新中学1年生の用具 ver.2023

ご要望をいただきましたので、久々に卓球をテーマにして考えてみたいと思います。

以前同様に未経験の女子中学生を想定し、できる限り自分で触れたことがあるものを中心にオススメする形をとります。

競技的な卓球の経験がない方にも伝わるように書いているつもりですが、ご不明な点がありましたらコメントにてお尋ねください。

 

※本記事は、下記の記事を元に加筆修正を加えたものになります。

 

 

 

はじめに ~2019からの変化~

ボールはプラスチックのままですが、コロナ対策として抗菌仕様のボールが使われるようになりました。セルロイドからプラスチックへ変更された時とは違い、打感やボールの飛距離・スピード・スピンに差異はほとんど感じられないので、ボールの影響は考えなくて良いでしょう。

大きな変化としては用具の価格が全体的に上がったことですね。特にラバーは消耗品なので、価格も用具選びでは気になるポイントかと思います。ラケットについては木材価格の高騰により安価なものが廃盤になったり全体的な値上がりがあったりしますが、ラバーに比べるとリセールが効くことから金額にはある程度目をつぶって考えていきます。

 

個人的な変化として、自分の練習は再開していますが中学生の指導から離れていますので、記憶を頼りにしながらの部分もあるかと思います。ご留意ください。

 

 

最初はシェーク裏裏で

これは変わらないですね。卓球においてできることは裏ソフトが一番多いこと、力加減や回転を掛ける感覚を覚えるのに裏ソフトが一番適していることから、裏ソフトを最初に使うべきと考えています。

 

運動が苦手そうだからと最初から粒高を使わせることは避けるべきです。弾みや回転が裏ソフトと違って不規則のため「卓球に慣れる」ことが難しくなり、その子の卓球全体の向上を妨げる恐れがあります。何より粒高しか使えない状態になってしまい、その子の1,2年後の可能性を奪う可能性があります。

 

ラケット

女子中学生の最初のラケットを選ぶ際に、私が重視するポイントは以下の通りです。

  1. 5枚合板の木材ラケットである。
  2. 球持ちが良く、弾みも丁度良いこと。
  3. FL(フレア)グリップが太すぎないこと。
  4. 裏ソフト、表ソフト、粒高のどれでも問題なく合わせられること。
  5. ある程度売れていて評判が良いこと。
  6. リセールが効くこと。
  7. デザインが古臭くないこと。

以上の条件を満たすものの中では、オールラウンドエボリューション(STIGA、以下オルエボ)が最安定。私だったら全員コレにしてしまうと思います。

 

1. 5枚合板の木材ラケットである。 2. 球持ちが良く、弾みも丁度良いこと。

球持ちが良いというのは、打った時に一瞬ボールがラバーに食い込んで「くっつく」とか「つかむ」ような感覚を指します。回転を掛ける感覚をつかみやすいだけでなく、試合で重要なレシーブやツッツキでミスするリスクを低減できます。トップ選手が使うようなラケットは確かにボールの威力は出ますが、細かいプレーでは力加減の熟練が必要で、特にレシーブは弾まないラケットに比べてより繊細になります。

弾みはボールのスピードや飛距離を指します。あまりに弾まないラケットですと力んで打つ癖がついてしまうので、それなりの弾みが必要です。一方で弾み過ぎてしまうラケットは、ボールを台の中に収めることに慣れていない状態では扱えず、オーバーミスが多くなってしまいます。

これらを考えると、特殊素材入り(一般に木材のみのラケットより弾むことが多いです)は避けて木材の中で考えることになります。

木材ラケットも5枚合板と7枚合板がありますが、一般に5枚合板の方が柔らかく上記の条件を満たしやすいので5枚合板を優先して考えます。ただし5枚合板の中には弾みが足りないラケットもあるので、その点に注意が必要です。(7枚合板の中にも物凄く飛距離が出るラケットから比較的大人しく5枚合板に近い扱いやすさを持つラケットまであります。)

また、弾みが中間帯であれば、ラバー変更によって用具全体の弾みを調整することが比較的容易です。

 

3. FL(フレア)グリップが太すぎないこと。

4. 裏ソフト、表ソフト、粒高のどれでも問題なく合わせられること。

オルエボのFLグリップは比較的細めで、中1女子でも握りやすい点がGOOD。

グリップはFLがオススメで、これはフォアハンドとバックハンドを切り替えながら打った時にグリップの微調整がしやすいためです。

STIGAのラインナップでは細いFLであるMJPも存在しますが、これはかなり細くなるのでよほど手の小さい生徒さんでない限りはFLで問題ないと思います。

裏裏から、回転系のバック表やバック粒高の選手まで使うことができます。都道府県のレベルにもよりますが、中学校の県大会に出場するくらいのレベルまではオルエボのままでも十分やっていけます(もちろん途中でラケットを変えて威力を出していくことも良いです)。ただし、カット型へ移行する場合のみラケットの変更は必須と考えてください。

 

5. ある程度売れていて評判が良いもの。

6. リセールが効くこと。 7. デザインが古臭くないこと。

販売数が多いということは多くの人たちから一定の評価を受けていることの証明です。そうしたラケットは中古でも需要があるものが多く、ラケット変更や部活からの引退で不要になった際にメルカリやヤフオクで現金化しやすいというメリットもあります。

値上がり自体は原料の高騰によるところが大きいため致し方なく、以前と同じ価格帯を求めるのは無理があるのかもしれません。逆に価格が高騰しているからこそ中古でのリセールはしやすくなっているはずなので、リセール分の金額を差し引いて考えられるならおうちの人の受け取り方も変わるかな…といったところです。

 

デザインは性能に全く関係ないですが、10代のお子さんが使うことを考えるとモチベーションの面から、あまりに古臭いものやダサいものは避けたい気持ちがあります。同じような性能ならオシャレな方がいいですね。そういう意味ではTSPをVICTASに吸収する中でのデザイン刷新は素晴らしいことだと思います。(ニッタクさんも長年販売が続いているラケットのデザインを刷新してほしいところですが…)

ピンクが好きならウォルナットウッドも同価格帯でオススメ(弾みはやや強め)ですが、大人の男性が思うほど女子中学生はピンク色を好んでいないというところで、無難かつダサくはないデザインのオルエボに軍配が上がるかなと。

 

ラバー

女子中学生の最初のラバーを選ぶ際に、私が重視するポイントは以下の通りです。

  1. ある程度弧線を描きやすいラバーであること。
  2. 球持ちが良く、弾みも丁度良いこと。
  3. スポンジ硬度が40°~45°(ドイツ硬度)であること
  4. 中厚(1.8mm)や厚(2.0mm)の厚さがあること。

以上の条件を満たすものの中では、ライガン中厚がオススメです。最初は両面同じで良いと思います。ファクティブも同じ層向けのラバーですが、ライガンに比べると回転よりスピードに寄ったラバーという印象です。その分直線的に飛んでくれるので、どちらかと言えばバック用に向いていると思います。プレースタイルを考えながら2枚目としてバックに貼るのはありです。

 

1. ある程度弧線を描きやすいラバーであること。

2. 球持ちが良く、弾みも丁度良いこと。

3. スポンジ硬度が40°~45°(ドイツ硬度)であること。

これらは全て、ボールをコートに入れやすいということを意識したものです。弧線を描きやすいというのはボールを打った時にやや上に飛んで弧線を作ってくれるということで、極端に下から上に振らなくてもネットを越えてくれるラバーが良いです。ここ10~15年くらいで販売開始したような初級者向けのラバーはほぼ全て弧線を描きやすいのであまり意識するまでもないポイントですが、その中で比べた時に比較的直線的に飛ぶラバーがあります。

直線的に飛ぶラバーも技術が身についた上で使えば得点源になりやすいので、個人の状況に合わせて使えば良いラバーですが、弧線を描こうと下から上に振る癖がつく恐れがあるので最初は避けます。逆に弧線を描くことに特化しているようなラバーも極端なので避けます。まずは標準的なもので。

球持ちや弾みはラケットと同様ですね。

スポンジ硬度は球持ちや弾みに関わる要素です。ラバー全体の硬さはシートの硬さとスポンジの硬さのブレンドですが、一般にシートの硬さは表記されないのでせめてスポンジ硬度だけは目安として掲載しました。ここはあまり気にしなくても、初級者用のラバーであれば大体この辺りのスポンジ硬度になります。バタフライや他社の日本製ラバーは硬度の基準が異なりますが、グーグル検索すれば大体の目安は分かると思います。

 

4. 中厚や厚の厚さがあること。

ラバーの厚さについては、特厚以上の厚さは避けます。重くなってしまうことと、打った時のインパクトが強くないと特厚以上の厚さは良さを発揮できないためです。

初級者向けのラバーであれば中や厚のラインナップがありますが、中級者以上をターゲットとしたものの中には特厚やMAXのような厚いラバーしか用意されていないものもあります。

メーカーによって中や厚にあたる厚さが違うので、ライガンを販売しているYASAKA基準で考えると、中厚が1.8mm、厚が2.0mmです。この差は小さいですが、中だと1.5mmとなります。ここまで薄くなるとボールをつかむクッション感がやや薄くなること、厚だと人によっては重さが気になることから中厚をオススメしています。他社のラバーを検討する際にはこれらの数値を参考にしていただければと思います。

やや古めのデータですが、参考までに。↓

卓球専門店ジャスポ>ラバーサイズ表

 

コントロールが良いということで中にあたる厚さを勧める記事は多いですが、仮に中厚が無くて中1.5mmか厚2.0mmから選ぶとしたら私は2.0mmを勧めます。

中のコントロール性能が高いというのは、薄い方が勝手に飛んでいかないので思ったように回転を掛けやすいだとか、思った飛距離で飛ばしやすい、ということに由来すると思います。しかしながら初級者向けラバーはそもそも強く弾んだり飛距離が出たりするものではないので、プラスチックボールでは中だと弾みや飛距離にやや不足感があります(セルロイドであればもっと飛距離が出たので、中からスタートでも良かったかもしれません)。また、セルロイドのボールと比べてプラスチックボールは硬く、ボールの変形が小さくなっています。その分なのかラバーの硬さをより感じるようになっている印象で、スポンジの厚さによってクッション感(ボールがラバーに食い込む余地)が欲しいです。

 

3か月~半年経ったら分岐をしていく

サービスを覚え、フォアハンド・バックハンド・ツッツキを覚え始めたら、それぞれの希望や適性を踏まえて目指す戦型を選手と相談します。部活動ですと、夏休みが終わって9月頃でしょうか。上級生にいろいろな戦型がいるなら、新人戦で実際にその試合を見せてからでもいいでしょうし、Youtubeから動画を引っ張ってきて1年生たちに見せる「座学の時間」を設けることが出来るならそれが一番良いかと思います。

ここで大切なことは、プレーする本人が納得した上で決定していくことです。部活動での指導者が行うのは適性を見極めることであり、本人の希望を無視して押し付けるべきではありません。仮に押し付けられた戦型で勝てるようになったとしても、本人が卓球を好きでいられるかどうかは保証されないからです。

変更した方が勝てる可能性が高まる場合はその理由、また、それぞれの戦型の特徴やメリット・デメリットをきちんと説明した上で、最終的には本人に判断させることが大切と考えています。

 

確かに、団体戦を考えた時にカット型が欲しいとかペン粒が欲しいとかいったこともあるかもしれません。しかしながら、本人の希望を置き去りにしてまでそれを優先するのは一般の公立中学校ではやりすぎでしょう。卓球を選んでくれた子供たちのために、卓球をやってよかったと思ってもらえるような選択をしてほしいと思います。

 

適性は性格的なものよりも、どういうテンポや展開のラリーが得意かを見ます。

素早い動きや上回転の速いラリーが得意ならバック表、ゆっくりしたテンポのラリーの方が良さそうであればバック粒高やカット型がありでしょう。ただし、これらの特徴があるからと言って無理に両面裏ソフトから変える必要はありません。訓練次第で敏捷性は上がっていきますから。

 

シェーク裏裏

ラケットの変更よりもラバー変更の方がいろいろなリスクが低いため、ラケットはオルエボのままでラバーでのレベルアップを考えます。

①→②→③の順に変更していき、上にあるラバーほどレベルアップしていると考えてください。中学校の部活だけで練習していくなら、③までの変更が必要になる人は少ないと思います。

 

中学校部活のみであれば、下回転に対してバックドライブを多用する必要がないので、バック面のラバーではツッツキやブロック、上回転でのラリーのしやすさを優先します。

フォアは下回転打ちをする必要があるので、②の段階ではバックよりも回転の掛けやすさを重視したラインナップです。

ヴェガヨーロッパのみXIOMですが、この中ではテンションが強め(自動でボールを飛ばしてくれる)です。ヤサカのラクザ7ソフトの方が勝手に飛んでしまう感がないので個人的にはオススメですが、ヴェガヨーロッパの方が若干お安いという優位性があります。

 

バック表

バック面の表ソフトについて考えます。ラケットはオルエボのままで、フォア面はシェーク裏裏のラインナップと同じで考えてください。

表ソフトは回転系・スピード系・変化系の三種類に大別することができます。回転系は表ソフトの中では比較的回転が掛けやすく、裏ソフトに一番近い感覚で扱うことが出来ます。スピード系はフラットに当てた時にナックルのボールが出やすくスピードも最も出やすいです。裏ソフトと球質が異なるために得点しやすい反面、扱いに関しては回転系より慣れが必要になります。変化系はラバーにある粒が比較的長く、粒高ラバーに近い性能も有していて、うまく当てれば相手の回転を逆にして返すことが出来ます。

 

最初は回転系の表に変更し、表ソフトそのものに慣れる期間を設けた方が上手く移行できますので、VO>102(VICTAS)の2.0mmをオススメします。以前はブースターSA厚をオススメしていましたが廃盤となってしまいました。私自身でVO>102を使ったことが無い点はご容赦いただきたいですが、回転系の中ではSAにかなり近いだろうと想像されます。

ブースターSAに近い性能であれば、テンションによって適度な弾みが確保されていますし、球持ちも良いので裏に近い感覚で打つことができるはずです。ツッツキでは面をやや立てて回転を掛けない当て方が出来ればナックル性のボールを出すことができ、チャンスメイクが可能でしょう。

 

↓に貼った南波選手のSA/JP比較動画を見ると、やはりSAの方が下回転に対するループドライブは裏ソフトに近い当て方が出来そうです。薄くとらえても落ちずに掛かるように見えます。JPの方がやや厚く当てる必要があるようなので、裏からの移行はやはりSAの方が違和感が少ないだろうと思われます。

 

ただし今回はSA使用者が代替を探すという話ではないので、やや性能は違っても後続のブースターJPはナシではないと思います。お値段が気になるようであればこちらの方がVO>102よりいくらかお安いので。

あるいは初めての表はVO>102にして、2枚目でブースターJPを使ってみる…という流れも良いのかなと思いますね。

 

※参考↓

 

バック粒

バック面の粒高について考えます。ラケットはオルエボのままで、フォア面はシェーク裏裏のラインナップと同じで考えてください。

 

粒高は、スポンジの厚さによってその性能が大きく変わります。裏ソフトや表ソフトよりも断然、スポンジ厚の影響を受けるラバーです。

基本的にスポンジが薄いほど所謂”粒高らしさ”は出やすいですが、自分から回転を掛けることが難しくなり飛距離も不規則に(≒扱いが難しく)なります。逆にスポンジを厚くしていくとツッツキやドライブで回転を掛けやすくなりますが、粒高らしさは穏やかになります。スポンジの無いOXと呼ばれるタイプも存在し、前陣で粒高を使う選手はこのOXか極薄のスポンジを貼っているケースが多いです。

 

裏裏を経た後なら力加減を調整する能力が育っているので、いきなりOX(スポンジ無し)でも慣れていけると思います。短く止める感覚を身に付けやすいので、最初はテンションのかかっていない粒高から選びます。

 

以上のことから、カールP3αVのOXが良いです。カールP3Vも性能は近く、強豪校の監督も選手によってどちらかを選んでいるということなのでどちらでも良いのですが、公式では3αVの方が変化が出るということなので。

粒高は裏ソフトや表ソフト以上に、ラバーの種類によって大きく性能や打法が異なります。ですから同じ種類を長く使った方がミスのリスクが減っていくので、一度P3αVに変えたら何か問題がない限りは粒高はずっと同じものを、少なくとも中学の間は使っていくのが良いでしょう。

バックのスポンジが無くなるとフォアの弾みが落ちるため、フォアのラバーは厚以上にします。

 

かつて粒高界で一世を風靡したGrass D.TecSは、最初の粒高としては難しすぎるので避けてください。

 

中2の終わり辺りでもしラケットを変更するなら、ニッタクのセプティアーがおすすめです。オルエボより板が硬いためかブロックが短く止まるし低く飛び出すので、相手にツッツキを強制しやすいです。プッシュはくっつきすぎず飛び出すし、フォアハンドの威力も出ます。

守備用として販売されているようなラケットは、シェークバック粒には厳しいです。ペン粒と違ってフォアハンドで裏ソフトを使う必要がある以上、ラケットはそれなりに威力を出せるものでないといけません。そういう意味でオルエボ以上の弾みがあるラケットから考えるのが良いです。

 

フォア表(候補外)

無しではないのですが参考例・お手本(塩見真希 or Mattias Falck)が少なすぎることから候補外としました。

 

カット型

カット型だけは、ラケットも変更する必要があります。

グリップについては、バックサービスの後に反転がしやすいこと、カットの際にグリップがブレづらいことからSTをオススメしています。実際にはFLの方が好みであればFLでも良いのですが、中学生であればまだそこまで分からないかなというところで、バックサービス後の反転を重視します。

 

カット用として最も低弾性な部類は避けて、カット用全体の中間あたり~やや弾まないあたりで選ぶのが良いです。これは相手のドライブにまだ威力がないことが多いので、無理な力を入れなくてもカットやロビングが飛んでくれることを考えているためです。

私が使ったことのある中ではニッタクのティルナがオススメでしたが廃盤となり、代替候補を探しました。

結論としては、ディフェンシブクラシックが一番、次点でデフプレイセンゾーと思います。ディフェンシブクラシックはまだ私が使ったことが無いのでネット上でかき集めた情報を総合すると、弾みがティルナあたりのラインに近いかなと。

またメルカリを覗いてみても大量に流通していないので、リセールは効きやすいと思います。あとはデザインが、今回上げた中で一番オシャレです。

 

 

デフプレイセンゾーは個人的にその打感や弾みが好みでないだけで、塩野さんが使っていた実績があります。私に身近なところでは大学時代の強い後輩も使っていましたし、何より私が関わったカット型の選手が中学スタートから県大会1勝したという実績を持ちます。じゃあもっとオススメしなさいよ、という話ですがね。もうちょっと弾んでもいいかな…と思っちゃうんですが、弾まない分ツッツキがブチ切れるので良いです。

 

松下浩二に( )が付いているのは、初級者には弾み過ぎるので、基準として載せているだけだからです。

松下浩二ディフェンシブについては弾みがデフプレイセンゾーと同様抑えられていてカットが何でも収まる…そういったラケットですが、価格がデフプレイより数千円高くなるので、同じような弾みだったらデフプレイでいいよね、ということで( )を付しています。

 

ラバーは以下の通りです。

ライガンについてはまず厚に変更して良いでしょう。バック粒高と同様、バック面のスポンジが薄くなることでフォアの弾みが落ちるため、厚にしても問題ないです。

 

バック面のラバーは、まずはカールP4Vで良いでしょう。

簡単にそれぞれのメリット違いをまとめておくと、

P4V:ツッツキを切るのが簡単(≒裏ソフトからの移行に◎)、カットがゆっくり飛ぶ

P1V:ツッツキを切るのが難しい代わりにナックル出しやすい、カットが速く飛ぶ、強打に対するカットの回転量が多い

 

P4Vをしばらく使ってみて、きちんと回転のあるツッツキが出来るようになった場合、P1Vを試してみるのはアリです。ツッツキを切ることと緩いドライブに対するカットは難しくなりますが、ツッツキの回転量が減ることでフォアとの回転差が大きくなり、得点できる場面が発生します。ツッツキの多い女子中学生の試合では、これは本当に大きな武器になりますし、しっかりドライブが出来る選手でも切っているのに切れていない粒のツッツキには引っかかってくれるので使いこなせたなら強いです。また、相手のドライブにそれなりの威力があるならP1のカットはとても回転が掛かって脅威になるので、そういう相手との対戦がしばしばあるようであればP1も検討すると良いでしょう。

私が関わった中学生のカット型6名のうち4名はP4Vで中学最後まで続けて、うち1名は中学スタートから県大会で一勝していますので、大抵はP4Vで良いと思います。残りのうちの1名だけP1Vに変更して使いこなせていましたが、小学生スタートかつ外部で私と一緒に練習していたのでイレギュラーですね…。(この辺りのお話は、過去の記事のどこかにあるかと思います。)

 

おわりに

いや~、長くなりました!アップした後でちょこちょこ見直して、削れるところを削っていきたいですね。

用具選びって楽しいんですが、同じようなものがいろいろあって迷っちゃいますよね。我々も気になるものすべてを試していられませんし…。

用具の味が分かってくるまでは、ある程度絞られた中で選んだほうが考えること一つ減っていいかもしれませんね。

 

(おわり)