卓球ジャンキーさんより。
緊張しているときになぜパフォーマンスが落ちるか。
一つに、自分の身体に対する意識が強すぎることが考えられる。身体感覚に意識を向けすぎると、意識せず出来る中・上級者の状態から一つ一つを意識しないとできない初心者の状態に退行してしまう。
運動の習得には3つの段階がある。その動作を理解する段階、一つ一つの動作を繋げて一連の流れとして覚える段階、無意識でできる段階。
通常であれば無意識に行えるはずが、緊張すると意識して行わなければできなくなり、考えることの次元が落ちる。
意識が選手・指導者がやりがちな間違いは、出来ないことがあった時にその技術的な要素により意識を向けてしまうこと。ラケット角度やスイング方向など、身体の動かし方を事細かに考えたり、説明したりしてしまって、パフォーマンスが落ちてしまう。
試合中には技術的なことを考えるのは極力避け、どこを狙うか、どう組み立てるかなどを伝えたり、きっと入るからと励まして、戦術に意識を向けるようにする。
また、普段の練習において身体感覚ではなく戦術を意識して行う必要がある。
これらの意識付けも重要だが、緊張の程度もできれば緩和したい。
緊張とは、心拍数と呼吸数が上がり、全身に力が入っている状態。こうなると不安感が出てくる。これらは相互に作用していて、つまり緊張するから心拍数や呼吸数が上がり力が入るが、そのことによってまたさらに緊張の程度が増すということである。
この時、不安感を取り除こうとするのは根性論になるが、生体的なアプローチをかけることで緊張を緩和することが出来る。
具体的には深呼吸をすること。息を吐き出す時に心拍数が下がるためだ。さらに深呼吸そのものによって呼吸数が下がり、結果緊張が和らぐ。
力が入っている時には、さらに力を入れてから一気に脱力する。筋肉には過度の収縮があった後に脱力する性質があるため、これを利用して筋緊張を取る。
また、日の光を浴びることにより生成されるセロトニンを作れるよう、朝散歩するなどの習慣を付けておくことも効果的だ。これは当日ではなく、事前準備として行うものである。
(おわり)