落ち着いてプレーし序盤はトントンで進みながらも10-5に。しかしここから強打のミスが続き、なんとか11-8で逃げ切りました。ところがこの辺りから崩壊が始まっていて、2セット目は難しいボールを強打しに行って失点したり力が入ってミスが出たりとセットを落とします。

「試合前に観たダブルスの試合と1セット目の展開を思い出しながらやってみよう。正確に繋いで浅く浮いたボールだけ強く打ちなさい。」と伝えます。選手もその方針を理解しやろうとしているのが分かりますが、ダブルスの練習をしていないことによる動きの難しさや強打のミスや些細なミスで1セットを落としていることからの自身の喪失によって流れが変わりません。この3セット目の中盤辺りから片方の選手の目には涙が。内心、「これはまずいぞ、方針は悪くないけれど心が折れたら終わりだ…」と焦りました。そのままカウント1-2に。

 

ベンチに戻った二人はもう、この世の終わりみたいな顔をしているわけです。片や泣いちゃってるし。なんとか気持ちを繋ぎ留めないといけないという思いから、普段は体に触れることはしないのですけれど、泣いた彼女の左肩に触れた状態で以下のようなことを伝えました。

あなたがフォアで繋いだボールはカット型が取りづらいボールだから、「この繋ぎは効いているんだ!」と自信を持ちなさい。カット型の僕が言うんだから間違いない。それに実際、相手のカットは何度もネットミスになるから、正確に繋いでもし浅くて高いボールが来たら思い切って打ちなさい。僕との練習であれだけ繋げたんだからできる。

精神状態に大きくリカバリーをかけることはできませんでしたが、なんとか折れない状態に保つことはできたようです。

 

第4セットは2-2まで行ってそこから2-4に。ここから2本相手サービスだったので、「なんとか3-5にしてくれ!」と祈ってタイムアウトは我慢。3-4になり3-5になったところでタイムアウトを取りました。

相手のレシーブがふわりと浮くとかえってリスクが高い場面なので、下回転サービスを出してそこからツッツキと乗せ打ちでつなぐこと、ボールはゆっくりで良いので足をたくさん動かしてラリーを長くすること、乗せ打ちは効いているから自信を持つことなどと確認。

 

直後の1本は強打がネットに直行して3-6。そこから正確に繋いで7-6まで持っていき、11-8でセットを取って2-2としました。3-5,3-6と苦しい状況からよく持ち直したと称え、今まで繰り返し確認してきた方針を確認し、励まして送り出しました。

 

最終セットは第3,4セットからはだいぶ精神的に持ち直した様子でプレーし、5-3でチェンジコートし6-3、この辺りから3点以上のリードを維持したまま11-6で勝利しました。

 

事前に相手のプレーを観て方針を決めて臨んでギリギリの勝利ですから、それなしで臨んでいたら1セット目を取れたかどうか分からず、恐らく敗れていたのではなかろうかと思います。

事前の準備が功を奏した一例です。

 

 

ダブルスがチームを救ったことに気付いているか

団体としては1,2番のシングルスが勝ってダブルスも勝ったので数字だけ見れば3-0ですが、このダブルスが敗れていたら2-3になっていた可能性があります。

5番手の選手は県カデットにも出場したカット型ですが正確に繋げる相手に勝つことはまだ難しく、ダブルスが終わる前に0-3で敗れています。4番手は私のレッスンを受けているカット型の選手ですが、相手のカット型は対策をしてきており0-1に。アドバイスが効いて1-1になりましたし彼女なら勝ち切るだろうと思ってはいましたが、ダブルスのカウントを気にして覗き込みに来ており不安はある様子でした。

もしダブルスが負けていたら4番の彼女にも多少の影響が及ぶはずで、そういうことまで考えると「そら見たことか、下準備をしていなかったらどうなっていたか!」と思わずにはいられませんでした。

 

ダブルスに助けられたことを、チームメイトたちは認識しているのだろうかと疑問に思います。

 

 

 

(↓へつづく)