新チームへ part1/2

地区総体団体戦は1回戦目で敗退しました。エースの2年生が医師の診断待ちのため出場できなかったことを抜きにしても、0-5という結果から団体として勝つことは出来なかったと思われます。

明日個人戦ダブルスに1組、シングルスに1人が出場予定ですが、医師の診断によってはシングルスは棄権することになります。

 

試合終了後しばらく会場に残るとのことだったので、2年生だけを集めて今後のお話をしました。

今回はその内容を記録しておこうと思います。この先いつか私が他の学校に移ることがあれば、またこのような話をすることになるでしょう。

 

今までの記事と被りがありますが、とりあえずこの記事一つ見れば済むように。

 

 

 

市総体、地区総体にてベンチ入りして私が感じたこと、学校の練習を見て廃止した方が良いと思った事、どういう技術を身に付けていくか…等々お話ししました。

話した順番はこの通りではありません。

 

 

温泉卓球を脱すること

3年生たちが地区総体で団体として負けたのは、彼らの人間性が低いとか能力が低いとかそういうことではありません。ただ、技術力の低さ故です。私も彼らが出来る範囲で何とか相手に抗える展開を探して伝えますが、その展開に持っていくことができません。出来ることが非常に限られる上に、出来ることを選んでもボールが安定して入らないためです。

技術の先をどうこうの前に、圧倒的に技術が足りない。

私としては、非常に歯がゆい思いですね。こうすればこのレベルには勝てるというのが見えていても、選手たちにはそれはできない、それをできるようにする時間もなかった…。

 

地区総体に出場している選手の内、はっきり申し上げて半分は”温泉卓球風”です。自ら自分の打球をコントロール出来る選手あるいは自ら得点しにいくボールを放てる選手は、全体の4割ほどでしょう。

 

2年生たちには、温泉卓球を脱していただかなくてはいけません。

地区総体で早々に負けてしまう人たちが、なぜ負けるか。それは自分たちのボールが入らないからです。相手のボールの質がどうこうではなく、ボールが来る場所へ動いて適切なスイングでができないから、入らずに失点して負けていきます。これでは、「卓球を経験した」ということにはなりません。

 

技術については、これから私が1年かけて仕込んでいくことができます。私にはその準備があります。あとは、皆さんの気持ち次第です。地区総体で勝ちたい、県大会に個人戦団体戦で出たい、そう思えるならそれ相応にサポートすることはできます。ただし、私はそこまでじゃないんだけどな、楽しくやれればいいんだけどな…という人がダメだということではありません。やるやらないは強制されるものではないと思っています。

全国に行くような強い選手でも、全然やる気のない人はいます。いくら強くなっても、そういう人にはなってほしくありません。

 

 

では、どういう技術を??

ここで、みんなである程度の強さを目指して頑張ることになったと仮定しましょう。では技術的にはどのような練習をすべきなのか。

大きな軸になるのは、サービス・レシーブ・フォアハンドの3つです。サービスを巧く出すことができれば、自分が先に攻めることができます。同じモーションから回転やコースを読ませないようにしていろいろなサービスを出すことが重要です。

また、ツッツキ合いに持ち込まれるようなサービスは避け、ロング戦に持っていけるサービスを練習することです。

相手のサービスに対しては、簡単に打たれないことを防ぐレシーブが必要になります。これはドライブやツッツキの技術を流用していきます。

バックハンドではなくフォアハンドなのは、バックハンドよりも威力を出しやすいことと、繋ぎから決定打まで安定することが理由です。特に下回転に対するドライブはフォアハンドで行い、バックハンドでの下回転打ちは最低限上回転にしてラリーに持っていける程度で十分です。決定打にするまでには多くの練習が必要で、またせっかくドライブをしても相手のブロックが難しくなる回転量を出していくにも時間がかかります。

 

 

技術以外の改革

試合周りでは、タオル、飲み物、返球コースをバックに限定する作戦、審判の誤審に注意、について。先日の記事に書いた内容ほぼまま。

 

学校練習については、練習前のランニングは継続しても良いが台の両端に触れつつの反復横飛びのような”エクササイズ”はやめた方が良いと思います。確かにあれは柳承敏もやっているようなものですから、きちんと負荷をかけてやれば効果があると思います。しかし今のような、間延びした尺でゆっくりペースではフットワークに効果はなく、時間を無駄にしているだけです。その時間は打つことに費やした方が、このレベルでは効果が高いです。

また、練習最初の基礎打ちが長すぎます。いや、きちんと打てる人同士ならそれでいいのですが、今のレベルでそれをやっても下手くそになるだけです。ボールの威力・コースがまともにコントロールできないため、相手のボールに対応しようとして動きがぐちゃぐちゃになるからです。

フォア・バックを3本ずつくらい打ったら、すぐに多球練習を開始すべきです。同じフォアハンドのロング打ちでも、多球でやったほうが正確さが身に付きます。そこで思ったところに思ったボールが7,8割遅れるようになることの方が、段階としては先です。

 

 

目に見えない、一定のライン

以前の中学校に4年間関わって、毎年不思議な現象を見てきた。それは、3年生の春~夏前頃になると、突如としてボールが入り始めるというもの。3月にはポロポロミスしていたボールが、5,6月には安定して返せるようになる。

私の中の仮説だが、中1から卓球を始めてこのくらいの時期になると、積み上げた練習量が”一定量を超える”。そうなると、今まで入らなかったものが入りだし、ちょっと難しい初めて見たようなボールも何となく返せるようになる。相手のボールの回転量を何となく判断できるようになり、力加減や面を合わせることが出来るようになる。ゆっくりなラリーであれば、ミスせず延々と続けることが出来るようになる。

そこには確かに、見えないラインが存在する。

以前の学校は他校と比べてやや練習量が多く、中学校での練習だけでもそのラインを超えていく者が毎年現れていた。全く別の学校でも、そういうラインを超える瞬間を見た。

だから以前の学校では、「3年になってからでも強くなれるから、みんな諦めないで頑張って!」と言って引退していった3年生がいた。それは慰めや誤魔化しではなく、確かな事実なのだ。

 

ただし、練習量が少ない学校ではそのラインを皆が超えないまま、終わっていく。何も分からないまま、何となく入らなくて終わってしまう。皆さんがそうなってしまうことは、何としても避けたいと思う。だから、学校サイドとしては難しいところだが、私の元で外部練習をしてくれればそのラインを超えていくことが出来るはず。先生にもこれ以上の負担がかかることはないし、学校よりも濃度の高い練習をすることが出来る。

 

 

 

(つづく)