中学校で卓球を始める子供たちが使うのに良いであろうラバーを考えます。
そうは言っても決して性能が低いというわけではなく、中級者でも十分使えると思います。(ただし、攻撃技術に長けた男性の方にとっては足りないかもしれません。)
裏ソフトには大きく分けて高弾性とハイテンションの二種類があります。
高弾性はラバーのゴム自体にテンションがかかっていません。
一方でテンションがかかっているラバーや、それに近い性能のラバーをここではまとめてテンションラバーと表現します。この二種類は特性が異なります。
高弾性の優れた点をご存じない方は下記の記事をご覧ください。
テンションラバーには下線を引き、私が何かしらの形で使ったことがあるものは太字にしています。
①マークV(ヤサカ) 3,200円
②ライズ/ライズスピード(TSP) 3,400円
③ザルト(Nittaku) 3,700円
④フライアットスピン/ハード/ソフト(Nittaku) 3,800円
定価4000円の壁
⑤アグリット/アグリットスピード(Nittaku) 4,000円
⑥ヴェガヨーロッパ/アジア(XIOM) 4,000円
⑦マークV HPS(ヤサカ) 4,000円
⑧ヴェガアジアDF(XIOM) 4,200円
⑨レガリスレッド/ブルー(TSP) 4,200円
Part1ではマークVとライズについて書いていきます。
①マークV(ヤサカ)
小中学生が最初に使うラバーとしては群を抜いて適しています。
発売が1969年という歴史の長いラバーですが、今日でも十分通用する性能です。
高弾性の中ではそこそこの弾みで、柔らかめです。扱いやすいだとか癖が無いといった評判をよく見聞きします。
最近の高弾性と比べて若干低価格ながら性能は遜色なく、経済的にも中学生が最初に使うラバーとして優れています。
厚さが極薄、薄、中、中厚、厚、特厚と全て揃っているのが嬉しいです。特に中学女子にとっては中厚があるのが良いなと思います。
最近、ティモボルW7にマークV厚を貼っているものを触らせてもらいました。
40年前の高弾性と言うこともあり弾まないのかと思っていましたが、予想よりかなり飛んでくれましたし、かなり気持ちの良い打球感でした。
マークVの打球感が好きだけれど少し弾みが物足りない、という方はラケットを7枚合板や特殊素材の物にすると飛距離を確保できるでしょう。
なお持ち主に感想を聞くと、感触は悪くないけれどラバーの端がすぐボロボロになるのが気になるとのことでした。(台にぶつけたためなのかまでは分かりませんが、こういう意見もあるというくらいに受け取って頂ければ。)
私の知人に、アペルグレンオールプレイという弾み控え目のラケットにマークV厚を貼っている人がいます。彼はエネルギーをボールに伝えることに長けていて、スピードもさることながらバウンドしてからグンッと伸びるドライブを連打してきます。そんな彼曰く、
「高弾性だし全然弾まないって言う人もいるけれど、それはちゃんと当たっていないからなんですよ。きちんとぶつけながら回転をかける感覚を磨いていけば、相当重いドライブ出来るんですよ。」
とのことです。練習相手をしてもらって、確かに目の前で実感しましたね。
侮るなかれ、高弾性。
②ライズ/ライズスピード(TSP)
2010~2011年に発売された高弾性ラバーです。
高弾性ラバーの新製品はなかなか発売されませんが、そういう風潮の中発売された新しい高弾性ラバーです。
価格はマークVとほぼ同じで、なおかつマークVと同等に癖が無く扱いやすいラバーと言えるでしょう。
マークV同様に、高弾性だからと侮れない性能です。
マークVの方が柔らかく、小さな力でもラバーに食い込ませることができ、球持ちが良いと感じます。食い込ませて回転をかけるのに向いています。
ライズの方が硬く、ミート系の技術がやりやすいです。強く切るツッツキはこちらの方がやりやすいです。食い込ませるというより、表面で引きつれを起こすタイプのドライブに向いています。
ラバーに食い込ませて回転メインで飛ばしたい人はマークV、バチーンとぶつけて弾きながら回転をかけたい人はライズといったところでしょう。
男子と違い女子ではスマッシュが多用されますから、男子より女子向きのラバーと思います。スマッシュの感覚を磨きやすいという意味でも、中学始めの女子が最初に使うには良いと思われます。
ライズの特徴が軽いと謳われており、どうやらマークVに比べると軽いようです。
私自身は計量して比較したことが無いのですが、他の方のブログを見るに確かに軽くなるようです。ラケットのブレードサイズにもよりますが、5~8gほどマークVよりも軽くなると思われます。
軽くてミートがやりやすいというと、ブレードの大きいカット用ラケットや中ペンの裏面に良いはずです。厚さは中、厚、特厚の三種類。
(Part2へつづく)
(最終更新日:2017/1/12)