左利きが右で打ったっていいじゃない

元来右利きである人が左で卓球を始めるケース、これはしばしば見られる現象であります。それは左利きがラケットスポーツにおいて明確に有利であるから。

一方で、左利きが右で卓球を始めるケースは稀です。しかしながら、そこには場合によって大きな意味が生じることがありそうです。

 

 

現在私のレッスンを受けている選手の中に、生まれつき左利きで卓球も左でしている女子選手がいます。

最初の頃は本当に卓球を上手くなりたいのか、正直私には判断しかねる様子だった彼女ですが、年明けくらいからあぁこの子は上手くなりたいんだなと確信できるようになってきました。

そんな彼女は自分の身体をコントロールする能力に難があり、(トレーニング不足なのか、そもそもの能力なのか分かりませんが)上手くできる技術とそうでない技術に大きな差があります。

具体的にはサービスは上手に出せる一方で、フォアハンド系の技術全般に大きな問題を抱えています。バックハンドからフォアハンドへ切り替える際に、サービス時のような小指・薬指を外したグリップになってしまうのです。

握ろうと意識しても気付くと指が外れてしまうようで、本人も苦しんでおります。

 

そこで最近私が得た知識を活用して、右手でフォア打ちとフォアツッツキをしてもらうことにしました。すると指は外れることなく、力加減もボールタッチも非常に良い感じです。明らかに左より上手にできています。

 

彼女曰く、卓球は左が有利と知っていたので右でやろうという発想はなかったとのこと。

もし私が、彼女が卓球を初めてすぐに右利きでも打たせていたら、右利きとして卓球を教えていたことと思います。それくらい右で打ったボールは質が高かったです。

 

レアなケースとは思いますが、今後同じような選手に出会ったら左から右にチェンジもありかなと。ただし左である程度の技術が身に付く前に、ですが…

 

 

 

(おわり)