人生を変える

先日引退したカット型のAさんですが、三年生の1人が全日本ジュニア予選まで続けるのに合わせてあと数回部活に顔を出すようです。

お母さん曰く、本人は1,2年生のためと言っているけれど何だかんだ卓球がしたいみたい、とのこと。勉強の息抜きとしつつ、1年生の面倒を見てもらえればありがたいかな。

 

彼女の中で続ける意志が芽生えたきっかけが何なのかはっきりとは分かりませんが、県大会の4つ角シード相手にマッチポイントを握れたことが関係しているのではないかと思います。クラブチームでじっくり漬け込まれた選手に比肩するところまで行ったのにはAさんと私で一年タッグを組んできたことが背景にあると信じたいです。もちろん彼女の成長は本人の能力と努力によるところですが、少なくとも私の関与0だったなら、彼女の力はあそこまで引き出されなかったはず。私の任務は「生徒を育てる」のではなくて、「生徒の力を最大限引き出す」ことだと現時点では結論を得ています。

ここまでの話を程度の大小はあれ正しいと仮定すると、私が彼女の人生を変えることになるかもしれません。もし高校で卓球を続けることになれば、続けなかった未来とは人生が変わるからです。それが彼女にとってベターなのかは、人生一度しかないので確認できませんが。こんなことを考えると、生徒と深く関わる時には気を引き締め続けないといけないなと思います。今回Aさんにとっては卓球に楽しさを見出したという点で前向きな結果となりましたが、まかりまちがえばとんでもないことになっていたかもしれません。そうならないよう、長期的な視点と短期的な視点を持って臨みたいです。

 

 

(おわり)