先日、中学生たちが県外の大会に参加しまして、それに監督代行として同行しました。
半分日記のようなスタンスで、その日気付いたこと、考えたことをつらつらと書いていこうと思います。
※便宜上、私の在住県をX県、大会会場のある県をZ県とします。
その地域の文化
X県での大会にも何度か同行していますが、県内ではあまり見られないものがいくつかありました。
1. スコート型タイプのユニフォームが多い
女子選手を見ていると、その県の選手の半数以上がスコートタイプでした。
X県では見たことがありませんでしたので少し驚きました。
我が校の女子選手に、「ああいうスコートみたいなユニフォームはどう?」と尋ねてみました。
すると、嫌です~><;との回答が。
それ以上はつっこまなかったのですが、私が女子中学生だったとしたらスコートの裾が捲れることが気になって試合に集中しづらいと思います。もちろん捲れても問題ない設計になっているはずですが、それでもやはりいい気持ちはしませんね。
2. ネット、エッジによる得点でラケットを置いて礼をする
適度なマナーがスポーツをより良いものにすることは否定しませんが、これは過剰だと思います。確信的に狙えるわけではない以上、「謝罪」のような形式をとることには違和感があります。
字面だと煽りのように見えかねませんが、中学生がやっているその様子を見ていて嫌な気分にはなりませんでした。素直に先生に言われたことに従っているだけ、あるいは他の選手がやっていることを真似ているだけだと思われました。
これは選手がどうこうではなく指導者、あるいは地域全体の慣習に問題があります。
先輩が、地域の学校がみんなそうしているから選手たちは違和感を抱くことなく行動するわけです。学校の先生たちで共通の決定をし、適切なものにすることはできないのでしょうかね…。
同じようなことはX県でも言えて、相手のサーブミスに対して通常の得点と同様にヨー!と声を上げるのが目に付きます。これについては一度生徒たちに話したのですが、今大会でも以前と変わらぬ様子で声を上げておりました。うーむ。
ただ、大会会場が県外とは言え我が校から近いために、Z県の生徒たちも同様に行動していました。お互いに同じ文化を共有して違和感なくやれているなら、大きな問題は生じないですね。
そうは言っても私は、卓球をする者として卓球界のスタンダードを知ってほしいなとも思うのですがね…。
3. 穏やかな監督が多い
これは気のせいかもしれませんし、たまたま参加した学校の監督たちがそうだっただけなのかもしれません。
少なくともその会場にいた女子チームの監督で、怒鳴るような人はいませんでした。
穏やかなら何でもいいとは言いませんが、生徒のやる気や盛り上がりよりも監督やコーチが先に行ってしまうのはおかしいと思います。
なお男子チームで怒鳴っている監督が、ちょうど私のいる後ろにいまして…^^;
「簡単に勝とうなんて思うんじゃねーぞぉ!」だとか、「泥臭く行け、泥臭くぅ!」
などと叫んでおりました。
背にしている状態なので選手の様子を見てはいませんが、どうなのでしょうね。
その学校の選手に適した声かけであることを願うばかりです。
ユニフォームの袖
我が校の選手の一人(Aさんとします)が、試合中にユニフォームの袖をたくし上げているのを見つけました。その時はあまり深く考えず、「気合が入っているのかな」くらいに思いました。
しかし撮影した試合の映像を見返すと、プレーごとに裾をたくし上げています。
気合が入っていたからではなく、袖が肘の内側に触れて邪魔だったのです。
我が校の今のユニフォームは袖が長めのタイプで、そこに身体が小さいことが重なって袖が肘の内側まで届いているのでした。他の選手の映像を観ていると、Aさん以外にも袖を気にしてたくし上げる選手がいることに気付きました。
次に練習に訪れた時には、袖を折って安全ピンで留める処置を提案しようと思います。
審判長が見苦しいと判断しない限りは、ルール上問題ないようなので。
サーブの進化
新たに二人、フォアサーブの下とナックルを近いフォームから出せるようになっていました。聞いてみると、使い分けも自在のようです。
外部で教わっている子は当然使い分けていますが、この二人は部活だけで卓球しています。先生から「下に見えるようなナックルサーブをしなさい」と言われ、具体的なやり方は指導されずにマスターしたそうです。
すでに一人、外部で教わることなく同じフォームで使い分ける選手がいるのでその子から教わったかもしれません。次に会った時にもう少し詳しく、習得の経緯を聞いてみようと思います。
いずれにしても、中学生の成長にまたもや驚かされました。
オーダー
その大会では団体戦も行われており、オーダーを組むことになりました。
私はかねてからオーダーは博打だと思っていたのですが、少し学びがありました。
対戦したある学校の団体メンバーは4/6が異質でした。
その学校に敗れたのですが、異質が多いことを知っていたらオーダーを大きく変えられたのにという悔しさがあります。
というのもその対戦でダブルスとして起用したCさんが、圧倒的な速度の攻撃を持っているからです。彼女は安定性にやや欠けるため他の選手にシングルを譲り渡してはいますが、狙い打ち出来た時の破壊力は県の上位に匹敵します。
ですから前陣異質やカット型に対しては、対攻撃の試合よりも力を発揮するのです。
別のダブルスを起用してCさんをシングルに回していたら、結果は違ったかもしれません。うーん…。
選手たちに一つ言い訳をするなら、試合前にそういう情報をもっとくれればね、ということです。選手たちは一度その学校と対戦していたようで、異質が多めなことは知っていたはずです。
どういうオーダーにするか数名に相談したのですが、特にこれと言った情報はなく、のほほんとしていたため私は特に工夫することなくオーダーを組みました。
今後オーダーを組む機会があるなら、異質が多いかどうかは確認しておきたいなと思いました。
セット間の1分
セット間、1分間のアドバイスにも慣れてきた感じがあります。
時間を気にして喋ったわけではないのですが、試合映像で確認してみるとほぼ1分で選手が台に戻って行っていました。
以前よりは方針を短めにまとめられるようになっているのは感じます。
というより、私自身がアドバイスの方針を持ったのが大きいと思います。
方針というのは、一言で言えば「良いところだけを伝える」ことです。
得点できたパターンや技術はもちろん、安定している技術・ミスの少ない技術を伝えます。
得点できたパターンを伝えることで、一つ大きな手応えを感じました。そのパターンを多用し、0-2から3セットを奪い返して勝利したのです。この勝利により団体としての敗戦を免れ、チームは決勝トーナメントに進むことができました。
選手の力に脱帽しますね。私が同じアドバイスを貰っても、3セット取り返すことは出来なかったと思います。
安定している・ミスの少ない技術を伝えるというのは、選手に勇気や安心感を与えることができます。「今君を助けてくれているのは~~だよ。」と伝え、そこには自信を持ってプレーするよう言います。一つでも安心できる技術があると、他の部分もそれにつられて少しずつ良くなっていきます。(※1)
実はコレ、友人の経験をそのまま拝借しています。
秋口に友人と、セット間のアドバイスについて話しました。
私は人生でベンチコーチらしきこと(=戦況や精神状態を変えるような、あるいは何かしらの形で記憶に残るようなベンチワーク)をしてもらったことは一度もないのですが、彼は中学時代にそういう経験をしたそうです。
その時のベンチコーチはかなり卓球を知っている人だったらしく、1セット目を取られてベンチに戻った彼にこう言ったそうです。
「今、君を助けているのはフォアドライブだ。これだけは覚えておきなさい。」
10年ほど経った今でも、その言葉を鮮明に覚えていると言います。実際そこから3セットを取って勝利したそうです。
この話を聞いた時、非常に理に適っているなと納得しました。(※1)のような考えを得たのです。
(この記事は書きかけです)